6号機の遊技機規則を読んでみよう（6）：SIN編

佐々木真パチスロ攻略ライターの思考ルーチン

かれこれ15年以上の恒例行事になりますか。毎年8月下旬は、長野県の友人のところで昔ながらのメンバーで集まっております。20年ほど前にあったパソコン通信（創成期のインターネット）仲間で、パチスロをテーマにした掲示板群で知り合いました。

なので、スケジュールには連れスロが組み込まれています。現在はパチスロを引退している人もいるので、勝ち負けというよりも“打って楽しめる台があるか”が打ちに行くホールの絶対条件。オッサンたちの集まりなので、いかなる時期でもノーマルタイプのラインナップが重要視されます。幸いなことに、お眼鏡にかなうホールが見つかり、かれこれ連れスロ会場は変更されることなく、今年も同じホールで開催することができました。15年も続けば、定点観測と言って良いでしょう(笑)

しかし、今年は様子がおかしいのです。既に昨年8月の時点で高射幸性旧基準機が1台もなかったのに、それらのシマが復活していました。聞くところによると、どうやらオーナーが代わったらしい。複数の店舗を持つ傘下に入ったとか。設置比率の問題などで、他チェーン店からハズされる台を持ってきた再編でしょう。それらの機種の影響か、例年では考えられないほどお客さんは増えていました。それと同時に、今まで“生かさず殺さず”だったノーマルのシマの元気はなくなっていました。

派手な機種たちにも、そんな設定が入っているように見えず。客数は増えましたが、それまでの客層と少し変わったように見えたのですね。住宅地の中の立地なのに。客数が増えたのですから、経営としては正しいでしょう。ただ、コツコツと勝ち取ってきた“まったり遊べるという信頼”を失うのも遠くないかなと懸念してみたり。今は、遊べるラインアップという前オーナーの遺産（そうそう入れ替えられないので）もありますが、方針によっては荒い機種しか導入されなくなる可能性も。みなし機が撤去された後の来年あたり、いよいよ違うホールも視野に入れなくてはなりそうです。

来年になってみないと分からないことを考えても鬼が笑います。ようやく詳しい中身に突入した遊技機規則解説を続けます。

（１）性能に関する規格

ニ：普通役物の性能に関する規格は、次のとおりとする。

パチ7編集部
■佐々木の解説）
普通役物とは、いわゆるSIN（シングルボーナス）のこと。4号機までは、役物という正式名称でした。入賞した次ゲームは、1枚がけ遊技で15枚を払い出すなど、文字通り1G限りのボーナス扱い。これが廃止されて新たに設けられたのが、普通役物です。

（イ）規定数ごとに特定の図柄の組合せが表示された場合に作動するもの以外の普通役物を設けないものであること。

■解釈基準）
「特定の」とは、一の遊技機の特性として決定されているものであり、遊技の都度により変動することを禁止しているものであると解する。

パチ7編集部
■佐々木の解説）
普通役物は、あらかじめ決められた絵柄の組み合わせにしなさいという当たり前のこと。

（ロ）普通役物の作動に係る条件装置が作動することなく、普通役物の作動に係る図柄の組合せが表示されるものでないこと。

■解釈基準）なし

パチ7編集部
■佐々木の解説）
普通役物が成立することなく、普通役物の組み合わせが揃ってはダメということ。

（ハ）設定ごと及び規定数ごとに、普通役物の作動に係る１の条件装置が作動する確率は、あらかじめ定められた値であり、第１種特別役物若しくは役物連続作動装置の作動に係る条件装置、第１種特別役物又は第１種特別役物に係る役物連続作動装置が作動している場合を除き、変動するものでないこと。

■解釈基準）
「あらかじめ定められ」とは、一の遊技機の特性として決定されている事項であると解する。

パチ7編集部
■佐々木の解説）
BIGとREGの消化中を除いて、SIN確率の変動はNG。常に同じ確率で抽選しなさいということ。面白いのは、SIN入賞の次ゲーム。SIN消化中なのに、SINだけでなく普通のボーナスも抽選します。4号機以前のちゃんとボーナスだったSINを知っている人は、SIN消化中は無抽選と心配したかと思いますが、そこは大丈夫です。

（ニ）普通役物の作動により入賞に係る図柄の組合せの数が増加した場合における入賞に係る図柄の組合せの数は、すべての図柄の組合せの数の３分の１を超えるものでないこと。

