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『陰毛お守り打法』を検証
『陰毛お守り打法』を検証
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あしのさん
あしのマスクの中の人。浅草在住フリーライター。インタビューウィズスロッター連載中。パチ7の他は『ナナテイ』『ななプレス』『悠遊道』などでも書いてます。ツイッターもあるよ!@Slot_Ashino - 投稿日:2016/03/29 16:32
究極のオカルトを求めて。その4
「陰毛お守り打法」
さて、今回は陰毛の話である。
ネタとしては読んで字のごとく「陰毛をお守りにしましょう」というものなのだけども、誰の陰毛でも良いというわけではない。
お守りになるのは「嫁」「彼女」など、愛する女性のものでなければならないらしい。
果たして聞いたことある人がいるかどうか分からないけれど、実はかなり正当な──というか、由緒正しいオカルトなのである。
今回はそんな話から。
●女性崇拝。
陰毛お守り理論を正しく理解するのには、まずは世界中に散る「女性崇拝」を識る必要がある。
まずは環太平洋地域。
よく取り上げられるのは、この地域限定で存在する「穀物起源神話」である。
大学で民俗学を取ってた人とかは知ってるかもしれんが、「神話」の体系は地域ごとにある程度類型があって、穀物起源の話なんかはこれがモロにあてハマる。
どういう形かというと、「女性の死体」や「排泄物」あるいは「手のひら」から五穀を含む食物が生まれたよ、という話である。
嘘だろうと思うかもしれんが、同様の話が本邦の記紀においても記されてる。
すげー簡単に丸めると、スサノオノミコトという暴れん坊が腹を空かせてオオゲツヒメという女性に「メシを食わせてくれ」というと、彼女はどこからともなくご飯を用意して、彼に与えた。
スサノオは普通にそれを食って満足するんだけども、そのご飯が彼女の排泄物である事を後から知ってめっちゃキレる。そして普通に殺す。
結果、オオゲツヒメの死体から「五穀」が生まれる。
こんな話だ。
かなりクレイジーというかぶっ飛んだ感じの話なのだけども、なんとほぼおなじ形の神話が世界各地……とりわけオセアニア(環太平洋地域)にめっちゃたくさん存在するのである。
これらはインドネシアの女神の名前をとって「ハイヌウェレ型神話」と言われてるけども、とりあえず何が言いたいかというと、女性の体は神秘なんだね(小学生並みの感想)。
食物起源説・ハイヌウェレ型神話は「女性崇拝の雛形」といってもいい。
フェミニストっぽい事はあんまり言いたくないけども、この世界はどうみても男性上位社会である。
理由は簡単で「産む事」と「生産性」の食合せがよろしくないからだ。
女性はどうやっても結婚した後、数年間休まざるをえないか、あるいは休むリスクがある。
なので昇進しづらいし、稼ぎづらい。
資本主義社会においては経済力はイコールパワーであって、そう考えると男性が上位になって当たり前なのだ。
俺ァ男でラッキーだったなぁとは思わないけども。
一方でハイヌウェレ型神話における女性像は、命をつなぐ上で最も大切な「メシ」を女性が生み出す。
これは原始社会においては女性の地位が男性より遥かに高かった事と同義だと思う。
女性が居たから食っていける。あるいは、女性が居たから農耕ができる。
こんな感じである。
なんせ男は戦でバンバン死ぬ。
狩りでもバンバン死ぬ。
女性はムラ社会を維持するメインの労働力であり、中心なのだ。
或いは一定以下の人口のムラの場合、血が濃くなりすぎるのを防ぐ意味でも、性的に成熟したオスの個体は自発的・本能的にムラを離れる事も多かったろう。
そうなると文化的な意味でも、ムラを維持するのは女性の役目になる。
要するに全部女性なのだ。
男はただたまにイノシシ捕まえてきてすぐ死ぬだけの生き物か。あるいはどっか別のムラからやってきて子供作ってすぐどっかいくだけの生き物だったのかもしれない。
これを補強するのが、ヴァレンドルフのヴィーナス像である。
舞台はヨーロッパ。
オーストリア近辺で発掘された小像であるけども、まあ異様な形をしている。
明らかに女性の形なのだけども、極端なほどデフォルメされた「安産型」で、頭部は極めて小さい。
言わんとする事は誰の目からも明らかで、要するに「豊穣」の女神だ。
重要なのはこれが作られたのが推定で二万年ほど前である事であり、狩猟民族社会における、女性の優位性やら地位の高さというのがモロに出てると思う。
つまり、女性は女性であるというだけで、もはや信仰の対象だったのである。
さて、「陰毛」である。
女性の体や、あるいはその付属物(?)が信仰の対象になったり、あるいはお守りになったりする理屈がおぼろげながら見えてきたところで、本題へ。
