連続短編小説『遅れ』②

『遅れ』①
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その日もそのまま食事に
出掛けて僕の家に来たのだが
どうもシノブの具合が
よろしくない。

（そろそろ、あれの日か。）

まぁ、いわゆる女の子の日である。
しかもシノブは毎回普通の
女の子よりも痛みがひどいらしく
いつも痛み止めの薬を
常備している程だ。

シノブはいつものように
痛みのピークがくる前に
痛み止めの薬を飲み眠りに入る。

そして僕はいつも後ろから
寄り添い抱きかかえるように
お腹をさすってあげる。

僕には一生分からない痛みだけど
できるだけのことはしてあげたい
気持ちでいっぱいになる。

翌朝、いつもなら痛みが
ひいているのだが今回は違った。
もう起き上がれない程の
痛みがあるらしく
仕事にいける状態ではないのは
男の目からしても容易に感じ取れた。

彼女の母親に一報をいれ
すぐに総合病院に連れて行き
早朝だったが処置をしてもらって
事なきを得た。

30分程して待合室に
シノブが来た。

『大丈夫？』

『うん、少し落ち着いた。ごねんね、心配かけて…』

 『そんなん全然気にせんでいいから』

僕の言葉に少し笑顔で
答えてくれたので安心した。

とその時、看護師が
シノブの所にきて驚くべき言葉を
彼女の耳元で囁いた。


『妊娠してるみたい』




つづく…



※この物語はフィクションです。

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