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自ら志願して、業界で働いてみた。⑦
自ら志願して、業界で働いてみた。⑦
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久兵衛さん
店の看板機種を無視してバラエティコーナーで散財するのが好きな人。大型店より中小店。珍古台LOVE。 ついった⇒ QB0083 - 投稿日:2018/04/28 23:23
~翌日~
パチンコ製造工場で働いて3日目の朝がやってきた。
無性に『洋』の朝食が食べたくなったので、焼いたトーストの上に薄くマスタードを塗り、カリカリに焼いた焦げ付きベーコンを敷き詰めて、その上にスクランブルエッグを乗せたモノと熱々のコーンスープを作った。
これを大口で齧り付いて噛み締める。マスタードの刺激とベーコンの香ばしい汁が口に広がり、バターの優しい香りとスクランブルエッグの甘さがそれらを包む。
熱々なコーンスープで体はホカホカ。ゴキゲンな朝食となった。
出発連絡のメールを送信して出発し、いつも通りの時間に工場の敷地内駐車場へと到着。
下駄箱まで歩く途中で行き交う名も知らぬ人々の「おはよう」が心地良かった。
作業現場である第2工場へと向かい、ラジオ体操をして課長の話を聞く。
課長の話が終わったら各ラインごとに集まってミーティングと作業現場の確認だ。
今日はメガネ君は来ておらず、初顔合わせの痩せ型の男性と柴田○恵似の女性と山田さんがいた。
役モノの動作確認かな?と楽しみにしていたが、指示されたのはネジ締めだった。
作業自体は同じだが、作業場所に変更があり、今回任されたのは電子回路を小さいネジで役モノに固定するという作業だった。
そして左隣には山田さんが、更にその左隣には工場直属のパートのオバちゃんという体制でラインが動き始めた。
オバちゃんがコードをモーターに差し込んで山田さんに渡す。山田さんはコード付きのモーターを電子回路に固定させて私に回す。私はそれを役モノに固定して流すといった流れだ。
昨日とは違いネジが小さくてやり難い上に目が疲れ、慣れるまでには結構な時間を要した。
しかし、それ以上に時間を費やしていたのが山田さんでオバちゃんから何度も注意を受けていた。
このオバちゃん、隣の山田さんだけでなく私にも色々と言ってきたが、作業に慣れてくると何も言わず作業が遅れがちな山田さんばかりを言うようになっていた。
「あんたさーもう少し早く出来ねんけ?」
「……ってんだろ」
「何?言いたいことがあんならちゃんと言いなよ」
「やってんだろ!仕事をよ!!さっきからイチイチうっせんだよ!!!」
作業机をコブシで叩きつけると「俺ァ帰るんで」と言い残して現場を去っていった。
「ちょ、山田さん!!」
大声で呼び止めたが「やる気の無ェのは帰って結構!」と言ってオバちゃんは作業を再開した。
「同じ派遣なんだから帰ったバカの責任も取りなよ、ホラ!」
あっという間に机一面に敷き詰められたコード付きモーターを見て驚愕した。
これだけの量のコード付きモーターを電子回路に固定させて更に役モノに固定して流さねばならないのである。代わりの社員も派遣社員も誰も居ないので自分でやるしかない。
派遣先が「今日は3人欲しい」と言えば、派遣元から3名が駆り出される。
つまり1人でも欠けたら誰かが代わりにやるしかないのだ。
兎に角やるしかない。
焦らずに尚且つ丁寧に素早く電動ドライバーでネジを締めて固定して流す。
一通りの作業が終わったら山田さんの居たポジションに戻ってまた同じ工程を繰り返す。
「スイマセーン!部品が流れてこないんで、みんな待ってるんですけどー!」
遠くから女性の声がした。
振り返ってみたら自分の後列に居る数名が立ったままコッチを見続けてたり、お喋りをしたりと作業をしていない。要は自分の作業が遅れている事で後列の作業員たちの手が空いてしまっているのだった。
