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BAR BIG BONUS#3 サウンド・オブ・ウェイブス
BAR BIG BONUS#3 サウンド・オブ・ウェイブス
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岡井モノさん
「ダメです」「反応ありません」「完全に沈黙しました」 サーバーが不安定な時は使徒に襲われたネ○フみたいな雰囲気になる愉快な編集部です。 - 投稿日:2016/06/07 19:36
私は業界タレントがよく集まるバーの雇われマスター。
店の名前は「BIG BONUS」。
パチスロ好きなオーナーが開業時に、BARという響きを嫌い、せめてもの縁起かつぎにとつけた名前です。
話は記憶を頼りに書いているため、 【間違っている部分も多いと思うので、鵜呑みにしないよう】お願いします。
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注文の入ったピニャ・コラーダを仕上げ提供する。
こちらをご注文のお客様はー
「マスター、今夜はずいぶんと賑やかね」
短めのブロンドヘアーに一輪のハイビスカス、どこかミステリアスな魅力を感じさせる女性。
お久しぶりですね、ええと、ナミエさん、でよろしいでしょうか
私は仕事がら、お客様の名前はまず忘れない。しかし彼女の場合は特別な事情があり、どこか探るように言葉を出した。
「前にも言ったでしょ、ナミエでいいわ」
失礼しましたナミエさん
「まぁ、もともとワタシは名前の無い女だから、好きに呼んでもらっていいんだけど」
以前聞いた話だが、沖スロ『シオサイ』シリーズで活躍する彼女には名前が無い。
広く知られている「ナミエ」という名前は正式名称では無く、打ち手の間でいつの間にか定着した呼び名である、事情とはそういうことだ。ちなみに「シオコ」と呼ばれる場合も多いらしい。
彼女は続ける。
「大切なのは名前じゃないけど、ナミエって呼ばれるのは嫌いじゃないわ。だって嬉しいじゃない、名前を付けて愛してもらえるなんて」
確かに、みんなナミエさんの魅力にすっかりやられちゃいましたね、たしかデビューは……
「1997年の『シオサイ30』ね、いやだわ、年を感じちゃう」
なにをおっしゃいますか、長年愛されている、素晴らしいことです、ハイビスカスの光と同じくその美貌には全く陰りを感じませんよ。
「ふふっ、ありがと。まぁ沖スロって言葉が示すように、元々沖縄限定設置だったのよね」
当時30φメダル自体が沖縄県限定であったため、それ以外の地域では余程熱心なスロッターでもない限り、存在すら知られないものだった。実際沖縄県での導入後も評価はそこそこといったところで、数多の台に埋もれていく存在だと思われた。
私は馴染み客の彼を思い出す。
以前ジャグラーさんからもうかがいましたが、当時の完全告知機は逆風の時代だったとか。
ふぅ、と小さくため息をついて彼女はつぶやく。
「そうね、彼も苦労したみたいだけれど、ワタシも正直言ってパッとしなかったわ、でもね…」
そう言いながら顔を上げ話を続けた。片方だけ見せる蒼い瞳が印象的だ。
「海を渡った九州で人気に火が付いたの、攻略要素が多く、30φメダルを箱一杯にするインパクトがウケたのかしらね」
ああ、確かに私も初めて30φマシンを目にした時は衝撃を受けましたね。
「ハイビスカスを光らせて箱を積み上げる、そのシンプルな魅力が認められたの」
まさに沖スロ=ハイビスカスのイメージを定着させた立役者ですよ。
そう、これを機に沖縄以外のエリアに沖スロの設置が進んでいくことになり、パイオニア社の進む方向を決めたと言っても過言ではなかった。そして同社のハナハナシリーズをはじめ、今日も多くのホールでハイビスカスを輝かせているのだ。
「…実は本土向けにリーチ目タイプの『シオサイ』もあったのよね」
色々やったのよと過去を語るナミエさんがいたずらっぽく笑った。
私はシリーズの『ビッグシオ30』で気になる話があった、しかしこの話をナミエさんに聞いて良いものか……
