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回胴と銀玉に於ける他分野理論応用の考察 【災】
回胴と銀玉に於ける他分野理論応用の考察 【災】
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たれめさん
ストップボタン押すために仕事してる - 投稿日:2018/04/12 16:17
「風が吹けば桶屋が儲かる」という諺がある。
風が吹くと土埃が舞い上がる。舞い上がった塵は目に入り込み盲人が増える。当時の盲人は按摩か三味線で生計を立てて行くのが常であった為、三味線が足りなくなる。三味線は材料に猫の皮を使うので猫が獲り尽くされ、街から姿を消す。天敵だった猫がいなくなった為、鼠がその数を増やす。数が増えた鼠は食料が足りなくなり、桶を齧る。桶に穴が空き、修理や買い換えで桶屋が繁盛する。
これは一見すると何の関係も無いと思われる場所・物事にも影響が及ぶことの喩えであるが、此処で私が言いたいのは、どんな事象にも必ず原因が存在するということだ。
アメリカのハーバード・ウィリアム・ハインリッヒが1929年に発表した論文によれば、1つの重大な事故の背景には29の軽微な事故が有り、さらにその背景には300の異常が存在するとされる。これは「ハインリッヒの法則」と呼ばれ、労働災害の経験則として未然事故防止に活用されている。
300の異常が29の事故を生み出し、それらが1つの災害へと繋がる。なればつい先日我が身に起こった「まだ月の頭にも関わらず8万負ける」という災害とも言うべき事件にも、329の大小様々な原因が存在して然るべきだ。二度とあの様な悲しみを産まない為にも、隠毛の一本も残さぬ程徹底的に検証していく。
先ずは原因と思わしき事象を書き連ねていく。
・あの日は朝から天気が良かった。
・4月の晴天ともなれば大量の花粉が飛び回る。
・今年の花粉は例年と比べ物にならない。
・休みだったので二度寝をかましていたら寝ている間に流れ出た涙で両目が七夜盲の秘薬を喰らったみたいになっていた。
・陰鬱とした気分でのっそのっそと起き出し、シャワーを浴びる。
・時刻は未だ10時過ぎ、パチンコ店も開店して間もない。
・ふと、無性にとある台が打ちたくなった。
・今では設置も殆ど無くなった、嘗て狂った様に打ち込んだ愛すべき台だ。
・ネットで設置店を調べると、電車で一時間半程の所に一軒存在した。
・神が私に打てと言っている、そんな気がした。
・逸る気持ちを抑え、遅目の朝食を摂る。カレーうどんとかを食ったような気がする。
・出たばかりの給料を財布に詰め込み、意気揚々と家を飛び出した。
家を出るまでで既に、負けるべくして負けた一人の男の行動であることが手に取るように分かる。とは言え此処までは所詮起床から出発まで、確信とも言うべき要素はこの後に潜んでいるはずだ。
・電車に揺られる事一時間半、目的地にたどり着く。
・少し小走りになりながらスロットコーナーへ入ると、イカしたあの娘が私を待ち構えていた。
・懐かしさと、もしかしたらこれが最後になるかもしれないという悲しみを噛み締めながら、一打一打レバーを叩く。
・当たりは早く、二千円で来た。
・その後も当たる、然し伸ばせず、一進一退の攻防が続く。
・その最中、愛おしくて堪らないこの台を打てている事に何処か満足し、緩んでいる自分がいた。
・6時間後、収支はマイナスなれど心地良い達成感を得た私は席を立った。
・最後にAタイプでも打ってお茶を濁そうと考えていると、携帯に連絡が入る。
・片手で足りる程度しかいない数少ない友人から、今何をしているか尋ねるものだった。
・これこれこうだと答えると店に来ると言い出す。
・待つ事数十分、見飽きたいつもの面を下げて友人が現れた。
・折角だから並んで打とうと台を探していると、友人は徐に「地獄少女 宵伽」に座った。
・必然的に私は隣の台に座る事になるのだが、此処で一瞬たじろいだ。
・「地獄少女 宵伽」の隣は「閃乱カグラ」だった。
・重いボーナス、仕事をしない強チェリー、打てども打てども入らないART、辿り着けないCZ、嫌な思い出がフラッシュバックする。
・打つべきか迷ったが、以前ある人が「閃乱カグラだって出ますからね⁉︎」と私に言い、成る程確かにと納得した記憶が蘇る。
・重大な欠陥や異常が無い限り、逆さに振っても出ない台は無い。
・おっと、「信長の野望」の悪口はそこまでだ。
・「閃乱カグラ」に着席し、揺れる胸と町内鎖鎌大会6位というパワーワードを眺めている間に2万円が溶けていた。
・気力を振り絞り打ち続けるが恵方巻きは完食出来ず、不良に返り討ちに遭い、無常にも乳は揺れ続ける。
・精魂尽き果て、遂には席を立った。
・その後も乱れ打ちを続け、バーサスでのREG→REGの1G連に心を折られ終了。
此処まで挙げたところで自分の行動の杜撰さに辟易するとともに、これ以上悪徳を重ねていたら8万負ける前にお縄を頂戴する羽目になっていたはずだという確信を得る。検証の結果、どうやら遊戯をする中で日々起こる災害の様な敗北には329もの原因は存在しない模様だ。逆説的に言えば、329の原因が無くとも8万負けという災害は起こり得るという事でもある。努努注意を怠ってはいけない。
今回の検証の結果、ハインリッヒの法則はパチスロに於いては必ずしも合致し得ないという結論に至った。
小さな原因の積み重ねよりも、それなりの大きさのやらかしが2つ3つある事により、災害は起こり得る。バラエティに一台こっきりの珍台に設定が入っていてあわよくば勝てたら良いななどという蜂蜜より甘い幻想や、町内鎖鎌大会6位が妙にツボにハマるというトチ狂った感覚を抱かない事が、常勝への第一歩という事であろう。
これさえ徹底すれば、連戦連勝濡れ手で粟な上ジャグラーで月収15万な生活も近い。
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たれめさんの
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このコラムへのコメント(6 件)
ついつい夢見たくなるお年頃ですが、パチスロと現実は山椒のようにピリリと辛いので注意するようにします。
カレーうどん君は悪くないんです先生!
僕が勝てないのも不景気なのも世界から戦争が無くならないのも全部花粉さんの所為なんです!
雨でも負けて
風邪でも負けて
雪でも夏の暑さでも負けて
それでも打つ事を辞めない
そんな人に私はなりた…流石に少しは勝ちたい
結局風が吹けば、パチ屋が儲かる。
雨が降ってもパチ屋が儲かる。
そしてどんな天気でも我らはパチ屋へ向かう