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- ST仕様を隠した理由が想像より深かった。隠すことも優しさと知った『パチスロ バイオハザードRE:2』開発者インタビュー!
名機のそこ~マコトのメーカー開発インタビュー~
2023.04.24
ST仕様を隠した理由が想像より深かった。隠すことも優しさと知った『パチスロ バイオハザードRE:2』開発者インタビュー!
「今度のパチスロ バイオはボーナスが増殖する」
その仕様に心が踊った。上乗せされたゲーム数だけでなく、ボーナスまでも増殖させてしまうなんて考えもしなかった。いや、『増殖』というシステムはパチスロ バイオシリーズの代名詞だ。ゲーム数の増殖が定着した今、次のターゲットがボーナスになるというのは至極当然の事なのかもしれない。擬似ボーナスだからこそ実現できた新たな増殖に、どこか背徳感にも似た興奮を覚えたのは俺だけじゃないと思う。
ただ、「パチスロ バイオハザードRE:2(以下、バイオRE2)」のゲーム性はちょっと複雑だった。
通常時は武器の概念があり、それとは別に心音という概念もある。心音は青・緑・赤・紫の4段階で、その色によってCZ当選率が変化するうえ、中身はST仕様だというじゃないか。その情報を耳にして少し身構えてしまった。でも、ホール導入直後から周囲の評価は高かった。ゲーム性は複雑だけど、実際打ってみるとそれを感じることなく消化できるし、なにより面白いという声をよく聞いた。それほど多くの人を唸らせるゲーム性であるのであれば打たない手はない。
なるほどね、これは面白い。
通常時は心音が上昇するたび拳にチカラが入った。リプレイを引ければ現状維持以上で、心音アップにも期待できる。さらに液晶に何かしらの変化が起きれば、リプレイ以上濃厚。とにかく何か起こってくれという感情全開でレバーを叩けるのがアツかった。また、そのST状態をキープ・昇格させるメイン契機がリプレイという手軽なフラグなのも良い。
もちろん、通常時のシステムも面白いんだけど、やっぱりバイオRE2と言えば、AT中のボーナス当選後に待ち受けるパンデミックチャンスだ。最早説明不要だと思うけど、ここの自力感が気持ち良いし、見せ方も抜群に上手い。リプレイ・弱チャンス目成立時に15枚ベル成立を匂わせる押し順ナビを出すことがあるとか本当に良い意味でいやらしい。
ボーナス中の赤7揃いの一部が増殖するところに惹かれたはずなのに、気付けば他の要素にもどっぷり。もうバイオRE2という名機がどうやって作られたかを聞かずにはいられなかった。ということで、今回は「アデリオン(CAPCOMグループ)」でバイオRE2の開発に携わった5名と、販促を担当されたユニバーサルから広報の山本氏を迎え、総勢6名(DさんEさんはオンラインで参加)にお話を聞かせて頂きました。名機のそこ始まって以来の大規模インタビューです。
目次読みたいところまで飛べます
▲実は前作パチスロ バイオ7リリース前から開発がはじまり、初代バイオの影響を多く受けているとのこと
★開発コンセプト
・リアルタイムサバイバルホラーがコンセプト
★開発開始時期
・パチスロ バイオハザード7(以下、バイオ7)のリリース前に開発が始まった
まずはバイオRE2を開発するうえでのコンセプト・テーマを教えて下さい。
【バイオRE2開発者Aさん】
「バイオRE2のコンセプトをひと言で表すなら『リアルタイムサバイバルホラー』です。ユーザーにはゲームをプレイしている感覚で遊んでもらいたく、何かを見つけたり反応があればその流れに沿って進行していく、という作りにこだわりました」
ちなみに開発期間はどれぐらいなんでしょうか?
