光の先は地獄への入り口

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新しくしたはずの番号にもう着信が。

一体誰が？

出てみると意外な人物からであった。

それは

東京に出てきたとき、一番初めにお世話になった

職場の社員さんからだった。


当時学生として勤務しており

卒業したのだが

数週間前に遊びに行ったことがあった。


その際、店長も含め

「また戻ってきてくれないかな」

そういう話を半分冗談でしていたのである。

「番号変えたの？　メールだけだったから

　あきうめ君だと思わなくて。」

確認のため電話したのだという。

続けて

「今何してるの？　仕事は？」

諸々の事情は隠し

今は仕事を辞めて次の仕事を探している

そう伝えると

「うちに来ればいいのに。寮も完備してるからさ」

「もし考えるなら、店長に話してみるよ」



お願いすると、１時間もかからないうちに店長から着信が。

「君が前に働いてたとき、真面目に仕事してくれてるから

　もし本気で働こうと考えるなら、俺が話をまとめてやる」



その熱意に打たれたこと。

さらに人間関係に疲れていたため

ここなら昔から知っている人達が多いこと。

また１から仕事を覚えなくていいため、楽なこと



同時期に全く違う業種での営業職も採用の連絡はあったのだが

色々考慮した結果

前のお店にお世話になることにした。



そこから

彼女と結婚して子供が出来た時に困らないようにと

３LDKの公団住宅を紹介してくれた。

家賃はなく、寮費として一定の金額を引かれるだけ。

都心にも近いため、非常に便利な所。

即決して、そこで新しい生活を始める。

余談だが、

現在もここに住んでおり、仕事も変わっていない。

ここでようやく落ち着けるようになったのは

実は１年前。

それまでに紆余曲折があった。

一番信頼している人を裏切るほどの。

何故そうなったのか。


それは


当時は「学生」であったこと。



そして今度は


「社員」として戻ったこと



ここが大きく違うことに気づかず

今度は自らの足で地獄への扉を

開けてしまうのであった・・・・



続く

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