●んでオカルト。
ある夜の事である。
俺は愛する彼女である干支子ちゃんにこう切り出した。
「あ、えとこちゃん。陰毛、一本頂戴」
無言でシバかれた。
「陰毛頂戴って聞こえたんですけど」
「そうだよ。その通りだ。陰毛を一本下さい」
「──馬鹿になったんですか!?」
「マジだよマジ。お守りになるらしくてさ」
「わたしの? 毛がですか?」
「そう。てか女性の毛が」
「聞いたことないですけど」
「ホントだよ。ダンチが言ってた」
「ダンチって誰ですか」
「哲、って漫画に出てくるリーゼントの兄ちゃん」
「知りません」
「やっぱ知らんだろうなぁ……。まあとにかく、ダンチが言うなら間違いねぇから、一本くれ。陰毛くれ!」
「いやですってば!」
全力で断られた。
「あのなぁ。女性の──特に一番大事な、愛する女性の陰毛は、幸運を呼び寄せるお守りになるんだよ。別にダンチを抜きにしても、第2次世界大戦中、特攻隊に選ばれた恋人が居ない若者には、母親が陰毛を送ったりとかマジであったらしいぞ」
「……騙されませんからね」
「マジだよ。大正時代とかは、陰毛を加工した開運商品を売る業者もあったんだぜ?」
「嘘でしょう?」
「ホントだってば。掛けまくも畏き伊邪那岐大神ィつって玉ぐしを振る巫女さんいるじゃん? 彼女らの袴が赤いのは経血を現してるって知ってる? 参道は産道で、鳥居は陰唇なんだよ。本堂が子宮で──。要するに、天照大神が女神だったのもあって、神道は女性の下半身に纏わるものをひたすら神聖視してるんだぜ。巫女さんの陰毛なんか、江戸時代くらいまでは超高級なお守りだったんだよ」
「……うーん」
「五穀豊穣の女神にオオゲツヒメってのがいるけど、彼女の死後、その体から生まれたのが五穀──アワとかヒエとかムギとかコメとか、あと1個なんか知らんが、要するに農業文化の日本において、一番偉いのが女性の体から出たものなんだぜ。インドネシアにはハイヌウェレって女神がいるけど、彼女の排泄物が穀物になったって伝説もあるし、ポリネシアで出土したヴァレンドルフのヴィーナス像なんか、女性の体そのものを神聖視する文化的背景が──」
「もういいです。お腹一杯です」
「まだあるぞ! いいのか!」
「いいです」
「で、陰毛くれ」
「いやです」
「絶対?」
「絶対です」
断られた。
なので俺は彼女が寝たあと、ベッドに落ちてる陰毛を一本、こっそり拝借した。
問題なのはこれが俺の陰毛なのか彼女の陰毛なのかが不明なところだ。
確率は二分の一。
よし、実戦のテーマが決まった。
「落ちてた陰毛が俺のなのか彼女なのか分からんので、スロット打ってハッキリさせよう!」
だ。
要するに勝ったらお守り効果があったという事で彼女の陰毛確定。
負けたらこの陰毛は無価値な俺の陰毛だ。
よっしゃ陰毛を財布に忍ばせ、行くぜ連れスロットル!
●化物語。
はい今回の実戦機種はこちらドーン!
サミーの「パチスロ化物語」だ。
すでに偽物語が出てるんだけども、まあいいじゃないか。
アニメ最近見たんだよ俺は。
とりあえずアニメ見る前は鉄板で撫子推しだったんだけども、すっかり原作見ちゃうと全キャラ好きになるねコレ!
えとこ姫との連れ打ちは実に半年ぶりくらい。
おそらく彼女はこれで人生四度目くらいのパチスロだ。
彼女がチョイスしたヒロインは神原駿河。
「では。えとこ君、覚えてるかねパチスロの打ち方は」
「三枚入れてクイってやってトントン……」
「──パーフェクトだ」
「おお──あしのさんから認められました……!」
ああそうだ。
彼女は俺のことを「しろさん」とか「ぴよさん」とか呼ぶ。
稀に「あしのし」とか「あしのさん」とか呼ぶこともあるけども、スロってる時は「あしの」になるらしい。
「久々だから緊張しますね……」
「大丈夫! いってみよう!」
「はい! 三枚いれてっ! レバートン!」
台「プッシュ!」
「ちょっと待った! プッシュボタン!」
「え?」
「これボタン演出なの。そこの光ってるボタンを押してみて」
「えー……ボタンよっつになった……わたしに打てるだろうか……」
「我慢せよ。コレそれなりに熱いから……!」
撫子カットインからのチャンス目。
目押しは俺がしてやった。
「ここ、怪異怪異って出てるじゃん? これチャンスゾーン前兆っつって、まあ消えるまでドキドキしながら打って」
「全くドキドキしないんですけど……それは……」
「まあまあ。続け給え」
「はい! レバートン!」
台「プッシュ!」
「ゲェ! プッシュボタン!」
「またですか! またボタンよっつですか!」
二連続撫子いたいようカットイン。
「撫子可哀想……」
「まあ、解呪してやろうぜ……」
結果。
彼女、人生四度目のスロの結果。
解呪一回。AT無し。マイナス1kにて終了。
ドンマイ!
