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パチスロに新しい遊技性「ボーナストリガー」とは？出来ること・登場時期を大予想！

じくゆる調~パチンコパチスロゆるゆる調査隊~

すっかりスマスロが浸透して今やメダル機より多いホールも珍しくない昨今、パチスロが勢いを取り戻しつつある気配を感じつつも「ツラヌけるかが勝負のスマスロ」と「まったり楽しむノーマル機」で二極化しているような気もします。

それはそれでユーザーが自由に選べばいいのですが、筆者としては「もっと選択肢があってもいいのでは？」と感じながら高設定っぽいスマスロに投資し続けて夜には泣きながら夕飯用の1袋100円のもやしを買って帰ることもありました。

そんな中で日電協（日本電動式遊技機工業協同組合）から、

「新しい遊技性のパチスロ」の開発できる環境が整いましたので、記者発表会を実施いたします。

と連絡が！

「新しい遊技性のパチスロ」って何？もしかしてルールが変わって新しいことができるようになったの？と期待に胸を躍らせて発表会に臨みました！

▼関連記事：角屋さんがボーナストリガーで考えられるスペックを妄想した記事はコチラ！
パチスロ規則に新解釈！「ボーナストリガー(BT)」で実現可能なスペックを角屋が考察&妄想！

二極化した遊技性に一石を投じる「ボーナストリガー」

いざ日電協におもむくと、日電協の小林友也理事⾧・大泉秀治副理事⾧、日工組（日本遊技機工業組合）の榎本善紀理事⾧・盧昇副理事⾧が出席する本格的な記者発表会が用意されていました。

▲今回の「新しい遊技性」については、日電協と日工組が協力して検討したとのこと

▲記者発表会は非公開の完全招待制で開催

それでは「新しい遊技性のパチスロ」とは何か、記者発表会の内容をお伝えします。

新しい遊技性、それはAT機とノーマル機の中間に位置する「ボーナストリガー」！

発表会の冒頭では、今回の「新しい遊技性」導入の経緯となった現状のパチスロ市場分析が紹介されました。

2024年7月現在、スマスロAT機が市場遊技機の約40％で約55万台、一方いわゆるノーマル機が約40万台となっているそうです。それを「多様で複雑な遊技性を持ったAT機」と「遊技性が極めて限定的でAT機と比較して出玉性能が低いノーマル機」に二極化した遊技性になっている、と説明がありました。
これを聞いてちょっと安心、筆者やユーザーのみなさんが感じていることを、業界側もしっかり分かっているなと偉そうにも感じた次第です。

さらに業界側の分析を付け加えると、多様な遊技機開発を行うことが難しい状況で

・既存ユーザーの選択肢を狭める
・ユーザーの離脱の助長
・新規ユーザー獲得の足かせ

になっているという認識でした。

でも、分析して認識するだけなら現状に不満を抱いている外野の人間でもできそうなものです。
これに対し「新たなタイプの遊技性の創出を目指し、ボーナスに着目して警察庁に要望を続けきました」とコメントがあり、業界の水面下で行われていた努力に驚きました。
その結果、解釈基準の変更により今までにない新たな機能を実現することが可能となりました。それがノーマル機とAT機の中間に位置するボーナストリガー（Bonus Trigger：通称「BT」）です！

▲ノーマルとATの中間をイメージした仕様となる「ボーナストリガー」

さて、解釈基準という言葉が出てきて、これはちょっと気になる部分。とにかく中身が気になる方は先を読んでもOKですが、解釈基準や遊技機規則について少し説明しておきます。

6号機の遊技機規則と解釈基準って何？

パチスロの仕様や規則に関心がある人なら、「6号機であるうちは、ノーマル機のボーナス出玉は変わらない」というのを聞いたことがあるかもしれません。
その由来となっているのは、以下の6号機遊技機規則になります。

この規則自体が変わらない限り、ボーナスの払い出し枚数も変わらないわけです。

では「解釈基準の変更」ということでルール的に何が変わって何が変わらないの？というと以下のような仕組みになっています。

大元になっている風営法やそれに基づく風営法施行規則・遊技機規則は変わらず、根幹となる法律とその解釈を示す“解釈基準”が変更されたというわけです。ちなみに解釈基準は警察庁の生活安全局保安課から「技術上の規格解釈基準について」といった通知で発令され、業界団体から告知されるのが通例です。

ボーナストリガーの正体は「規定数固定機能」！

では、いよいよ解釈基準の変更内容をご紹介します。

規定数固定機能
ボーナス終了後および初期化時の通常遊技は、複数ある規定数のうちいずれか１つに固定できる。
どの規定数に固定するかは、ボーナスによって定めることができる。
※ただし、本機能を搭載する場合は、指示機能とＲＴは搭載することはできない。

