○○とパチスロの奇妙な因果関係 『そ』

今回のお題はポリンキ→さんからいただいた「ソニックブーム」。



両の腕を交差させ、生まれ出でしは衝撃波。
出方伺う持久戦、焦れた相手にサマーソルト。





ソニックブームとは、戦闘機などが超音速で飛行する事により発生する衝撃波による爆音である。物体の移動速度が音速に近づくと、物体に押された大気が物体前方に集中・圧縮される。これは俗に「音速の壁」と呼ばれ、コンクリート並みの強度があり、物体がこの壁を突破する時の衝撃波によりソニックブームは起こる。嘗ては高高度による飛行ならば地上までは届かないと考えられていたが、高度21000mでの飛行でも地上へソニックブームが到達する事が観測された。2013年にはロシアで隕石落下によるソニックブームでの災害が起きている。




その威力たるや凄まじいの一言に尽きる。いくらジャンプで避けようとも防ぎようがない。迂闊に近寄ればより手痛い一撃を喰らう羽目になる。おっとザンギエフの悪口はそこまでだ。




因みにこのソニックブーム、もし仮に人間が両腕で発生させようとするならば、人間の其れではない胸板が必要であり、本気で放とうものなら良くて両肩関節脱臼。下手をすれば両腕が愚地克巳よろしく、弾け飛ぶそうだ。居酒屋で酔ってストⅡごっこをしたとしても決して真似してはいけない。エドモンド本田で我慢しておきなさい。お兄さんとの約束だ。





さて、ソニックブーム。音速の衝撃波をパチスロに求めるならば、シンプルに「衝撃を受けた瞬間」が適切だろう。其れならば話は早い。自らの経験に鑑みるのであれば、「フラグという概念」を理解した瞬間だ。




理解するまでは何故当たるのか分からぬまま黙々とレバーを叩いていた。光れば、演出で勝てば、リーチ目が出れば、良くは分からぬが大当りとなる。ただそれだけを支えにデータランプの回転数を見上げ「そろそろ当たるだろう」と特攻していたのだから、負けが込むのも至極当然のこと。スイカが外れれば当たりなのだから敢えて狙わず外した方が良いじゃないか、そんな事を馬鹿正直に考え外し続けていた過去の自分を簀巻にして近所の沼に沈めてやりたい。あの時失い続けた払い出しは、もう決して戻っては来ない。




レバーで何某かを抽選しているのは知っていた。然し其れが全てだとは到底思えなかった。だって液晶はこんなに賑やかなのだから。ここでも何かが起こっているはずだ。ボタンを押した瞬間も怪しい。はたまた打っている姿勢が関係しているのか。やけにかっちりとした姿勢でスイカを溢しながらパチスロを打つ嘗ての俺は、はたから見ればただの変態だっただろう。




細かい衝撃で言うならば、パチスロ打つ度に多かれ少なかれ受けている。痺れるリーチ目が出る度に、不意に引いてしまった単独ボーナスに、かなり打ち込んだ末にようやく見れた演出に、脳味噌がどうしようもなく喜んでしまうのだから、このイカれたゲームを辞められないのだ。逆に言えば、脳がふやけきって一切の刺激を受け付けなくなった時、初めて俺はパチスロを辞めるのだと思う。





年々音が大きくなり、筐体自体に様々なギミックが付く時代になった。リールは遊び、脇には巨大なレバーが鎮座する。下パネルはプッシュボタンになり、ガチャリと回すツマミも付いた。パチンコに至っては提灯がぶら下がり剣を抜き挿しする御時世だ。



否定も肯定もしないが、インパクトばかりを追い求め、「衝撃」が「笑撃」にすり替わってしまってやいないかと不安に思う、今日この頃である。


























性懲りもなくお題募集中です。お題を下さる皆様に、素敵な夏の思い出が出来るおまじないをかけておきます。次回は「た」から始まる言葉で。

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