クソ台じゃないよ！ ちょっとしくじっただけ！ 元ホール店長が語る「スマスロエヴァ(ビスティ)」のしくじり物語。

皆様、新年あけましておめでとうございます。さあ、本日で全人類の年間収支はリセットされました！　地球上すべてのパチンコ・パチスロファンの皆様、ハンドルを握る準備は、レバーを叩く意気込みは万全ですかっ！？　今年も張り切ってジャンジャンバリバリお出しいただきますよ！！　ではその前に、まずは高橋洋子さんに歌っていただきましょう。曲はもちろん『心よ原始に戻れ』です、それでは、はりきってどうぞぉ！！ ……ええ、もちろんカラ元気です。

ワタクシ昨年はとうとうトータル34年のパチンコ・パチスロ歴の中でブッチギリのワースト収支を叩き出してしまいまして、心の中が南極です。主な原因は悪魔の遊技機・スマスロ様です。

例年だと私の場合パチスロはプラマイゼロでパチンコを打った分だけマイナス程度の収支なのですが、昨年はスマスロ様にボコボコにされた挙句にパチンコでさらに追い打ちをかけられる地獄収支。まさにスマートに銭を取られただけじゃねぇかと、嘆き、喚き、ケンタッキーな日々を過ごしておりましたが、元旦リセットにより気持ちを切り替えて今年も皆様と共に頑張ります。ちーん。

そして北は北浦和、南は南浦和にお住まいの方に向けた埼玉ローカルコラム『しくじり機種』も、本年もギリギリの継続率を奇跡的に突破しつつ連載が続いております。パチ7も今年で10周年、こちらも皆様と共にヨチヨチ歩きでなんとか継続しておりますね。ありがたや。

さて、それでは今年1発目の『しくじり機種』をお届けしましょうか。今回は皆様の記憶にも新しい昨年の話題機種、そう、結果的に悪い意味での話題ばかりとなってしまった通称『エヴァGOD』でございます。「逃げちゃダメだ」の精神で導入したホールが「あんたバカァ？」と呼ばれた結末、いったい何がいけなかったのでしょう？

 

★今回のしくじり機種は『Lエヴァンゲリオン～未来への創造～（ビスティ）』

ホールデビューは2023年10月。そう、たったの2ヵ月前の出来事。1ゲームあたりの純増枚数2.8枚のAT機、1回のATの平均獲得枚数は1,250枚。荒そうな台だなあ、誰が打つんだろ、全てのスロッターがそう思った時点でファイアーボールのような結末は予想されていたのです。
 

しくじりポイント1.ゴッドタイプで出すな！

ゴッドタイプは6号機では流行らない、それがユーザーとホールの共通認識。ああ、それなのに何故、メーカーはゴッドタイプを出すのかしら。昭和歌謡のメロディーに乗せてそんな歌を熱唱したくなるぐらい登場しちゃうのがゴッド系パチスロ。

4～5号機時代に「たまらんなあゴッド、売上も粗利もウハウハやで」みたいな事をナニワ金融道フェイスで吹聴していたオーナーやホール店長は私も含め大半は絶滅しているのですから、6号機でゴッド出すのは正直、時代遅れ感が否めません。 ましてや今のユーザーさんなんて機歴台、ピノコさんっぽく言うと『キレッキー』の事情すら把握している人が多いのですから、設定が入らないのも先バレのバレバレ。導入前から既にユーザーが白けきっている上での『今さらゴッド』なのですから、しくじるのは当然ですわよ。オホホホホホ。
 

しくじりポイント2.エヴァである意味、まるで無し！

パチスロの定番機種には必ず『お約束』が存在しております。ノーマルタイプであればジャグラーはGOGOランプ、ハナハナは先光りのハイビスカス、番長やバジリスクはお約束の液晶演出を多く抱えたAT、もしくはART機。 仮にそのお約束を変えてしまうとファンから「そうじゃねぇだろ！」とブッ叩かれる、機種の持つ大事なイメージこそが『お約束』です。

ならばパチスロのエヴァシリーズにおける大事な『お約束』は何か。私は5号機時代の『ボーナス+RT』というスペック、それに加えて『シンプルなリーチ目』だと考えています。

昨今のスロエヴァが万人受けしない理由は、ノーマルタイプからAT機路線に変更しただけでなく、強引にエヴァ要素をうっすらトッピングしただけのように感じられるからなのではないでしょうか？　黒髪清純系アイドルが一転して大御所タレントにタメ口で話しかけるグラビア系ギャルにジョブチェンジしちゃったら「そうじゃねぇだろ！」の驚きや怒りがあるでしょ！？　エヴァGODなんて「そうじゃねぇだろ！」の最たるもの。

ファン心理を理解していないと、往々にしてこうした事態は起きがちですよね。 もしこの時代に『北の国から』の五郎さんがいたら「ゴッドにエヴァをトッピングさせたら稼働する！？　そんな訳ないでしょうが！」と、唐突に激怒するでしょうね。

 

★元店長カタギリとスマスロエヴァ

私がエヴァGODと対面したのは地元の人気ホールの新台入替2日目のタイミングでした。午前中にも関わらず既に埋まっているのは半分程度、正午に差し掛かった時点ではなんと遊技しているのは、来店直後の私の目前でGODを揃えて連チャン中の1台ポッキリ。

これでは人類補完計画じゃなくて、店長ポカーン計画ですよ。何ですか、ネブカドネザルの鍵って（ギャグが大スベリしたため話をごまかそうとしている）。

早期の客飛びは予想されていましたが、よもやこれほどとは。 この状況にはさすがにホールが「客が飛ばした」のではなくメーカーが「早々に客飛びする台を出してしまった」としか言わざるを得ません。一度ぐらいは触れた上で感想を述べるべきなのでしょうが、それすら躊躇させるシマの空気感。

……という訳で私、実はエヴァGODは一度も打っていないクセに、勝手にブチ切れている頭のおかしいオジさんみたいになってしまっているので今回はここまで。今年の8月と9月で最新のiPhoneが2台購入できるレベルで大負けしていたので、荒いスマスロには手が出せなかったのです。許してちょうだいな、臆病な私を！

 

★まとめ～既に忘却の彼方へと葬られたエヴァGOD～

たった2ヶ月前の台なのに、既に誰も話題にしないどころか存在すら半ば無かったものとされつつあるエヴァGODさん。ホール側の「買わざるを得ない」大人の事情があるとはいえ、ユーザーだって同じく大人です。ホールの無駄な投資が自分達の収支に影響することぐらい理解しています。みんな大人なのですから、メーカーさんもホール側もユーザーから白眼視されているのをこれまで以上に自覚していただきたい、それがエヴァGODの教訓です。

とりわけ、私が大好きなエヴァシリーズでパチスロの駄作を連発させるのも、そろそろ『終結』させていただきたいなと思います、カシウス、ロンギヌス。