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パチスロワイルドサイド-脇役という生き方-
2024.02.13
勃発、ゲッタマ大論争!!~5号機ゲッターマウス②~
前回のあらすじ
同じ媒体に所属する演者Cからの依頼を受け、5号機「ゲッターマウス」のネズミ狙いを調べることとなったラッシー。探り始めると、スグにその美しいリーチ目法則に気付く。ネズミ狙い手順はあっという間に完成したかに見えたが、ネズミ図柄を枠外に蹴ってオレンジB+ネズミBIG重複という謎の挙動を目撃し状況は一変。そこで思い出したのは、リール制御の〝とあるルール〟だった――。
前回(①)はこちら
脳が古い記憶を引っ張り出そうとフル回転しているのが分かった。しかし、リールを回しっぱなしにしておくわけにもいかない。冷静に中・右リールにネズミ図柄を狙うと、当然のごとくネズミ図柄が揃ってBIGがスタートした。
BIGの消化は体に任せ、脳は過去の記憶を引っ張り出すことに専念させる。
通常、ボーナスと小役が重複して成立すれば、どちらでも入賞できる形をとる。たとえば…
スイカ単独成立(非重複)
▲当然、揃えられるのはスイカだけ
スイカ+青7BB(重複)
▲スイカと青7どちらでも揃えられる
上記のように重複成立ゲームでは、プレイヤーが任意で小役とボーナスのどちらでも揃えられる形をとる。もちろん青7が引き込み範囲内にナイ場合は別となるが、重複時は〝どちらでも揃えられる形をとる〟ということが重要だ。
ボーナス優先制御ならボーナスを枠内に引っ張ってくる(もしくは枠内にとどめる)のは当然だが、これはゲッタマのような小役優先制御でも変わらない。
それ考えると…
▲左リール枠下にはネズミ
ゲッタマのコレでオレンジB+ネズミBIGは一見すると妙だ。左リールのわずか1コマ下にネズミ図柄がいるのだから。先述したルールに従うなら、左リール下段ネズミからオレンジが揃うハズである。
しかし、これには〝例外〟が存在する。
思わぬ反応。
編集N「ラッシーさんにはガッカリです」
――「はああ???」
件のネズミ狙い手順をエクセルにまとめ、編集部に送ったその翌日。俺は別件で編集部へ行ったのだが、そこでノーマルタイプ好きの後輩編集Nに捕まった。
編集N「こんなの記事にできません」
――「は? なんで?」
編集N「オレンジB+ネズミBIGなのに、なんでネズミ図柄を枠外に蹴飛ばすんスか?」
――「……やっぱそこか」
ため息が漏れた。
編集N「ラッシーさんはあまりノーマル担当しないから分からないと思いますけど、マコトさんやHさんならこんなミスしませんよ」
――「は~、言うねえ」
俺だってライター歴は十余年だ。後輩にここまで言われるとは情けない。
編集N「小役とボーナスの重複成立なら、どちらでも揃えられる形になる。常識でしょう?」
――「たしかに常識だね」
編集N「だからたまに重複確定の入賞形とかがあり得るわけです」
――「ちょ~、さすがに知ってるって」
編集N「じゃあオカシイじゃないスか! オレンジB+ネズミBIGなら、ネズミは必ず下段にいないと」
――「いや、キミは例外を見落としてる」
編集N「例外?」
――「キミが言ってるのは〝取りこぼしがある小役〟の話だ」
編集N「え? なにを言って…」
――「取りこぼしがない、100%入賞する小役なら話は別なんだ」
編集N「え…取りこぼしがない小役?」
――「そう。ゲッタマで言えばオレンジがそれにあたる」
編集N「他機種で言うベルみたいに、成立で絶対揃うヤツ?」
――「そうそう。それと重複した場合、成立ボーナスを枠内にとどめなくてもいいんだよ」
小役優先制御でボーナスと重複した小役が〝取りこぼしのない小役〟の場合、成立しているボーナス図柄を枠外に蹴っても構わないし、枠内に引き込んでくる必要もない。小役優先なら、どうせ100%小役が揃うのだから。
ボーナス優先制御なら文字通りボーナスが優先されるため、ボーナス成立後はベルのようなメイン小役であれ取りこぼす恐れが生じる。それはまた別の話。どちらの優先制御かを問わず、極力ボーナスも小役も揃えられるような制御をとるハズなのだ。
編集N「は? そんな…そんなルールないっスよ」
――「い~やあるね。俺の記憶が正しくば」
ライターや編集部員は、編集部に採用されたとて、誰かからシステムや制御を教わるわけではない。そしてもちろん制御に関する法律(〇号機)や内規(ルール)も、俺らに知らさることなどなく勝手に変わっていく。
