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元店長カタギリのしくじり機種~歴代パチンコパチスロ事件簿~

元店長カタギリのしくじり機種~歴代パチンコパチスロ事件簿~

2024.09.09

クソ台じゃないよ! ちょっとしくじっただけ! 元ホール店長が語る「ブルーハーツ(銀座)」のしくじり物語。

元・店長カタギリ 元・店長カタギリ   元店長カタギリのしくじり機種~歴代パチンコパチスロ事件簿~


皆様が青春時代に最も情熱を注いだものは何ですか?

当サイトでの模範解答は当然ながらパチンコもしくはパチスロであるべきでしょうね。私も迷うことなくそう答えます。しかしながら二番目に情熱を注いだものを挙げるならばやはり迷わず『音楽鑑賞』と返答いたします。10代の頃はアルバイトでの稼ぎの大半を玉やメダルを借りるのに費やしてきた私ですが、同時に洋・邦を問わず様々なアーティストのCDを購入して聞き漁る日々を過ごしていたのですから。

パチンコの出玉でもCDをゲットしていたあの日々を、今でも懐かしく思い返すことができます。

そんな青春時代、数多くのアーティストの中で特に心酔していたのが『ザ・ブルーハーツ』でございます。私が14歳の時にメジャーデビューし、22歳の年に解散したバンドですから、まさに我が青春と共にあった思い入れの強い存在なのです。

そして時は流れ、中年時代。青き春の記憶を呼び覚ますかのように耳にしたパチスロ『ザ・ブルーハーツ』登場の知らせ。青春時代に情熱を注いだアーティストとパチスロの融合。心のずっと奥のほうにある、真っ赤な薔薇が胸に咲きそうな話でした。しかしながらまた、同時に大きな不安を感じずにもいられませんでした。ま、今回はそんなお話でございます。

 

★今回のしくじり機種は『ザ・ブルーハーツ(銀座)』

▲ザ・ブルーハーツ(銀座)

本機の導入は2008年の夏。この時期に導入されていたパチスロ機を次々と思い出せるユーザーさん、果たしてどれぐらいいらっしゃるのでしょうか。そう、それぐらい私が勤務していたホールでも稼働状況が芳しくない時期でしたからね。

同年に導入されたパチスロで稼働が好調だったのはキン肉マンとバイオハザード(いずれも初代)ぐらいだった気がします。2008年の夏といえば前年の秋に4号機が完全撤去され、ホールが5号機のみで営業せざるを得なくなって1年足らず。

次に導入する新台こそ、なんとか大ヒットして欲しい。メーカーもホールも真剣にそう願っていた頃ですね。

 

しくじり.1:アーティストのイメージをブチ壊し過ぎている世界観

今回はいつも以上に個人の感想が多く恐縮ですが、それだけ私にとってショックが大き過ぎた話ですのでご容赦ください。ついでにもうひとつお詫びいたしますと実は私、本機を遊技したことがありません。

正確には「見ているだけで遊技意欲を失った」のです。

当時、私が勤務していたホールに新台として導入されていたザ・ブルーハーツ。初日こそ私も顔をテカテカさせながらシマで遊技するお客さんの後ろから万引きGメンのようにチラチラと視線を送っていたのですが、時間が経つにつれてテンション急下降。なぜなら、我がヒーローであるヒロトやマーシーがギャルやヘビメタ兄ちゃんと一緒にバトミントンや風船空気入れバトルを繰り広げる白々しい演出を立て続けに目の当たりにしたからです。

私が大好きなブルーハーツのヒロトとマーシーが茶番を繰り返す演出の数々に対して、まるでハンマーを頭の上に振り下ろされたようなショックと、抗い切れない仕打ちに対する怒りが芽生えたのです。 単純にブルーハーツの楽曲が好きだった、その程度の思い入れであれば許容できる演出なのかもしれません。

しかしながら1980年代後半から90年代前半にかけて熱狂的かつカリスマ的な人気を誇ったアーティストであるザ・ブルーハーツに思い入れが強いファンであればあるほど、強い違和感を拭い去ることはできなかったはず。そして何より私は、この台を打つことで自身の青春時代の記憶を汚してしまうのではないか、そんな恐怖すら同時に抱いていたのであります。

 

★元店長カタギリとザ・ブルーハーツ

ブルーハーツのパチスロといえば大阪の某・大手チェーン店になんと100台も導入されていた驚愕の事実がございます。ブルーハーツのパチスロがズラリと並んだ光景、私も是非ともお目にかかりたかったなあ。おそらく機種選定の担当者は熱狂的なブルーハーツファンだったに違いないでしょうが、その決断力と莫大な資金を動かせるポジションパワー、そこに憧れると同時に嬉しくも思ったものです。

万が一、導入を決定されたご本人様が当記事をご覧になったとしたら是非ともブルーハーツ100台の導入を決定した経緯や、その後のお話を聞いてみたいところです。ま、本人は絶対に語りたくない昔話だと思いますが……。

 

★まとめ~ザ・ブルーハーツから得た教訓~

自身が大好きな映画やアニメ、はたまたアーティストがパチンコやパチスロ化された経験をお持ちの方も少なくないと思います。その時、人はどんな気持ちになるのでしょうか。嬉しい、懐かしい、楽しみといったプラスの感情と同時に、私のように不安や恐怖といったマイナスの感情を抱く方もいらっしゃることでしょう。

大好きなパチンコやパチスロをきっかけに、自分が大好きなもうひとつのアーティストや作品に嫌な記憶を植え付けられたくありませんからね。

ザ・ブルーハーツのボーカル、甲本ヒロトは解散決定後のインタビューで「中学生を騙すのがロックだと思う」と答え、自身もまたロックに騙されたのだと述べました。私は彼の言葉に対して「最高の音楽で私を上手く騙してくれて本当にありがとう」と、心の中で賛辞を述べたのです。

パチスロもまた然り。パチンコやパチスロに騙された青春時代をとうに過ぎた今でもなお、私を上手に騙してくれる機種を愛してやみません。ヒロトの言葉を今いちど借りるならば、ブルーハーツのパチスロには私を騙すほどの魅力が足りなかったのかもしれませんね。

 

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元・店長カタギリ
代表作:しくじり店長

シルバ〇アファミリーみたいに小さなパチンコ店の責任者から一転、 雑巾がけがメインの業務となってしまった事務員へとグレードダウン。 そんな設定①のスランプグラフのような半生を、隔週水曜日に連載させて頂いております。 タイトルは「しくじり店長」。 パチ屋の店長が平社員へと降格していく逆サクセスストーリーを、 海物語シリーズの泡リーチを見つめるような気分でお読みください。

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