一方俺は。
ダナゾ出たり。
蕩れて4連続倍倍チャンスに突入したりして、気づけば1200枚ほど浮いてた。
なんか隣で彼女待たせて打つのがあまりに申し訳なかったんで超高速消化しまくったので、ラストのレシート写真とるの忘れたのがすげー痛い。
でもマジで勝ったぞ。
「あー。やっぱ化物語面白いなー。名機よ名機。ハーハハ!」
「しろさん、しろさん」
「どした?」
「ス、ステーキ行きましょう」
「昨晩食ったじゃねぇか! でもオーケー。お代は任せろ! バリバリ!」
「わーい! じゅるる……ありがとう化物語……!」
楽しい連れ打ちでした。
●結果
さあ、オカルト検証だ。
今回のネタは「陰毛お守り打法」だったが、これはちょっと判断が難しい。
俺がピンで打ってたとして、財布の中の毛が完全に彼女の陰毛ならば「効果があった」というのが確定なのだけども、もし財布の中身が俺のだったらと考えると、そもそも陰毛ならなんでもいいんじゃねーか説が浮上する。
さらにもう一つ、陰毛単体で考えた際は「お守り」としての効果が実証された事になるけども、生憎と今回は本体である「えとこ姫」が隣で負けているという事実がある。
陰毛を切り離して考えるべきか、あるいは彼女に今現在付随する「未お守り化」の陰毛……つまりは生えてる陰毛も考慮するべきかが悩みどころだ。
つまり、「陰毛単体」に効果があるとすると、世の中の女性スロッターはだいたい大量のお守りを身につけた状態で打っているわけで。
そう考えると、「陰毛単体」には意味が無いという結論になる。
あくまで「お守り化した陰毛」に効果があるのだろう。
では結論。
・「陰毛お守り打法」は効果があった。
・ただし、男女を問わなくてもOKの確率が50%ある。
・陰毛単体ではなく、「お守り」にした際に効果が発揮される。
以上。
前回の美輪明宏待受打法に続き快勝だ。
快勝つっても5スロだったんであしからず。
翌日普通に仕事終わりに20スロの慶次打って二万くらい負けてるから俺。
トータルじゃクソマイナスだよクソッ!
クソッ!クソッ!
バーカ!
というわけで今週はここまで。
次回のネタは「稲荷神社参拝打法」だ。
美輪明宏、陰毛ときて普通の願掛け。
この高低差よ。
それではみなさんシー・ユー・ネクスト・万枚!
アディオス!
11
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このコラムへのコメント(21 件)
荒木先生もびっくりですわw
チワッス!いつもありがとう御座います!
女性からは結構好評なんですかね今回の。逆にフルボッコされそうな気がするんですが、不思議なもんです!
温かいお言葉痛み入ります。今後共よろしくお願いします……!
チワッス!
いやーもうホントパチスロ関係なさすぎましたね!
申し訳ない! パチスロ成分の含有率は変わってませんが、前半部分を差し替えました!
以後気をつけます……。
チワッス!
やりすぎたんで結局消しました!申し訳ない!
tん毛実戦の報告期待してます!!
コメントありがとう御座います!
女性崇拝の話という事で彼女を思っクソ持ち上げてみたのですが、ちょっとどころじゃなくやり過ぎた感があるので綺麗サッパリ前半部分消しました!不快な思いをさせて申し訳ありませんでした……!
チワッス!
おもっくそ修正前でした!w
この度カドを取ったんで改めてどうぞ……!
いつもアザス!!!
私は今回もたいへん楽しく読ませて頂きました。
テーマをパチンコに据えつつも、あくまで読み物として楽しませてくれるのがあしのさんの文章の良さだと思いますし(偉そうにすいません)、そこのところのクオリティは、今までのものと今回のものを比べても全く遜色ないと思います。私はむしろ今回の方が好きです笑
不快に思われる方がいらっしゃるのももちろん分かりますし、今回の物は若干行き過ぎちゃってるのかも知れませんがっ笑
あしのさんのコラムは、パチンコ好き同士が楽しく話題にできるものだと思いますよ!
次回のエントリーも楽しみに待ってますね。
長文失礼しました!
失礼ですが、回を重ねるごとにクオリティが低くなってますよ!
私も彼氏のtん毛を拝借して打ちに行きますwwww
次回も楽しみにしてます!!