法律や内規が変わったとき、何が変わって、何が変わっていないか。それを知るには自分で調べたり、仲間と知識を共有するほかない。要するに独学だ。
――「小役優先で100%こぼしがない小役なら、ボーナスが重複してても絶対に小役が揃うわけじゃん」
編集N「絶対に当該ゲームで小役が入賞するから、ボーナスは蹴ってもいいと?」
――「そういうこと。スイカやチェリー、1枚役なんかはこぼしアリだから違うけど」
編集N「……聞いたことない、そんなの」
つまり重複小役が…
取りこぼしの可能性アリ
⇒ボーナス図柄を極力枠内にとどめる
取りこぼしの可能性ナシ
⇒ボーナス図柄を枠内にとどめなくてOK
たしかに、ここ数年はこんな話をした記憶がナイ。5号機以降、ベルのようなメイン小役を取りこぼす機種はなくなった。そしてリール制御も1本になり、4号機時代とは比べ物にならないくらい単純になった。
これをツマラナイという人も多いが、逆に「すべてを理で説明できる」とも言える。たしかに出目のバリエーションは大きく減ったが、俺はその理が美しいとも感じている。
いや、そもそも脳の容量が小さいので5号機以降の制御のほうが理解しやすいというのも本音ではあるが。
編集N「なんか他に、そういう機種ありました?」
――「いっぱいあったハズ。5号機初期あたりかな。ハッキリ思い出せないけど」
俺にもそれを知るきっかけになった機種があったハズだ。何だったかは覚えていない。
編集N「まだ僕に知らないことなんてあるんでしょうか?」
――「ははは、それは俺には分からんね」
編集Nは分かりやすく頭を抱えている。
編集N「なにか…なにか確かめる術はありませんか?」
――「ん~~~」
こういったリール制御のルールを一発で検索できるサイトでもあれば話は早いのだが、知り得る限りでは存在しない。仮に存在したとして、我々ユーザーには知らされないうちに改定されていくだろう。
いずれにせよ攻略誌は確証がない限り掲載はしない。彼が納得できるソースを与えない限り、ネズミ狙い手順が掲載されることはナイと思っていい。誰か信頼に足る人物に証明してもらうしか……
――「あっ!」
編集N「どうしました?」
――「そういやパチスロの開発に友達いたわ!」
編集N「おお! 訊いてもらえます?」
――「もちろん! さっそくLINEしよ」
現役のパチスロ開発者なら、俺より遥かに説得力がある。俺の情報だって、知らぬうちに古くなっている恐れがある。現役の開発の人間であれば、現在の生のルールを知っているハズ!
ゲッタマの開発者ではナイし、そもそもユニバの開発者ですらナイ。けれど、適用されているルールはどこでも一緒。それなら……。
論争継続!?
開発X氏『あり得ません』
――「え?」
編集N「ほら~、だから言ったじゃないっスか~」
意外な返答を受け、俺はソファーにもたれかかった。後輩編集のNは満足そうに笑っている。
開発X氏『成立ボーナスを枠外に蹴飛ばすなんて、不親切だから許されません』
編集N「ほらほらほら! 常識的に考えてそうですって!」
――「い~や待てって。あったんだよ、たしかに」
編集N「ふははは、勝てんスか? 現役の開発さんに?」
――「クッ、まだ負けてねえ!!」
開発のX氏は俺と同世代だ。俺だって、あの〝例外〟を忘れていたのだ。X氏の記憶に残っていなくても不思議ではない。俺は諦めず、勤務中であろうX氏にLINEを連投した。
――『たしか昔そんな機種ありましたよ』
――『成立=入賞100%の小役ならボーナス蹴ってもいいってヤツ』
――『リプは小役じゃないから別なのは知ってる』
――『思い出してくださいよ~』
――『なんか制御ルール一覧みたいなの無いっスか?』
編集N「いや、もうテロじゃん」
――「うっさい! 俺だって妄想でそんなルール作らねえよ」
しばらく経って、X氏から返信があった。
開発X氏『ラッシーさんがそこまで言うなら上司に確認してみます』
――『じょ、上司!!? 勤務中じゃないの?』
開発X氏『はい、勤務中ですが』
――『む、ムリしないでくださいね~』
繋がった! 首の皮一枚で繋がった!!
――「見たかよ? 『ラッシーさんがそこまで言うなら』だよ。どこかの編集部と違って俺を信用してくれてんの」
編集N「いや、アナタがしつこいからでしょ」
しかし、なんだこの緊張感は? まるで受験の合否を待っているようではないか! これで『そんなルールは存在しません』と返事が来れば、俺はいよいよ大きな病院へ行かねばならない。
10分ほど経った頃、待ちに待った通知が届いた。
逆転、ラッシー無罪?
