裏物語大体３話目。

「俺たちは自分たちの愛する子供に、より多くの刺激を求められるからと言って違法な事はしていない！！」




と、言う問答があったかどうかは知らないが、過去裏基盤において厳しい処分を受けたメーカーがある。約三年間の検定取消処分が下ったのだ。以来そのメーカー系統の裏モノは岡山でお目にかかることは稀だったんだよね。（そもそも岡山ってのは山佐のお膝元なので、えーっと・・・終わり。）

それではそんな歴史を知りつつタイムスリップ。ジェット少年期裏モノ編。今日で終わりよ。



「なんかここ楽にモーニング取れるらしいぞ。あとちょっと気になることがあってな。」


W先輩が持っていた当時のネットワークは凄まじかった。現役高校生とは思えぬ情報量。まれに誤報もあるが、その制度の高さにおいて、僕は彼を信用していた。

割と高校から近いこともあってそのホールに行ってみることに、九時開店で朝8時30分頃に車で到着。


「人がいねぇ。」


いないね・・・・。でもなんか置いてある。雑誌だ。　4号機時代と今のパチスロで何が違うってマナーの良さ。これは異常なほど悪かった。でも不思議と、マナーの悪い打ち手のホールほど美味しかったのだ。色々とね。

情報では各島１つはモーニングが入ってて、12台以上は朝一ボーナスが期待できるとのこと。多分この雑誌は場所取りで開店前にくだらない人間が来るんだろうと思っていた。だが隣のこの男。かなりの武闘派で、マナーには煩いと言うとんでも体質の持ち主なのね。並べられた雑誌を綺麗に積み自販機の横へおくと、ドアの一番前に堂々と立った。案の定と言うか、すぐにくだらない人間が駐車場から降りてくる。


「※さふｄ者ふぉいぇうあｗｈｆｒ７」


岡山弁なので割愛するが、「俺たちの並べた雑誌ちゃんに何してんの？」みたいな感じだと思って頂きたい。ガラの悪さは見て取れたが、ここで引くようならハナから片付けなどしないのだ。当然。噛み付く。


「あｆすｙｆｔ７８０あｙ」

割愛するなら書く必要は無いのだが、「口で喧嘩するのか拳か選べ」みたいなシンプルな返答だったと思う。先輩はスロットと殴りあいを心の底から愛する男なので止めはしない。もちろん僕はラブアンドピースが心情。暴力は良くない。

そして開店。とりあえず余裕で1番入場。っつーか後ろがいねぇ。


パチ側からスロへ行くと最初にハナビが目に付いた。たまやが光っているので反射的にタバコを投げ込む。メダルを1ｋサンドに入れて先輩の所へ行くと、驚いたのが店のラインナップだ。


「裏ばっかじゃん・・・・」


地域性によってはそもそも正規を見たことが無いみたいな機種がある。その手のがズラーっと並んでいたのだ。気になったのがアステカだったがCTBIGかどうかはわからないし、と言う事で先輩はボルキャニックに着席。

9時になって遊戯開始、たまやはBIGで一安心。ボーナス中に変なことに気づく。氷が落ちねぇ。つーかなんだこりゃ状態。風鈴ですらほぼ落ちない。獲得枚数で言えば現在のハナビとあまり変わらない。

なんとなく腑に落ちないがと思ってレバオンすると、遅れる。なおチェリーは出現しない模様。更に、ボーナスにも入っていない模様。どうゆうことだ・・・？

先輩のボルキャニックはまさかの状態モーニング。すでに2連目に突入していた。その辺からくだらない人間がホールにうろちょろし始めたがフル無視を決め込む。

ことを話すと「とりあえず揃うかたまや点灯まで何があっても3枚がけしろ。」とだけ言われた。従う。

そして確定的な出来事が起きる。左単ドンの右ノリオ。そして片消灯だ。片消灯で出てはいけない出目が、出ている。（5号機では出るからびびったよ）

一応ナナコでハズし、たまや点灯が無いので3枚掛けでDDT。あら不思議、リチ目が出ない。そこで合点がいった。

「ひっくり返ってんだ・・・。」


次ゲームで左上段７から下段7テンで直揃い。やはり獲得枚数が少ない。そういう仕様なのね・・・。ハウスモノと呼ばれる裏とはこれが初めてで最後の出会い。もうBIG終わったら楽しくてしゃーない。

ちなみに後に「獲得枚数カットで、BARで終了」と言う事も解り、BIGを揃える喜びにただただ酔いしれる事となる。このお店はあっという間に我らのホームグラウンドとなり、「面倒な人間」ともアイコンタクト的譲り合いをする事で、互いに美味しい関係を作り続けた。そして事件は起こる。

知り合いのボンから、「しばらく行くな」と命令をされた。このボンは、うちの近くでタクシーを広い「ボンのとこまで」と言えば連れて行ってもらえるほどの有名人。当たり前だが、従う。

その4日後に閉まったシャッターは、永遠に開く事は無かった。



気づけば裏なんて小さい小さいと呼べるほどの爆裂機時代に突入し、僕も少年ではなくなっていた。W先輩の卒業も相まって、僕は一人で打ち続ける事となる。その後小さな軍団くらいは築くが、相方と呼べる存在は居ない。


でもそれは、また別のお話。

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