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皆さんのホール話が心に染みすぎて思い出したんですが、ホールでバイトをしていた頃がわたしにもありまして。
皆さんのホール話が心に染みすぎて思い出したんですが、ホールでバイトをしていた頃がわたしにもありまして。
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大水くんさん
ただの パチンカス(褒め言葉) です - 投稿日:2019/10/24 13:47
タイトルが長いことはご愛嬌、笑って受け流してください。笑わずに受け流した人がいるかと思いますが、それでもいいでしょう。わたしは寛容だ。
タイトルから察せられる通り、自由帳コンテストの投稿を拝見しておりました。楽しかった話から感動するお話まで、幅広く取り揃えてましたね。コストコに負けず劣らずの作品の幅の広さには、ただただ感服せざるを得ません。
そんなただ眺めていただけのわたしにも、実はホール業務経験がありまして。さほど長い期間ではありませんでしたが、そこでの人間関係というか、店員同士の絆やお客様と従業員の温かい関係性などを少しお話しできたらなと思い、筆をとらせていただきました。実際には素手で携帯に打ち込んでいるだけなので、筆をとってはいないのですが。ここも笑って受け流す箇所にリストアップしておこう。
今から3年ほど前でしょうか。とあるのどかな町。交通量も決して多くない、周りには住宅や学校などがひしめいている…そんな町に、1件のパチンコやさんがありました。錆びれた看板、野晒しの駐車場、数カ所しか付いていないライト。外観は綺麗とはほど遠いもので、中も然り。
ほぼ一目で「ここはあまり良くなさそうだ」という印象をほとんどの人が抱くであろうその風貌に、わたしは魅入られた。
丁度アルバイト先を探していて、家からも徒歩1分かからないくらいであった。
これほど条件のいいところはない。
わたしは店内、店外に『アルバイト募集』の文字を探して歩いた。すると丁度そこに求めていた文字の羅列を発見し、すぐさま家に帰りダイヤルを押した。ここまでの所要時間は約3分である。
無事に面接も終わり出勤となるのだが、ここで驚愕の事実が発覚した。
わたしはバイトを掛け持ちしていて、お昼にお蕎麦屋さんで働き、その後夕方からパチンコ屋さんで働くというリズムを繰り返していたのだが、客層が似ているのだ。
それもそのはず、お蕎麦屋さんはパチンコ屋さんの向かいのお店で、わたしは12時から15時の間はそこで身を粉にして働いている。なお、ここでの粉はそば粉とはなんの関連性もないことも重ねてお伝えしておきたい。
そしてそのお蕎麦屋さんは15時から17時までの間は休憩と称して、しばし店を閉めているのだ。その間に客足は向かいのパチンコ屋さんに流れるのだろう。
出勤した時に出会う人はほぼ顔見知り。まるで二次会会場かのような光景である。
そのため、職場に慣れるのは容易かった。そしてモンスターと呼ばれる…所謂めんどくさいお客様というのもいなかった。そりゃそうだ、みんな知り合いみたいなこんな環境で、揉め事なんぞそうそう起きないからである。
少し日が経った頃、すっかり店員同士とは仲良くなって、仕事終わりにご飯に行ったりなんてのもあった。そこで日々の生活においての愚痴や、他の人たちの他愛のない話などを聞くことが心地よかった。
お客様とはお蕎麦屋さんでの業務が終了したのちに、店主の計らいでつまみと酒をもらい、一緒に楽しく飲むということも増えてきた。年齢層が上なのだが、わたしの父母や祖父母くらいのお客様と楽しくお話をすることがこの上なく楽しかった。
だが、そんな平穏な楽しい日々も長くは続かなかった。
わたしにとある事件が勃発し(とても個人的な事なのでここでは割愛)、この愛おしい土地とお別れをしなければならなくなったのだ。
お蕎麦屋さんで、従業員と常連のお客様にお別れの挨拶を済ませると、みんな口々に「さみしい」「また顔出してね」と優しい言葉を投げかけてくれた。
その後パチンコ屋さんでも「いついなくなっちゃうの?」という質問をかなり頂いた。
こう別れを惜しまれては、この土地を離れたくなくなってしまうなあ、と思ったりもしたのだが、もう決意し公表した分、後には引けない。
「少しの間だったけど楽しかったよ、ありがとね」と言ったわたしの顔はきちんと笑えていただろうか。そこだけは今でもわからない。
あれから数ヶ月。また懐かしい土地に出向くべく、最寄りの駅に降り立った。
わたしの住んでいたところまではバスで10分ほど。時間は、丁度お蕎麦屋さんが休憩をしている時間であった。駅前でパチンコ屋さんを物色し、いい時間でお蕎麦屋さんに足を運んでみよう。その後、あの懐かしいパチンコ屋さんに行ってみよう。
そう思った。
駅前のパチンコ屋さんはかなり賑わっていて、店員も忙しなく動いている。お客様一人一人とお話しすることが常だったあのお店は、今でも変わらないだろうか。
そんなことを考えながらホールを回っていると、懐かしい顔に出会った。
同じパチンコ屋さんで働いていたAさんだ。
すぐに「Aさん、お久しぶりです!」と呼びかけ、隣でハナビを回す。
なんの話をしようかと思考を巡らせていたら、Aさんが口を開き、第一声で言った言葉にわたしはショックを受けた。
「あのパチンコ屋、潰れたよ」
一瞬、どういうことかわからなかったが、じわじわと理解できた。したくはなかったが、理解してしまった。
これから出向こうとした先の出来事だ。もう少し早く来ていたら、またあの空間に足を踏み入れることができたかもしれない。
そう思うと悲しさが溢れた。いつの間にかわたしの回していたハナビはリーチ目が揃っている。
放心状態のわたしを尻目にAさんは予定があるからと足早にホールから姿を消した。
味気のなくなったボーナスを消化して、いく予定だったあの土地にはいけなくなってしまった。
そのまま電車を乗り継いで、帰宅した。
今でもまだ、あの建物は残っているのだろうか。あの暖かな人や空間は残っているだろうか。
もう少し時間を置いたら、またお蕎麦屋さんでみんなと談笑しながらお酒が飲めるだろうか。
それとも、何もかも無くなっているだろうか。
わからないけど、いつかまたあの土地に行きたいと思う次第だ。居心地が良かったあの空間に、また飛び込んで身を沈めたいものだ。
ホールの業務はこれっきりだけど、今後はやるつもりはない。あのホール業務を上書きしたくないからだ。なくなってしまったけれど、わたしの中では確かに最高で、完璧なホールだった。
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大水くんさんの
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このコラムへのコメント(4 件)
かなしみ。
アットホームなお店大好きです!
久々のおおみずくんさん!
ステディゴーでもペアバトルでも活躍しているのを見ております!(そのチャンネルしか登録してないから)
一番の出世だもんなぁ…。もーパチ7の事忘れてもええんやで…。誕生日にイラスト書いてくれたのは最高の思い出と自慢です…