■解釈基準）
「すべての図柄の組合せの数」とは、図柄の数が一の回胴につきN個の場合、Nの回胴数乗であると解する。図柄の組合せの数は、回胴ごとに図柄が有効となる停止位置の組合せのうち一の組合せを用いて算定するものである。

パチ7編集部
■佐々木の解説）
SIN入賞後の次のゲームで“小役入賞の組み合わせを増加させる場合について”ですが、4号機時代のボーナス扱いのSINとしての名残りの文章かと思います。というのも、SIN入賞後の次のゲーム（普通役物消化中）で、小役確率を変動させることが、現在認められていないからです。

“現在”と書いたのは、過去にそうした5号機があったから。ネットの『ドリスタ』は、SIN入賞後の消化中に限って特殊1枚役を抽選しており、その特殊1枚入賞でRTに突入するユニークなゲーム性となっていました。後にも先にも、この1機種のみ。やっぱりダメと、後から内規（自主規制）で封じ込まれたのでしょう。

（ホ）１の普通役物の作動により入賞に係る１の条件装置が作動する確率が上昇した場合における当該確率は、あらかじめ定められた１の値であること。

■解釈基準）
「あらかじめ定められた一の値」とは、取り得る値が遊技機の特性として事前に定められているただ一つのものであり、遊技の都度により変動することを禁止しているものであると解する。

パチ7編集部
■佐々木の解説）
こちらもSIN入賞後の小役確率アップについての記述。そのような機種が出てきていないので、ゲーム性に与える影響はありません。実際は、消化中にものすごく細かいところで使っているのかもしれませんけど。純増枚数を上げるための秘策として“アクセルSIN”なるものもあるようですし。6号機ATでSINを搭載しているのはソレですかね。打ち手の立場では内規も想像するしかないものなので、ここまでの推測が限界でしょう。

（ヘ）普通役物の作動に係る条件装置は、他の条件装置（入賞及び再遊技に係るものを除く。）、第１種特別役物又は第１種特別役物に係る役物連続作動装置が作動している場合にあつては、作動するものでないこと。

■解釈基準）
「作動するものでない」とは、作動することを禁止しているものであると解する。「他の条件装置」は、普通役物に係る条件装置を含むものである。

パチ7編集部
■佐々木の解説）
BIG中とREG中は、SINが成立してはならないと規定しています。ちょっと前に、BIG中とREG中を除いて、確率変動してはならないと書かれていましたよね。抽選しないことも確率変動の一種なので、きちんと書かれていたのです。

BIG中とREG中は分かった。では、2種BB（第二種特別役物・MB・CB）中はどうなるのか？ここに規定されていないので、通常時と同じ確率で抽選されます。そして、そのゲームを最後に2種BBはパンクします。2種BBについては、もう少しあとになりますね。遊技機規則がそこに届いたときに解説します。

今回は短いですが、キリの関係上ここまで。次回はREGについて。だんだんと大きなジャンルになっていきます。

○今後のお品書き。

ホ：第１種特別役物の性能に関する規格
ヘ：第２種特別役物の性能に関する規格
ト：役物連続作動装置の性能に関する規格
チ：貯留装置の性能に関する規格
リ：遊技メダル数表示装置の性能に関する規格
ヌ：その他

（２）構造に関する規格
イ：回胴回転装置の構造に関する規格
ロ：回胴の構造に関する規格
ハ：回転停止装置の構造に関する規格
ニ：回胴の回転軸
ホ：ガラス板等の構造に関する規格
ヘ：受け皿の構造に関する規格
ト：その他

（３）材質に関する規格
イ：回胴の材質に関する規格
ロ：遊技機の枠の材質
ハ：ガラス板等の材質
ニ：その他

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佐々木真: 代表作：パチスロ攻略ライターの思考ルーチン

裏モノ全盛期に“ギャンブル”としてパチスロを始めたが、技術介入機時代に最適手順を模索するなど“遊技”としての魅力にはまり、履歴書に大きな穴をあけてしまう。2000年よりパチスロ雑誌などで編集兼ライターの活動を開始。現在は、ほぼすべての機種の発表会や取材に参加。法律・規則などの知識をもとに、根幹システムの推測をライフワークとしている。