「……なに?マスター」
表情を読んだナミエさんがカウンターに身を乗り出す、この人には隠し事をできる気がしない。おそるおそる、様子を見ながら話を聞いてみた。
あぁ……いえ、ちょっと気になったもので、あの、ゴッドシオとか……
「……ふふっ、どうしてかしら、みんな聞きたがるのよね、その話を」
少し間をとり、ナミエさんが目を細める。
「言っておくけれど、ワタシは関係ないわよその台……でもまぁ、他人から聞いた話でよければしてあげるわ」
話せる部分だけで結構です、是非。
「昔、ワタシに似た台があってね、大連チャンか大ハマりかっていう極端な性能だったわ」
よく似ていましたね、愛好家の知名度は抜群だったようで。
「そうね、良くも悪くも名を知られることになったわ、一撃ウン千枚、なんてね」
元々のシンプルなつくりと相性が良かったんでしょう、おっと他人の話でしたね。
ナミエさんがちらりと視線を飛ばす、大丈夫、わかっています。
「不思議よね、それが現在の沖スロのゲーム性のスタンダードに採用されるなんて」
良いか悪いかはさておき、一つの流れができた印象深いマシンでした。
後に続く沖スロ機の多くに搭載される「ボーナス後数ゲームで連チャン」というシステムは現在まで続いている。
なお、正式に『ゴッドシオ』という機種は存在しない。ストック機『ビッグシオ30』をもとに生み出された、所謂裏モノだ。通常時の子役はほぼカット、そのかわりに連チャン性を高めた尖ったつくりから、ゴッドの名を冠されたかなり極端なマシンだった。
ナミエさんはグラスの氷を混ぜながらつぶやく。
「いずれにしても、基本がしっかりしていないとダメね、告知ランプ一つとってもこだわりがあるんだから」
確かに、あの明滅する花の魅力はなんとも言えないものがあります。
シンプルでありながらのこだわり、長年培ったベテランだからこそ重みを感じる。そういえば最近告知ランプにこだわった狸がいたような…気のせいか。
「今の若いコはワタシのことを知らないんじゃないかしらね、他社を含めて後輩はどんどん出てきているけれど」
うーん、でもナミエさんの登場を待っている人は多いと思います、むしろ時勢的には今がその時かもしれませんよ。
「そうね、時が来ればまた顔を出すわ、その時はよろしくね」
時代は巡り、幾多の機種が現れては消えていく、【名前の無い女】ナミエさんの一言
「大切なのは名前じゃない」
が印象的な夜でした。
シリーズ機やタイアップ機が溢れる昨今、
愛称を付けてもらえるほどの支持を集める機種の登場に期待したいものです。
…今夜はこの辺で店を閉めましょう。
また是非お立ち寄り下さい、7の付く日の夜はBIG BONUSへ…
SEE YOU NEXT BONUS…
15
岡井モノさんの
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このコラムへのコメント(13 件)
引っ越し回数二桁。それは大変ですが、色々な経験ができそうですね。
人生の節目を当時の機種と共に…今度お話しを聞かせてください。
波の音が出る全体が暗っぽい沖スロ思い出したけど名前出てこない!
当時チカチカさせたくて、1800ハマった気がする。。。。
懐かしい題の名前で打ってた土地やホールを思い出しますわ!
(引越回数二桁w)
ナミエさんはいつまでも変わらないでしょう、きっと。
そこいく!?というところは、やはりみんな気になる部分ということで(笑)
にしても時に出るマスターのそこいく!?っていう話が非常に好きです(笑)。
今では沖スロ=シンプルみたいな構図ですが、技術介入余地が多くありましたね。
ナミエさんにはいろんな顔があるということで。
本来お客様に質問するのは好ましくないのですが、お恥ずかしい。
ああそうだ、私は今のパチ7好きですよ。
時代の流れを感じますね。
それはそうと、一杯飲んで落ち着かれては如何でしょうか。
7のつく日と言いながらの不定休、申し訳ありません。
評価いただき励みになります、私も玉三郎を待っていますよ。
ハサミで4チェが取れたり、ハズしが割りかし効いたり…
ほんとは良妻賢母な方だったんですよね(遠い目)