2020年パチスロゆく年くる年。

佐々木真パチスロ攻略ライターの思考ルーチン

2020年が終わろうとしています。今年は新型コロナウイルスに振り回される1年となってしまいました。新しい生活様式で、環境などが大きく変わった方もたくさんいらっしゃることでしょう。

私はあまり変わらなかったことになるのかな。普段からメールやLINEでやりとりをして、自宅に篭って作業。10年以上も前から自宅での“リモートワーク”が中心となっています。緊急事態宣言で外出自粛となっていた際「マジ地獄www」という感想も目にしましたが、私はその地獄に10年以上もいることになるのかと今更ながら気づいた次第です。引き籠るのが大好きな人間です。

緊急事態宣言を前後してホールで打つ回数が減ったのは地味に堪えました。今年は特に、昔話を現在の方々に伝えるような原稿を多く書くこととなりましたが、普段のコラムの内容やインスピレーションは、いまのホールや機種たちから得ていました。そこでインプットしていたわけですね。

そのインプットがなくなっても（メーカー取材も止まった）締め切りというアウトプットの予定は変えられません。自粛期間中なのに、打ちに行きたくさせるような発信は違う。制約のある中で、どんどんとエピソードを消費する1年となってしまいました。引き篭もりでもご飯は買いに行かねば生きていけません。

それと同様に、新機種が出てこなければ、古い機種を撤去することはできません。コロナ禍や営業自粛といったこともありますが、最後に残ったのは5号機どうするの？問題だったように感じます。

ということで、2020年のパチスロはどうだったか。恒例となった「パチスロゆく年くる年」を今年も開催したいと思います。あ、コロナの話はみなさんも聞き飽きたでしょうし私も書き飽きたので、必要以上に深く＆暗くはいたしません。

★ホールは稼働アップを考えていた!?

▲『いろはに愛姫』（大都技研）

コロナがなかったパラレルワールドを考えてみたいと思います。今年の序盤に感じたのは、粗利よりも稼働を考えているホールが増えつつあるということでした。

設定は押し順の左・中・右と設定6。どの押し順が優遇されているか推測されて押し続けられた場合、そこからは出玉率104％で動いてしまう『いろはに愛姫』が登場。「聞いてないよ、アマすぎるよ」ということで、稼働停止としたホールもありましたが、ユーザーを代表して一言いわせていただきます。「そんなの想定できるだろ」と。

ギブアップしたホールもありましたが、現在も残しているホールは、それ目当てでユーザーが集うことで賑わって見える。稼働効果を優先していることになります。泣きながら。実際、今年の稼働ランキングを見ると殿堂入りしたほうがレベルで高い数値となっています（笑）。

▲『オリスロ3』（JPS）『パチスロ言い訳はさせないわよ!by壇蜜』（ボーダー）

『いろはに愛姫』は特異な例として。もう1機種注目していたのが『オリスロ3』というノーマルタイプでした。馴染みがないという方が多くて当然。こちらは、開発にホールが関わったプライベートブランド機となっています。なので、その関わった特定ホールがお近くになければ、見ることも難しかったかもしれません。

この『オリスロ3』の出玉率は、全設定で104％。といっても、設定は2つしかありませんが。特定のホールでしか打てない激アマ機種。これこそ、稼働を目的とする以外の何者でもありません。ちなみに、ほぼ同じ内容で出玉率101％の設定3を加えたものが『パチスロ言い訳はさせないわよ！by壇蜜』です。

★今度こそ5号機ラストイヤー？

夏の『押忍！サラリーマン番長』と秋の『ミリオンゴッド神々の凱旋』の撤去問題は、なんとなくでも聞いたことがある方が多かろうと思います。具体的な流れなどを書き出すと長くなるので、【コロナ振り返り#04】パチンコ業界団体の動きまとめ。をご参照していただけると助かります。簡単に言えば……

１）コロナ禍の影響で検定・認定の期限が延長
２）でも、高射幸性と指摘された機種は自主的にハズしましょうね
３）法的には区別なく延長されているので、ウチのホールは残します
４）これからお願いしたいこともあるからルールは守ってよ！

