『せっかくフリーズ引いたのに』第9話

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9話
◆調

　どういうことだ？　解答するのは自分の台なのにノーマルタイプがヒント？　てか、『ジャグラー』のあるシマは真反対。
　こいつ、後ろにも目ついてんのかよ……？　と怖くなりながら、でもやっぱり気になるから一旦席を立った。

　ノーマルタイプのシマへ行くと、最初とは違って空席も出ていたが、これはもうゲームオーバーになったひとが多いってことか？　それとも1問答えて別へ移動したか。

　とにかく『ジャグラー』シリーズのデータカウンターを背中越しにチェックしていくと──。
　あ……全体的にボーナス合成確率がそこそこ。もちろん中ハマリしてる台なんかはあるけど全456、いや全3456くらいはあってもおかしくない。
　とはいえ、1000ゲーム回したかどうかってところだからまだなんとも。『ジャグラー』の設定推測が一番難しいとも言われてるしな。
『ハナビ』シリーズも全体的に良さそうだけど、5号機『ハナビ』の高設定ほぼ確となるBIG獲得309枚は……出てないか。レギュラーが強いわけでもないから6決め打ちで解答するのは難しそうだ。
　4号機『ハナビ』はまったく知識ないからネットで調べよう……と思ったけど、一連のチェックで時間取りすぎた。

　ダメだ。早く自分の台回さないと！

　電光掲示板を横目に見ながら小走りで戻る。

・突破人数→3
・1回目不正解者数（ゲーム終了者は除く）→12
・残り人数→48/100
・生き残り枠数→4/48

　さっきまでの阿鼻叫喚が収まったのか、チャレンジするペースが落ちている。
　残り人数が半分切ったのに対して枠がまだ4人分あるから、みんな少し余裕出てきているのか。

　自分の台に戻り、また高速で回していくと長髪ジャケットくんが話しかけてきた。

「なにか掴めた？」

「うーん。平均設定が悪くなさそうって以外大きな決め手は感じられなかったですね。というか、他の台見たところで参考になることなんか」

「そっか。あまり成長できてないみたいだ」

　ん？　言葉に少し引っかかりを覚えたが、このあと起こる自分の奇跡的なヒキがすべてを吹き飛ばすこととなる──。

(続く)

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