開発X氏『大変申し訳ございません』
――「おおん?」
編集N「ど、ど、ど…どういうことでしょう?」
――「上司に怒られたかな?」
2人でスマホの画面を見つめていると…
開発X氏『ラッシーさんのおっしゃる通りです』
――「っしゃ~~~、オラァ~~~!!」
編集N「ウソだ…そんな」
力強く拳を握った。後輩編集のNは「あり得ない」といった様子で、ソファーに体を預けている。
開発X氏『上司に確認したところ、たしかに取りこぼしナシの100%獲得できる小役であれば、成立ボーナスの図柄であれ枠外に蹴ってもいいとのことです』
――『ですよね! 良かった~』
枠外に蹴ってもいい、逆に枠内に引き込んで来なくてもいい。いずれにせよ、俺の認識は間違っていなかったらしい。
開発X氏『さすがです! 僕、知らなかったですもん』
――『いやいや、俺も忘れてましたから』
開発X氏『ただし…』
――『ただし???』
思わぬ追撃に緊張が走った。
開発X氏『近年はプレイヤーが誤解するような不親切な制御はヤメようという流れになっています。だから、現役機種でそれを採用するのは難しいと上司が言ってます』
――『ほほう…』
開発X氏『上司が言うには最近同じような制御を採用した機種が、そこを試験でツッコまれたケースがあるそうです』
編集N「……雲行きが怪しいですね」
――「そうだね」
現にゲッタマは〝ソレ〟を採用しているが…。やはり確証を得るには見せるしかないだろう。ならば……
パチスロ媒体のありかた。
翌日―――
後輩編集「画角、こんな感じでいいスか?」
――「そう、ストップボタンも映るように。じゃあ回して」
俺は後輩が構えるスマホのカメラに向かって語りかけた。
――「現在、ネズミBIG成立後です。オレンジB成立まで回しまーす」
単純な話だ。なにもオレンジB+ネズミBIGの重複当選を待つ必要はない。要はネズミBIG成立後にボーナスを揃えず、3枚掛けを続けてオレンジB成立を待てばいい。成立ゲームでも成立後でも、フラグがオレンジB+ネズミBIGなら制御は変わらない。
オレンジB確率 | |
---|---|
設定1 | 1/17.61 |
設定2 | 1/17.60 |
設定3 | 1/17.37 |
設定4 | 1/16.95 |
設定5 | 1/16.68 |
設定6 | 1/16.52 |
――「来ました。ネズミ枠外蹴って中段オレンジ揃い。念のためもう1回やります」
しばらくすると、再びネズミを蹴って中段でオレンジが揃った。それを確認するや、流れるように1枚掛けでネズミBIGを揃えた。
――「以上です」
後輩編集「はい、録画止めました」
――「ありがとう! さっそく開発さんに送るわ」
LINEで動画を送り、しばらくすると……
開発X氏『今、上司と動画を拝見しました』
――『上司さんと!? どうでした?』
開発X氏『間違いありません。確実にネズミを枠外に蹴ってオレンジ揃ってます』
――『ありがとうございます! それが聞きたかった』
開発X氏『いえいえ。しかしH(攻略誌)は素晴らしいですね!』
――『え? どうしてですか?』
開発X氏『このAT機時代に、まだリール制御で編集とライターが言い争うとか』
――『ははは、お恥ずかしい』
開発X氏『いや、そんな情熱を持ち続けてることが凄いって上司と話してたんですよ』
――『いやいや、ずっとガキのままなんスよ俺ら』
開発X氏『いえ、パチスロ媒体として素敵だと思います』
――『はは、今度一杯おごらしてください』
開発X氏『はい、喜んで』
こうしてネズミ狙い手順も無事に誌面へと掲載される運びとなり、調査を依頼してきた演者Cへも共有されることとなった。
数週間後――
俺はすっかりネズミ狙いにハマり、その日もマイホでゲッタマを打っていた。すると……
少年「すみません、ラッシーさんスよね?」
――「あ~……はい」
少年「やっぱそうだ!」
もはや主流となった中押し手順でゲッタマを打っていた隣の少年が声を掛けてきた。売れっ子ライターならよくあるのだろうが、俺をラッシーだと認識したうえで声を掛けてくる人は珍しい。アゴか? アゴで気付かれたのだろうか?
少年「ゲッタマをそんな変な打ち方する人、ラッシーさんぐらいしかいないっスもん」
――「いや変て!! ……簡単だけど知りたい?」
少年「めっちゃ知りたいっス!」
――「じゃあ、まず左リール中・下段にネズミ狙って…」
俺にはCSにもYouTubeにもレギュラー番組なんてない。動画に出てないライターは、こうして今日もひっそりと生きているのである。
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- ラッシー
- 代表作:パチスロワイルドサイド -脇役という生き方-
山形県出身。アルバイトでCSのパチンコ・パチスロ番組スタッフを経験し、その後、パチスロ攻略誌編集部へ。2年半ほど編集部員としての下積みを経て、23歳でライターに転身。現在は「パチスロ必勝本&DX」や「パチスロ極&Z」を中心に執筆。DVD・CS番組・無料動画などに出演しつつ、動画のディレクションや編集も担当。好きなパチスロはハナビシリーズ・ドンちゃんシリーズ、他多数。
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ちなみに○○チャレンジを持つAプロ機種のチェリーや、変則押し時のベルにもこっそりこの法則が適用されてますかね?
チェリーは左から挟んでボーナスがテンパイしないのが多分これで。変則押しするとチェリーをこぼすので、ボーナスも引き込みます。