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おそ松叩いてエボリューション
おそ松叩いてエボリューション
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岡井モノさん
「ダメです」「反応ありません」「完全に沈黙しました」 サーバーが不安定な時は使徒に襲われたネ○フみたいな雰囲気になる愉快な編集部です。 - 投稿日:2017/02/10 01:25
新台導入日に敏感な方はおそ松の文字を読んで、
「おっ、最新台のレビューかな?」
と思われたかもしれません。
アニメ好きの方はタイトルを読んで、
「なによ岡井のヤツ、アタシの大好きなおそ松さんにケチつける気!? このクソ松!!」
くらい思っているかもしれません。
古参のスロ好きはさらにお題を読んで、
「おそ松……一番勝った……ははぁなるほど、あれねーあったわー」
と察しているかもしれませんね。
私の一番勝った日の思い出は10年ほど前、とある都市の郊外店から始まる。
パーラー ミスタードッグ
中規模チェーン店でありながら、仲間内では「とにかく出ない」と有名な店だった。
壁際には、かつて観葉植物だったと思われる丸まった謎の茶色い物体をのせた鉢、そこかしこにタバコを押し付けられているトイレは便器もひび割れまくり、置かれた芳香剤だけがヤケクソ気味にキツイ香りを放っていた。
お世辞にも「清潔ですね」とは言えない店内環境に加え、パチの釘はガチガチ、スロにいたっては「設定……って変えられるの?」と店長が本気で思っていそうなレベルのベタピン状況。
修羅の国と呼ぶにふさわしい状況の店舗だったが、その状況ゆえに宵々々々越し天井狙いが成功した唯一の店舗でもある。
その日も宵越しチェックだけでもと、たいして期待もせずに入店した。
そこで出会ったのが『おそ松くん』(大一)である。
この機種の特徴はなんと言っても、最大89%ループでボーナスが放出され続ける「おそ松チャンス」であり、当時のホール内では爆連状態に突入し狂ったように放出する様が注目を集めていた。
もちろんそんな状態に持っていくのは容易ではなく、おそ松チャンスもそのほとんどは単発終了し、通常のボーナス確率も重め。加えて台のつくりとしても、やけにまぶしいサイドランプと、演出発展→失敗→復活→失敗→復活→失敗→復活とリビングデットさながらのしつこい液晶演出。
イベントでもなければホールでの稼動もまばらで、一部のドリーマーが打つ台といった印象だった。
ミスタードッグ店の古いデーターランプでも過去3日間のボーナス数は0、総回転数は760ほど。
そこまでの期待値ではないものの、天井の1200まで到達すればおそ松チャンスへの突入抽選もあるため、私しかいないシマに着席し、サンドに1000円札を投入し始めた。
約一時間後に天井到達し、BIG単発で終了。
まぁこんなモンだよと肩を落とし、ボーナス中抽選の潜伏でもないものかと少し回す。
レバーを叩くとイヤミが「シェー!」という演出が頻発して鬱陶しい。
「シェー! 出前を頼むザンス」
うるさいな勝手に頼め
「ラーメンを頼むザンス」
はいはい、どうせ出前が通り過ぎて失敗だよ
「こっちザンスよ!」
追いかけ発展ね、BETキャンセルっと
「どこ行ったザンスか!」
しつこいな、もうはずれていいよ
「うりゃー!」
猫とラーメンを取り合うなよ、
どんだけ復活するんだいい加減にしろ
「抽選タイム!」
あ……当った……えっ?
「おそ松チャンス!全員みつけだせ!」
薄いところひいたな、まぁでも単発だろうな
「全員見つけた!」
……はっ!?
89%ループ入った!!!!!
そこからはもうひたすらレバーを叩く作業だった。
ものの数分で演出には飽きたため、フルウェイトで回してメダルを箱に詰める。
自動補給ではなかったので、数分おきに呼び出しランプを押し、余計な仕事を増やす私に店員もあからさまにイヤな顔をする。
しかし、けしからん店員だと思う暇もなく、とにかく目の前の台から搾り取った。
6000枚を獲得してループは終了した。
一撃万枚報告も多数あった台だが、これでも十分だろう。
思わぬ大勝にホクホク顔でレシートを眺める。
「おそ松くん」だなどと馴れ馴れしい、これからは敬意をはらって「おそ松さん」と呼ばせてもらおう。
そう思った私は先見の明があったんだと思う、しかし商標登録申請を怠ったことが悔やまれる。
カウンターに向かう途中のシマに設置されている機種が目に入った。
『アラジン2エボリューション』(サミー)
猛烈に粗い台だという認識はあった、
別のホールでは導入日に打ち手が延々と投資を続ける光景も目撃していた。
基本的に単チェリーを引いて高確率に突入させ、転落しないよう祈りながらボーナスST解除を連続させる台だ。
それまで情報は集めていたものの、怖くて手を出せずにいた台だったが、手持ちが潤沢となれば気持ちも大きくなるというもの。
どれ少し遊んでやろうか、などとよくわからない上から目線で適当な台に座った。
……まぁこれが全然何もおこらない、単チェリーかチャンス目を引かない限りほぼ何も起きない台だが、それが全然引けない。
リプ連やラクダもほとんど無いので単発ボーナスすら期待できない。
液晶では砂漠をひたすら歩く商人が、いよいよ死にかけているようにも見えてきた。
アラジンという名の台だがアラジンは全然出てこない、たまに出てきたかと思ったら、リプレイ図柄をビョーンと持ち上げて帰るだけの簡単な仕事だ。
