気が付けばパチスロへの興味を持続できなくなった自分

「6ツモってウン千枚出た！」みたいな報告を受けて、羨ましいとか、自分も同じような体験をしたいと思える人って、ここにどれぐらいいるんだろう。

僕は酒飲みだ。
毎日のように飲んでいる。

ふと「自分はいつからお酒と向き合う頻度が増えたんだろうか」と考えてみたところ、せいぜいここ2年か3年ほどであった。
ではそれ以前は何と向き合って、どう暇を潰していたのかというと、パチスロだったと思う。

思えば18歳のときに某ボッタクリホールの社員として社会人デビューして以降、パチスロ漬けの日々は15年ほど続いていた。

借金をするほど豪気ではないので手痛い失敗は味わったことはないが、それでも年間で換算すれば、結構な時間とお金を投じていたように感じられる。
今でもしばしば打つことはあるけど、あまり遊技に身が入ることはない。
時間ばかりが気になる。
楽しいことは楽しいが、その度合いで言うと決して大層なものではなくなった。
ひょっとすると今では、一蘭辺りで麺をすすっている方が幸せかもしれない。

一頃前、あんなに楽しかったはずのパチスロに、何故か身が入らなくなってしまっている……。

こんなことをパチ7でわざわざ書くなんて「なんだこいつ」と思われるかもしれないけれど、これって別に現状のパチスロを「つまらない」なんて言って批判したいとか、そういう方向性の投稿ではない。
自分の中の趣味に費やす情熱の炎が、信じられないほどに下火になっていることへの恐れを、とにかく誰かに伝えたいのである。

昔は朝からホールに並んで、常連らとその日の狙い台についてああでもないこうでもないと話し合っていたし、万枚が出ればニヤニヤと歯茎丸出しの気色の悪い笑みを浮かべながらレシートを写メっていた。

だけど、もう最近は何だかそういう気力がわかない。
これは非常に不味いことだと思う。

というのも、僕は徐々にではあるけど、20代の半ばを経た辺りから、少しずつ“大好きだった趣味”への熱量が下がってしまっていることを自覚しているのだ。

最初はテレビゲームだった。
寝る間を惜しんで遊んでいたゲームが、今ではハードのスイッチを入れるのすら億劫でたまらない。

次は小説だ。
ことあるごとに読み漁っていた文字の奔流に、今はもう耐えられない。
読んでいても、情景の脳内再現すらできなくなった。

そうして今度はパチスロを打っていても、ゲーム性や演出に、何にも感じ入ることがなくなってしまっている。
極端な話、投資が5,000円を超えた辺りで、猛烈に取り返せる気がしなくなり、帰宅したくなるような状況に陥っている。

だけど昨今の機種なんて、大半は5,000円入れたぐらいでは序盤も序盤。最序盤。
まだそのマシンのスペックの片鱗にすら触れることは敵わない。

「趣味にすら最低水準の熱量をキープできなくなると、パチスロすら打つのがキツくなるのか」と、目先が真っ暗になる思いを抱くようになったのだ。

幸いにも僕には、この段階までで興味を失ってしまった趣味以外にも、いくつか未だに熱中できるホビーはある。
だけど、この調子で行くといつか、その残された全ての趣味に、気持ちが向かなくなるときが来るような気がしてならない。

かつて「楽しい」と思えた趣味を、正当な理由もなしに忽然と興味を持てなくなってしまうというのは、非常に恐ろしいものだ。

もちろん、そうは言っても大半の趣味なんてものは、時間が経過するにつれて徐々に興味が失われるものなんだろう。
だけどここまで順調に、それぞれの趣味に対する熱量がブッツリとなくなってしまっている自分に対しては、このところ大きな不安を感じずにいられない。

以前はたしかに感じていた「楽しい」が、ある朝起きたら全く理解できない感情になっている。
こんなに恐ろしいことはない……。

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