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回胴と銀玉に於ける他分野理論応用の考察 【猫】
回胴と銀玉に於ける他分野理論応用の考察 【猫】
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たれめさん
ストップボタン押すために仕事してる - 投稿日:2018/04/19 22:46
此処に一つの箱がある。
箱の中には1匹の猫と放射性物質であるラジウムを一定量、そして針が触れると青酸ガスが発生する細工がしてあるガイガーカウンターを入れておく。ラジウムが原子核のアルファ崩壊によりアルファ粒子を放出するとガイガーカウンターが作動し、青酸ガスが箱の内部に発生する。必然的に猫は死ぬ。
猫の死の過程をアルファ粒子放出に断定した時、1時間後猫が生きている可能性は50%、死んでいる可能性も50%である。したがってこの猫は、生きている状態と死んでいる状態が1:1で重なり合っていると解釈される。これがかの有名な「シュレディンガーの猫」である。「シュレディンガーの猫」は量子力学に於ける矛盾点を批判する為の思考実験であり、言うなれば喩え話である。決してシュレディンガー氏がか弱い猫に謂れなき虐殺を行ったわけではないので悪しからず。
この思考実験を初めて目にした時、私の脳裏に過ったのは「量子力学とはかくも不可思議なものなのか」でも「猫ちゃんが可哀想」でもなく、「パチスロの択当てみたいだな」であり、そう思ってしまう自分はもう取り返しのつかない所まで来てしまっているのだと少し残念で居た堪れない感情を抱いた。
リノの3択然り、エウレカAOの6択然り、全ての押し順はナビされていない限り、その正しき素顔を明らかにすることはない。言うなれば観測し得ない事象というわけだ。雌雄を決するストップボタンを押すまでは、行く末は神のみが与り知る運びとなる。
悩んだ所で正解が分かるわけではない、しかし悩まずにはいられない。何処かにヒントが隠されてはいないか、これまでの傾向はどうであったか、己の直感は何を告げているか、何も出来ずに外して打ちのめされるのが堪らなく嫌で足掻いてはみるが、いつまでたっても天啓は降りてこない。
これは択当てのみに留まらない。その台の設定は一体幾つなのか、我々は完全に把握することは出来ない。たとえ確定演出が出ようとも、此の世にバグが存在する限り、真実に限りなく肉薄しているに過ぎない。その日の勝敗にしてもそうだ。サンドに千円札をぶち込んだ時から屈辱に塗れて店を後にするまで、その勝負の果ては、観測しきれない。何が起こるかわからない、何が起こってもおかしくない、だからこんなにも必死に、夢中になっているのだから。
我々はパチスロを打つ時、皆一様に「シュレディンガーの猫」の前にいる。もしかしたら我々こそが、猫そのものなのかもしれない。真実をこの眼で明らかにしたくて、未だ見ぬ事象の果てに自ら辿り着きたくて、今日も血眼になってレバーを叩いている。致命的な死が待っているかもしれない、栄光への道が開かれているかもしれない。分からないから立ち止まってみる、分からないから突進してみる。何方も決して間違っていない。
だから仕方ない。仕方ないのだ。抜群に良い挙動をする番長Aとクラセレだったけど呑まれるのが怖くてイモ引いた事も、その後乱れ打って出した分以上にメダルを入れ続けてしまった事も、全て観測しきれない事だから仕方がないのだ。私は悪くない、絶対に悪くない。リノを青7縛りで打った事も、400GからAOの天井を追った事も、仕方のない事なんだ。気づいたら猫じゃなくて財布と両目が死んでいた。
「シュレディンガーの猫」はスロッターが抱えるジレンマを的確に表した思考実験だと言える。生きるか死ぬか、それは果たして猫か己か。観測と葛藤と試行錯誤の日々は続く。
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たれめさんの
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このコラムへのコメント(5 件)
分からないからこそ追い求めるのです。
ハイパーリノ打たなきゃ(錯乱)
設定は6とそれ以外の確率も50%50%。
打つ理由しかない!
空き台はすべて狙い台です。
そう言っていただけると嬉しさで涙ちょちょぎれそうです。