こんな流れですね。高射幸性と指摘された遊技機を含めて、自動的に設置期間が3年から4年に延長されることとなりました。ただし、高射幸性遊技機は、従来3年の検定・認定が切れるタイミングで撤去。元の撤去予定が2021年だった機種は、2021年11月まで設置することが可能です（15％ずつ減らすとかありますけど）。

しかし、完全に5号機ラストイヤーとなるかは分かりません。5号機の法律下で最後の日は2018年1月31日でした。この日に認定を取っていれば、法的には2022年1月31日まで設置可能なんですね。11月までというのは、業界内で決めた自主的なルールです。

コロナ禍が再び猛威を奮うなど社会情勢の変化があれば、再び延長される可能性はあるのかな……と。まあ、また風営法の一部改正・即時発行で伸びる（驚きのニュースでした）とも限りませんし。

いずれにせよ、延長される保証はないので。【最新】パチスロさよなら予定日カレンダーをチェックしていただければと思います。2020年に撤去される予定だった機種は、2021年の1月11日まで延長されています。この冬休みが最後のお別れ期間となりますね！

★2021年はついに6.1号機が始動!?

▲『パチスロ北斗の拳-宿命-』（サミー：2021年3月登場予定）

サミーから発表された『パチスロ北斗の拳-宿命-』は、6.1号機で認められた1G限定のペナルティを使っているという話です（すみません、私は打てていません）。1Gあたりの純増が2.8枚のAT機で、50枚あたりの回転数は35.8Gと抑えられています。まあ、確実に何かはやっています（笑）。

6.1号機の話が出てきてから1年以上が経過しています。擬似遊技や液晶リールといった直接出玉に関わらない部分はさておき、1Gのペナルティは型式試験で適合を受けることができていませんでした。ものすごく推測ですが。1Gのペナルティを許したものの、やっぱりそれを後悔して許してくれていないのかな。そんなことを思っていたくらいです。

型式試験の出玉試験の方式が10月15日から変更されたので、その影響もあるのかもしれませんね。ペナルティがあるということは、打ち方に制限をかけられるということ。それが受け容れられるかなど、蓋を開けてみなければ分かりませんが、何にせよ大きな一歩かと思います。

あ、ペナルティ打ちをするとATが単発になるとか噂になっていましたが、それは難しいと思いますよ。かなりの条件が重なるとかなら分かりませんが。少なくとも、ペナルティは1Gのみ。その後のAT抽選に影響を与えてはならないという大義名分がありますから。

★2021年こそ良い年となりますように！

コロナはどうなるか分かりませんし、5号機との最後のお別れが1年ペンディングされたような状況となっていますが、密かに2021年を私は期待しています。

約24万台。なんの数字でしょう？

ジャグラーシリーズを除いて、撤去しなければならない5号機のノーマルタイプと分類されているざっくりした台数です。稼働を考えているホールも増えてきていることですし、この枠がガラガラとなることは考えにくいです。一気に1機種で何万台ともならないのがノーマル機。それだけ多くの新しいノーマル機と出会えるチャンスがありそう。そう思っています。というか、そうなって（笑）。

これにコクコクと頷いていただける方は、『ノーマルタイプ・Aタイプ』の歴史。もよろしくお願いします。「昔話は分からない」その気持ちも分かりますが、視点を現在において変遷を書いたつもりですので、ぜひぜひ。

まあ、ハズされる台があるということは、新しい台と出会えるということです。そんな期待をしつつ。みなさま2020年もありがとうございました。良いお年を！

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佐々木真: 代表作：パチスロ攻略ライターの思考ルーチン

裏モノ全盛期に“ギャンブル”としてパチスロを始めたが、技術介入機時代に最適手順を模索するなど“遊技”としての魅力にはまり、履歴書に大きな穴をあけてしまう。2000年よりパチスロ雑誌などで編集兼ライターの活動を開始。現在は、ほぼすべての機種の発表会や取材に参加。法律・規則などの知識をもとに、根幹システムの推測をライフワークとしている。