……「規定数」って何やねん！どうしても法律や規則では専門用語が飛び交うのですが、意味が分かればそんなに難しくはありません。

規定数とはベッドする枚数、「3枚掛け」「2枚掛け」「1枚掛け」などの遊技枚数のことです。ノーマル機で通常は3枚掛けで遊技し、ボーナス成立後は1枚掛けで揃えにいったりしますよね。そういったベッド枚数のことで、本記事では以降「遊技枚数」としておきます。

では「ボーナス終了後および初期化時の遊技枚数が固定できる」ってどういうこと？
ここからはパチスロの開発者になったつもりで、ぜひみなさんも考えてみてください。
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何かイイ感じの仕組みが思い付きましたか？それでは記者発表会で紹介された説明をご紹介しましょう。以下は、3枚掛けと2枚掛けの2種類を用いた例です。

ピンときましたか？上記では、3枚掛けの時は「BB確率：1/240 RB確率：1/300」、2枚掛けの時は「BB確率：1/1000 RB確率：1/450」です。この3枚掛けと2枚掛けの状態へ、ボーナス終了後に移行する仕組みになっています。

遊技枚数ごとにボーナス確率が異なる仕様にできること自体は今までと変わりません。先ほど従来のノーマル機における3枚掛けと1枚掛けの使い分けを挙げましたが、ボーナスが成立していない通常時に1枚掛けでプレイする人はまずいませんよね。それは、1枚掛けの時のボーナス当選確率が低いからです。

ではボーナストリガーの違いはどこにあるかと言うと、遊技枚数が固定されることです。（特定の）ボーナスが当選して終了した後に、遊技枚数が移行して固定されます。

これをざっくり言い換えると、

ボーナス終了ごとに、ボーナス確率や遊技枚数といった性能が変わる
↓
ボーナスを契機にユーザーにとって有利か否かの状態が変わる

ということです。ただし「指示機能とＲＴは搭載することはできない」とあるのでAT機やART機とは違いますし、RT機とも違います。また確率変動とは異なります。名称からパチンコのラッキートリガー（LT）と性能を混同してしまいそうですが、これはあくまでボーナストリガー（BT）、まさにボーナスを契機にしたトリガーというわけです。

ボーナストリガーが出玉増加のトリガーとなる理由は？

さて、ここでもう一つ補足があります。それはここまで「ボーナス終了後に固定された遊技枚数が移行する」と説明しましたが、この遊技枚数が移行するボーナスに特定のボーナスを指定できます。

どういうことかと言うと、「BBに当選したら2枚掛け固定に移行」「RBに当選したら3枚掛けに移行」のような仕組みが可能なわけです。これによりBBに当選するか、RBに当選するかというゲーム性を生み出すことができます。

そして遊技枚数ごとにボーナス確率を変えることができるということは……？
では、改めてボーナストリガーで実現できそうな仕様例を考えてみましょう。
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先ほどの例はあくまで説明用、今度は記者発表会で紹介された仕様例をご紹介します。

仮に3枚掛け遊技の状態からスタートしたとします。そこでボーナス当選した場合に、

・BB当選（確率：1/300）→2枚掛け遊技に移行
・RB当選（確率：1/600）→3枚掛け遊技のまま

となります。

一方、2枚掛け遊技の状態では、

・BB当選（確率：1/30）→2枚掛け遊技のまま
・RB当選（確率：1/60）→3枚掛け遊技に移行

となります。

つまり、BBに当選すれば2枚掛け遊技に移行し、2枚掛け状態でBBに当選すれ2枚掛け状態を維持、RBに当選すれば3枚掛け遊技に移行（または維持）します。従いましてBBが嬉しくて、RBが残念なボーナスというわけです。

そして、2枚掛け遊技ではボーナス確率が10倍の実質的な高確率状態！ BBを引き続けることで、出玉を増やし続ける実質的な連チャンが発生します。これがまさに、ボーナスが出玉増加のトリガー「ボーナストリガー」である理由です。

「ボクの考えた最強のボーナストリガー」を考えてみよう！

確変ではなく遊技枚数ごとに定められたボーナス確率への移行、とはナルホドという感じです。筆者はこれを聞いた時に、山佐4号機『メフィスト』のビッグバンモードを思い出しました（興味がある人はググってみてね）。

きっと今後ボーナストリガー搭載機が開発されれば、メーカーの優秀な開発者さんによって魅力的な台がリリースされるはず。ならばそれまでのお楽しみということで、「ボクの考えた最強のボーナストリガー」をいくつか考えてみましょう。

