◯◯とパチスロの奇妙な因果関係 『て』

今回のお題はトリオレの三男さんからいただいた「Tell me the way」。




We are f××kin' japanease pachisloter！Year！！
Nakayubitatero！Chinkomogero！






Tell me the way。道を教えて。生まれながらにして次男坊、生来の方向音痴である自分に道を尋ねられてもどうする事も出来ない。共に手を取り合って同じ所をグルグル回る終わりなきフォークダンスを踊りたいというのならば話は別だが、余程慣れた土地でもない限り尋ねられても小首を傾げるばかりで事態は一向に進展しない事を此処に約束しておく。




ある人は言った。「迷わず行けよ、行けばわかるさ」と。かれこれ数年、道にも人生にも迷いっぱなしな我が身を振り返れば、何とも耳が痛くなる言葉だ。思うに、自分を過信し歩き続けることが原因の根本にあると思われるのだが、いかんせん今自分が正しい道を歩いているのか迷っているのか、それすらも迷ってしまう有様なのだから手の施しようが無い。




ついこの間も、千葉駅周辺での用事を済ませた後、方角だけを頼りに駅を目指していた。しかし、歩けども歩けども駅は其の姿を見せず、徐々に徐々に雰囲気が如何わしい其れへと変わって行く。おかしい、何かの間違いだ、そう思い見上げた電柱には「栄町」の文字が。そんなはずは無い、俺は確かに駅を目指していた筈だ。そう自分を奮い立たせ歩みを進める。如何わしい雰囲気も気のせいだ、ホテルがやたら多いのもきっと観光客向けだ、黄色い看板の案内所も道を教えてくれるボランティア施設に違いない、60分15000円コースとかきっと幻聴に決まっている。




人は皆、道に迷っている。人生という名の暗く長い道を自らの感覚だけを頼りに突き進む中で、想像とは異なる終着点に辿り着く事も屡々だ。栄町の誘惑を振り切り、標識を注意深く観察して歩いた結果、地元にある店と名前が似ているという理由だけでとあるパチンコ店へ入店したのも、ある種の必然であると言えるだろう。




日本の国土が378000㎢。日本で営業中のパチンコ店が約11000店舗。つまり日本には約34㎢に１軒パチンコ店がある計算になる。これが市街地や繁華街ともなればその密度は更に濃くなる。ちょっと道に迷えばパチンコ店へ辿り着く、これは日本という国に住む我々が背負うべき宿命であると言わざるを得ない。




そして「パチンコ屋寄ってちょっと凧揚げでもして行くか」などと考える頭に深刻な問題を抱える御仁で無ければ、店内を軽く一周した後に適当な台に座り、実にスムーズな動きで万札をサンドに投入する運びとなる。




なればこそ、迷った先でフラリとパチンコ店へ入った事も、その店が一切の期待が出来そうにない空気だった事も、２万円が真夏のソフトクリームの様に音速で溶けた事も、絶望に満ちた心に太陽の光が沁みて眼も当てられないセンチな気分に浸ってしまった事も、全て自明の理であると言える。道に迷うということは、即ちパチスロを打つということなのだ。異論は認める。






迷わず行けよ、行けばわかるさ。


其れでも道に迷ったならば俯いた顔をふと上げて、目の前に佇んでいるであろうパチンコ屋に入店しよう。


迷わず入れよ、入ればわかるさ。


きっとそこで、バケも合算もすこぶる良好なのにも関わらず捨てられているジャグラーが貴方を待っているはずだ。喜び勇んで座った結果ストレートで1万負けようと、何も気にすることはない。きっと前任者の御老人はスタンド使いか何かだったのさ。




何も気にすることはない。遣る瀬無さを心の奥にしまい込み見上げた空の向こうには、同じ様に道に迷って2万負けて60分コース行けたじゃんと悔やんでいる愚かな俺がいる。

























馬鹿の一つ覚えの様にお題募集中です。お題をくださった皆様に、パラッツォ船橋店の近くのラーメン屋の鶏白湯ラーメンが美味しいよという情報をお伝えします。次回は「と」から始まる言葉で。

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