どういうことだ畜生め、主役だと思って天狗になっているのか。
「サミーさん、おたくのアラジンくんちょっと勤務態度悪いねぇ」
などと悪評を流してやろうか。
そして主役は健気にがんばる商人のおっさんに交代させよう、商人のおっさんエボリューションだ。
「アラジンチャンス」は当然「おっさんチャンス」となる、これは親近感満点。
「おっチャン」などと略され親しまれるであろう、主役を変えるだけで名機誕生だ。
おっさんエボリューションはそのまま1000Gを突破し、チェリー天井でのボーナスに期待するようなゲーム数になってきた。
さきほどの出玉も1500枚ほど減らしており、なんだか店長が手を叩いて笑っているような被害妄想に包まれる。店長よ、これは私からのサービスだよとばかりに手持ちの一箱をさらに下皿にぶちまける。
それとほぼ同時に高確突入メイン契機である単チェリーが成立。
「どうせスルーするんだろターバンのガキめ、サウザーの脚でも刺してろ」
すっかりふてくされていた私は、かつて主役をターバンのガキ呼ばわりだ。
しかしこのガキが仕事をする、緑色の肌をした気色悪いランプの精を呼び出してボーナス告知だ。
「やるじゃねぇか、今回は勘弁してやるぜ」
もはや自分自身がどんなキャラなのかもわからなくなり、謎目線のコメントをおくる。
ピッポッパッポッ♪
はい、いただきました、ジャックゲーム中のサウンドがアラチャンに変化して高確率確定。
アラジンくん、私はキミを信じていたよと熱い手のひら返しをして、ボーナス消化後3Gほどで、ランプの精がワッハッハと笑ってボーナス告知、猛烈に連チャンする。
そこからはラクダレースというクソ長い連続演出も無視してひたすらボーナス図柄を狙った。高確時はボーナス確率が1/20くらいになる仕様のため、うまく噛み合えば数ゲームでボーナスが揃うのだ、今にして思えばさらに上位の高確スーパーに突入していたのかもしれない。
とにかくすぐにボーナスが来る。
チクショウ! ボーナスは無いのか!
↓
あったよ! ボーナスが!
↓
でかした!
という具合に、ギャグみたいなテンポで確定画面がワッハッハだ。
もう結論から報告するが11000枚出た。
本当はもっと出せたのだが、遊技終了時間の30分も前に店員から強制終了された。
なんでも「計数に時間がかかる、店舗ルールだ」という不可解な理由だった。
閉店対応に時間がかかるというが、自分の他は客が数人しかおらず、パチンコ担当のバイト君なんかさっきから暇そうじゃねーかとツッコみたかった。
先にある程度流してていいから、続行させて欲しいと懇願するも、店舗ルールの一点張りで、無情にもクレオフボタンが押される。
変にトラブルを起こして出玉没収になってもつまらないので、鬼浜のコウヘイみたいな顔をしながらしぶしぶメダルを流した。
まぁいいか、素早く気持ちを切り替えてカウンターで景品交換する。
合わせて15000枚以上の獲得は私にそう思わせるのに十分な数字だった。
景品を受け取ると同時に店長とおぼしき小太りの中年男性が話しかけてきた。
ん?駐車場まで送る? いいよ別に、一人で大丈夫。
今後店には来るな? え? どうして?
過剰な出玉は他の客の意欲を奪う
それが店長の説明だった。
今でも意味不明だが、宵越し目当てに通う私が何かと邪魔だったのだろう。
理由なんてなんでも良かったんだ。
出し過ぎという理由で人生初の出禁になったパーラーミスタードッグ。
その店は今でも日本のどこかで営業しています。
当時実家暮らしをしていた私は帰宅すると、何かを察した母親に収支を尋ねられた。
正直に15000枚出したと伝えると、しばらく視線を天井に向けて何かを計算した後に突然、
「……シェッ!? アヒュッ!!」
どこから出しているのかわからない声を上げて目を白黒させていた。
そうか、こんなところにもおそ松くんの影響がと思い、母に合わせてシェーのポーズをとってあげた。
そしたら何故か殴られた。
これも今でも意味不明だ。
人生で一番勝った日は、口の中が血の味がした。
17
岡井モノさんの
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このコラムへのコメント(20 件)
チクショウ!母ちゃんがひどいから!
母親は今でもよくわからない人です。顔は怖いです。
丸太は万能ですからね、ヌッ。
仕様の穴をつく攻略法を駆使して、出禁になるまでブッコ抜いてまわる、という荒っぽい稼ぎかたをする人もいたらしいですね。遠い昔の話です。
出禁は店舗ルールなので、法的にどうかはあやしいところですが。
攻略軍団がごっそり抜きに来た時代の名残でもあると思います。
客がいないホールだったんで、誰かが出しまくっても出玉アピールにもならないし色々邪魔だったんでしょうね。
当時でもこんな対応するホールは聞いたことがなかったです。
ターバンのガキがここにも!?
その日は極端に引きがよかったんですよね。4号機と言えど基本薄いとこ引き続けなきゃ万枚なんて出ませんし。
店で遊ぶ以上、そこのルールに従えってのはわかりますけどね。
ここまで理不尽なのも珍しいですが。
BARは今月中には開くんじゃないかと思います。
いや来月かも。
母親は気が動転すると攻撃行動をとる癖があります、野生動物でしょうか。
チクショウ!けいそつさんが傍にいれば!
↓
いたよ!すぐ上のコラムに!
↓
でかした!