なお、あくまで筆者の妄想による極端な例であって、実現できるとは断言できないのでご注意を（むしろ無理かも）！

高ベースとRBでジワジワ増やすマイルドARTっぽいタイプ

3枚掛けでは1/1000と確率の低いRBに当選すると、1枚掛けに移行するタイプです。1枚掛けではRB確率が1/50になり、1枚掛けで高ベースを維持しつつRBが連チャンしやすくなります。

一方、1枚掛けの状態でBBに当選すると、3枚掛けの状態に戻ります（3枚掛け時のBB当選は3枚掛けのまま）。イメージとしては、マイルドなARTや昔のCT・集中といった仕組みに近いかもしれません。

確率激低のスーパーBBを当てればボーナス超高確率に突入する一発タイプ

3枚掛けでは1/8192と確率が激低のSUPER BBに当選すると、2枚掛けに移行するタイプです。2枚掛けではSUPER BBやBBの当選確率が一気に上がり、RBの当選確率もやや上がります。

SUPER BBやBBに当選し続ける限り2枚掛けの状態は維持されますが、RBに当選すると3枚掛けに移行します。イメージとしてはRBが転落契機として悪者になってもらいつつ、SUPER BB一発の価値が高いGOD系の亜種のような感じです。
※この例では「BB当選では移行せず」と、ボーナス終了後に遊技枚数が移行しない仕様も可能だと仮定しています。

と、妄想を並べましたが「さすがに無理かも？」と言っていたのは、ここで効いてくるのが今回のボーナストリガーは解釈基準の変更によるもので、6号機の遊技機規則は変更されていないということです。つまり型式試験の試射で出玉率が規則で定める値を満たさなかったら、ボーナストリガー搭載機だからと言って世に出すことはできません。ここがまさに、メーカーの開発者さんたちの悩みどころで、腕の見せどころだと思います。

また、今回の発表内容では「3枚掛けと2枚掛け」が例に挙げられましたが、これが「3枚掛けと2枚掛けと1枚掛け」と3種類の遊技枚数固定が可能かどうかについては触れられていませんでした。予想としては、3種類の遊技枚数が行き来すると仕様が複雑になり過ぎるかもしれないことへの配慮かもしれません。

ボーナストリガーはいつ頃リリースされるの？

記者発表会では「設置開始時期につきましては、今後の状況を見ながら改めて組合で決定し、発表をさせていただきます。」と説明がありました。

実際、2024年8月23日に警察庁から解釈基準の変更が通知されたばかりです。保安通信協会（保通協）やGLI Japanといった型式試験の指定試験機関が準備するのにも時間が掛かるはず。少なくとも3か月や半年では無理ではないでしょうか。2025年早めの登場になるのかな？と予想しておりますが、こればかりは続報を待つばかりです。

ボーナストリガーはパチスロの新たな起爆剤になるか？

ここからは筆者の考えになりますが、ボーナストリガーは「直接的には新規ユーザーの獲得にはつながりにくい」と予想します。

ノーマル機とAT機、たしかに現状は両極端な状況で中間的な選択肢が生まれるのは嬉しいことです。ノーマル機では物足りないユーザーが、AT機ほど波が激しくなく仕様も複雑すぎない、そしてノーマル機より出玉が期待できるパチスロを遊技できるのはアリでしょう。

また、ツラヌいてなんぼのAT機に対して「ツラヌキっていうか、むしろツライ」と感じているユーザーにとっては、パチスロを楽しみ続ける代わりの選択になる可能性もあります。射幸性以外の楽しみが生まれやすい状況になるかと。

ただ、「ボーナストリガー搭載機が出るらしいから初めてパチスロを打ってみよう！」という新規層はさすがに少ないのではないでしょうか。新規層の勧誘はそれよりもIP（アニメ・マンガなどのコンテンツ）導入などの方が効果的な気がします。ただし、入ってきてくれた新規層に対して「ボーナストリガーもあるよ！」というのは効果があるかもしれません。つまり「既存ユーザーの離脱を和らげる」、「新規ユーザーの離脱を防ぐ」には期待できるんじゃないかな、と。

あと最後に補足を一つ。以上の説明では遊技枚数ごとのボーナス確率を1/240など一律にしていましたが、これらに設定差を設けることも可能です。

例えば、上記のように3枚掛け時に設定差を設けつつ、BB当選で2枚掛けに移行、RBで3枚掛けに移行するとします。そして2枚掛けのBBおよびRB当選確率にも設定差を設けることで、ボーナストリガーの性能差も生み出せるのではないかと推測します。

ともあれ、パチスロは遊技機でありゲーム性が増えるのは楽しみな限りです。ボーナストリガーに関する情報や搭載機のリリースを、今後も期待していこうと思います。

※ボーナストリガーに関する情報は、記者発表会の内容およびパチスロサミットONLINE【パチサミ公式コラム】新たな遊技性「ボーナストリガー」登場！を参照しました。