【バイオRE2開発者Aさん】
「ホールに導入されるまでって考えたら3年ぐらいですね」
【バイオRE2開発者Bさん】
「バイオRE2の開発が始まったのはバイオ7が世に出る前だったんです。なので、バイオ7がヒットしたから新たなバイオシリーズ出そうという考えで作られた台ではないんです」
アデリオン1発目のバイオ7は長期稼働しましたもんね。でも、それを受けてバイオRE2が作られたわけではないと。
【バイオRE2開発者Aさん】
「バイオRE2のコンセプトとかゲーム性がある程度固まった時にバイオ7の稼働がすごい! という話になりまして。周囲からバイオ7の路線で行かないの? という圧はありましたね(笑)」
それはものすごいプレッシャーですね。
【ユニバーサル山本氏】
「台を売りに行く営業マンからすると、バイオ7のヒットがあるので、同じ路線で開発してもらえていると案内しやすいですね」
【バイオRE2開発者Bさん】
「とはいえ、バイオ7とは違うシステム・ゲーム性で開発する前提で話は進んでましたし、そうじゃないといけないとも思っていました。あと、ボーナス中の純増枚数を高くするという話もあったんです。そうすれば営業さんももっと売りやすかったのかなとも思うんですけど、それをするとボーナスの消化ゲーム数が短くなってしまって、パンデミックチャンスで得た上乗せ率アップとか、増殖当選率アップを生かせなくなりそうだったので、結局純増4.5枚に落着きました」
感染したボーナス中が叩きどころなのに、すぐ終わってしまうと消化不良になりそうですもんね。
★開発期間
・約3年の開発期間
・その間に6.0号機、6.1号機、6.2号機、6.5号機と変遷している
・根幹にあるゲームプレイ感は変わらずに進行
・仮にスマスロで開発すると、根幹のゲーム性を変更せざるをえなかった
ちなみに、先ほど開発期間は3年という話でしたけど、開発が始まったタイミングでいうと6.0号機時代ですよね?
【バイオRE2開発者Cさん】
「そうです。ただ、バイオRE2が世に出る頃にはいろいろと内規が変更されているだろう、という話が出ていたので、その都度対応して結果的に6.5号機でリリースしたという感じです」
【バイオRE2開発者Aさん】
「その中でもリアルタイムサバイバルホラーという根本の部分と、AT中ボーナス当選後のパンデミックチャンスは開発当初からの構想で、最初から最後まで変わりませんでした」
バイオRE2の肝になる部分は最初から出来上がっていたということなんですね。
【バイオRE2開発者Aさん】
「そうです。リアルタイムサバイバルホラーとひと言で言っても伝わりづらいとは思うんですけど、ゲームのプレイ感をパチスロで表現したかったんです。例えば、武器を獲得する演出がありますよね? 普通の機種だとその演出を1Gで完結できるんですけど、ゲームをプレイしている感覚に近づけるために、数ゲームかけて武器を獲得できたかどうかという見せ方をしているんです」
▲武器獲得演出などにもゲームプレイの感覚に近づけるための工夫が隠されている
毎ゲーム場面が変わるのもバイオシリーズならではだと思います。
【バイオRE2開発者Aさん】
「原作を再現するために、他機種とは一風変わった見せ方にすることは心掛けました」
先ほど、内規の変更に対応しつつ結果的に6.5号機で出したという話を伺いましたが、6.2号機やそれ以前にリリースするという話もあったりしたんでしょうか?
【バイオRE2開発者Bさん】
「やはり、6.5号機が世に出てる状況で6.2号機をリリースするとなると、どうしても売りづらくなるので、内規が改定されるたびになるべく早く対応して、修正してという流れはありました。そのなかで6.5号機で出せたらいいよね、という話にはなっていました」
スマスロ化に関しての話も出たのでしょうか?
【バイオRE2開発者Aさん】
「スマスロも検討はしました。ただ、スマスロになるとどうしても出玉性能が注目される流れがあったので、バイオRE2のゲームバランスを考えると、このままではスマスロにはできないなと判断しました。もしスマスロにしていたら、ボーナス中の純増枚数が7枚とかになったり、CZクリアでATではない別の何かを挟ませる…というものになっていたかもしれません」
【バイオRE2開発者Bさん】
「そうなると、それまでに考えていたものとは違うなってなったので、じゃあこのままのゲーム性で行こうという決断をしました。ただ、他メーカーさんのスマスロは恐怖でしたね。全部のお客さんを持っていっちゃうんじゃないかと思ったりもしたので…。バイオよりもリアルタイムホラーでした」
一同笑い
★ST仕様を液晶上で表示しない理由
・STは面白さの裏にストレスが存在する
★STの示唆
・心音が上がって4G経過するとサイドランプが点滅→転落ピンチ
・その状態でリプレイを引くと点灯に戻る
★武器の所持ゲーム数
・ゲーム数表示ではなく、メーター表示なども試作した
液晶演出で通常時のST仕様のゲーム性をキャラに解説させなかったり、ST自体のゲーム数を表示しなかった理由を教えて下さい。
【バイオRE2開発者Cさん】
「STって面白いと思う反面、ストレスのあるゲーム性だと思うんです。なので、ゲーム数を目に見える形にしちゃうとどうしてもそこにしか目が行かなくなって、ストレス過多になると思い、液晶にゲーム数を表示するだとか、何か別の形で表現するというのはヤメました」
カウントダウンする数字はプレッシャーになりますもんね。
【バイオRE2開発者Cさん】
「そうなんです。液晶で何かしらの変化があればチャンスだし、リプレイを引けば何かが起きるというゲーム性を楽しんでもらうのが一番良いかなと思い、STを採用しつつもそれを表に出さない方向にしました」
STのゲーム数は表示した方がいいという声はなかったんでしょうか?
