拝啓　新世界より

中毒症状。


僕はそう呼称されるものを幾つか抱えていまして、代表的なのだと「レバーオンシンドローム」これは満員電車に乗車している際などに引き起こすと大変に面倒な中毒症状で、「ちょっとおなかが痛くなってきたから綺麗なトイレで用足すのボク」とピーワールドをタプタプ検索して電車を飛び降りてしまう危険な病気。

次に僕を困らせるのが「マンセン症候群」これも大変に危険でツイッターなどで麻雀の話題が上っていると体が疼き出し、「近くのフリーは・・・」と雀サク辺りでタプタプしてしまい、気がつけば「ツモ！マンガン2枚！」と唱えてしまう恐ろしい病気。ちなみに祝儀のチップが1枚辺り500円。これが2枚で千円。つまり、マンガンの点数（子8000点）+裏裏（チップ２枚＝1000円）の略称がマンセンである。


そして今を遡る事20年前、当時の藤原少年が最も苦しんだ中毒症状。


それが「新世界症候群」である。


新世界、まず先に言っておくとこれは大阪の歓楽街とは一切関係が無い。正確に言えば「新世界より症候群。」ここで言う新世界とはチェコが生んだクラシックの巨匠アントニン・レオポルト・ドヴォルザークによる交響曲だ。

この新世界よりがBIG音として採用された機種こそが我が生涯で最も負債を捧げた台。

そう・・・その台の名は

あ、あれ！？おかしい！なぜだ！なぜか画像が"裏返った"かのように反転している・・。クッソーこれじゃまるで"正規品じゃない"みたいだよーナンデダヨー。

はい。茶番終了。いろんな意味で。

当時（15歳頃）僕のスロットの師匠にW先輩と言う男が居て、この人からいつもきつく言われていたのは「この台には手を出すな」ってことだったんですよね。しかし俺から見れば何台かは必ずと言って言いほど恐ろしくメダルを積み上げているし、興味を持つななんていうほうが無理だと言うお話しです。

この台は所謂"意図的な連チャン"が組みこまれた台で、"状態"に入ってしまうとBIGもREGも含めて短いゲーム数でドドドーっと押し寄せてくることが特徴的でした。

当時の僕は比較的技術介入度の高いマシンを打っていたし、リーチ目や制御にパチスロの面白さを感じたいた真っ只中。それでもなんかこのキングガルフｆが置いてある島の独特の雰囲気に足を踏み入れたくてウズウズしていたんですよね。

そして初打ちにて体験する圧倒的なボーナスの連打。これは例えるなら今までパートナーは清楚で大人し目のめがねの似合う地味な子で、細かく愛を確かめながらコトを"致し"ていたのに対し、ド派手メイクのヤバ目な短いスカートの似合うあの娘との刺激的なプレイに日々の"致し"が変わった。と言っても過言ではないくらいの違いでした。


求めるんですよ・・・一度体験すると・・・


その刺激を・・・人間はまた・・・


BIGを揃えた際に鳴る新世界よりが聞きたくて聞きたくてどうしようも無い。しかしまぁ設定もへったくれも無いわけですから、これがツボに嵌らないと見事に負け続けるんですよ。追っても追ってもたどり着けない幻の大陸に感じてくるんですよ新世界を。それでも打ちたい。金ならあるんだ。頼む、新世界を聞かせてくれ。

ある時、郵便局のＡＴＭに並んだ数字が5桁になっているのを見て、ヤバイ！これやばい！なんでこうなったの？震えたのを良く覚えています。


そして俺を止めたW先輩は一言・・・。


007もイイゾ！・・・と。


二人揃って完全な中毒患者になっていたのでした。


機種の魅力に出玉ってのはある程度イコールとして結ばれる所はあると個人的には思います。適度なスパイスとしてのスリルは必要だと。その結果が天国への階段なのか地獄への扉なのかは皆さんもご存知の通り。ただあの真っ只中、本当に好きだったと言える機種でした。

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