賽の河原状態とでも言うべきか、完成しても完成しても次々に追加されていくこの流れは、結局2時間以上続くこととなり、最初の4日間で一番キツい時間となった。
昼休憩まで残り30分。
オバちゃんがトイレ休憩に行ったことで追加分がストップされ、机一面にあったモーターも半分以上組み立てる事ができ、少しだけ余裕が生まれた。
次第に後列も今迄通りの仕事量が回るようになりラインも安定した。ラインが安定すれば誰も文句を言わなくなる。皆、作業に集中だ。ただ一人を除いては……。
「だいたいさーアンタのところの派遣さん評判悪いよ。無断で休み人も多いみたいだし。今日勝手に帰った男の子だって朝からぺちゃくちゃと女の子と喋ってばっかりでさー。来て欲しくないんだよ、ああいうやる気の無い子は!」
山田さんが怒鳴り帰った後もずっとこの調子で作業をしつつ小言をブツブツと繰り返すオバちゃん。
「アタシもこういう性格なんでね、言いたいことがあれば遠慮せずに言うし、腹が立つことを言われたら何倍にしても言い返すさ。しっかし何だいあのバカは本当に常識がないんだから!……ブツブツ」
苦笑するしかなかった。
しかしながら多忙だったせいか時間が経つのがあっという間で気がつけば昼休みのチャイムが鳴っていた。
工場の社員・パート・派遣社員達がゾロゾロと食堂へと歩いて行く。自分もその中の一人だ。
食堂では、工場の直接雇用じゃない派遣社員もお金さえ払えば一緒の食事ができる。
私が頼んだのは350円の日替わりランチで、今日はミニハンバーグ定食だった。
小さめのハンバーグが3つとサラダ+ライス+味噌汁が付いてくる。
それを受け取って食べる場所を探す。
しかし、今日はメガネ君が来ていない。工場内には知り合いも友達も誰も居ないので所謂『ぼっち飯』になった。まぁ、明日で仕事が終わるのだから気にすることはない。
人が極力少ないテーブルを見つけて座る。
そしてアツアツの味噌汁を一口飲んでからハンバーグに噛み付き白米と一緒にカッ食らう。
値段の割にはそれなりにヴォリュームがあって味噌汁も具沢山でスグに満腹になった。
食器を返し自販機でコーヒーを飲もうとしたら携帯に着信があった。派遣元の営業からだった。
~3日目の午後に続く~
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久兵衛さんの
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このコラムへのコメント(10 件)
彼には我慢が足らなかったのでしょう。
仮にもしこれがコンビニだったら大問題でしょうね。特に昼時とか。
だからこそ友人の愚痴でも「あの会社は仕事は楽なんだけど、人間関係がねえ……」なんてのが良くありますよね。小言オバちゃんは何処にでもいますよ。オフィスだけでなくパチンコ店でも!
なんて奴だ‼︎
激おこですよ‼︎
しかし小言おばちゃんって割りといろんな職場にいますよね・・・
ビックリしましたよ!黙々と作業してたら急にですからねえ。
あ、帰ったら働いた分だけしか時給出ませんよ!?(笑
やはり派遣あるあるなんですね(笑)
派遣会社によっても厳しさが多少あるようで、無断欠勤一発で登録抹消なんてのも人伝で聞いた覚えがあります。
派遣あるあるネタなんですねぇ。
あ、いえ。こちらこそ説明が足らずにスイマセン。
実は4日間(工場Aで勤務)4日間(工場Bで勤務)の計8日間だけの短期契約なんですよ。
もう仕事自体はやり終えて結構な時間が過ぎてますね。
アドバイスありがとうございました^^
正規社員がいてパートさんがいてその下が
派遣社員でした。
割を食うのは派遣だけでした
結構理不尽な事やらをやらされました
その後直接雇用になりましたけど
同じことをやりたくなかったので退職しました
もう嫌かな
いずれにしろ長くやる職業じゃ無いっすよ
老婆心からすみません