【バイオRE2開発者Cさん】
「これだと分かりづらいよねという話は出ました。でも、STを全く表現していないわけではないんです。心音が上がって4G経過するとサイドのランプが点滅して、転落のピンチを告知しているんですよ。その間にリプレイを引くとまた点灯状態に戻るという演出があるんです。……全然浸透してないですけど」
全く気付いてなかったです……。
【ユニバーサル山本氏】
「開発側としてはユーザーさんに打ち込んでもらってゲーム性に気付いてほしいという意図はあったと思うんですけど、さすがに何も情報を出さないと、ユーザーさんもバイオRE2の面白さに気付かないまま離れてしまう可能性もあると思って、心音はSTタイプであり、STのゲーム数は6Gという情報を公開したという背景があります」
難しいところですよね。作り手の意図と打ち手の意図が必ずしも一致するとは限らないですし。とはいえ、導入前に心音はSTであり、そのゲーム数が6Gと分かって打てたというのがバイオRE2が流行った理由のひとつだとも思います。
【バイオRE2開発者Bさん】
「でも、葛藤もありました。以前、このメンバーで作っていたのが通常時からCZの勝率を全面に押し出す台だったんです。ここのみんなはガチで抽選しているタイプの台が好きなんですけど、その以前作った台に対して『勝率が見えるからこそ失敗した時が辛い』という声が大きかったんです。そういう背景があって、バイオRE2は敢えて数字やゲーム性を隠す仕様にしたんです」
【バイオRE2開発者Cさん】
「隠すことも優しさだなと思いました」
経験から生まれた名言ですね! そういえば、心音のSTゲーム数は敢えて表示しないというのに対し、武器の所持ゲーム数をサブ液晶に表示した理由はなんだったんでしょうか?
【バイオRE2開発者Aさん】
「どちらかというと、武器のゲーム数を表示したので心音のSTはゲーム数を表示しなかったという感じです。どちらもゲーム数を表示しちゃうと数字ばかりが目立ってしまって、分かりづらくなることを懸念しました」
【バイオRE2開発者Cさん】
「最初はゲームの世界観を重視して、武器もゲーム数じゃなくてメーターで表示したりしてたんですよ。でも、メーターだと気が付いたらメモリが無くなってて武器を持ってないってことが多くて、これはさすがに分かりやすいゲーム数表示にしようという話になりました」
【バイオRE2開発者Bさん】
「武器のゲーム数表示にしたのは終盤でした。それまでにいろんなメーターを作りましたから」
いろんなメーター(笑)。
【バイオRE2開発者Aさん】
「毎ゲームメモリが減っていくのとか、メモリ自体が少なくて数ゲーム消化するとメモリが減るタイプとか(笑)」
【バイオRE2開発者Bさん】
「もしメーターを搭載してたら営業さん泣かせな台だったと思います」
【ユニバーサル山本氏】
「いや充分に営業・販促側からすると泣かされました。いろんな要素があって資料に落とし込みづらいですから(笑)。でも、単純に映像を見て打ってもらえればそれだけで楽しめるんですよ。まずは武器を持っていればチャンスで、ゾンビを倒せば心音が上がって、その先にCZがある。ゲームをプレイしている感覚で打てばすごく分かりやすいと思います。実際、初めて打たれた狩野英孝さんもゲームと同じ感覚ですぐに理解されて楽しんで下さいましたしね」
▲EIKOがパチスロ「バイオRE2」を先行プレイするぜ!!
それだけ演出の見せ方が上手いという事だと思います。内部的な抽選に関することを考え出すと複雑ですけど、演出さえ見ていれば感覚的にゲームの流れを理解できますもんね。
【バイオRE2開発者Dさん】
「バイオRE2って導入当初はゲームに入り込んで打てたと思うんですけど、心音がST仕様だという情報が浸透したあとだとユーザーの感覚も変わってきたと思うんですよ」
それはあると思います。演出だけでも楽しめるけど、中身を知るとよりアツくなれるという感覚はありましたよね。
▲リプレイ・レア役で昇格抽選する心音
★心音昇格前兆中の法則
1.リプレイ・レア役を引いた場合
・「AT直撃抽選→タイラントバトル抽選(高確中)→CZ抽選→心音昇格抽選→ミッション発展抽選」の順で抽選される。
・武器獲得抽選は行われない
★前兆中のリプレイ入賞音変化の法則
1.前兆移行時のリプレイによる心音アップを示唆or入賞音が変化したリプレイでの心音アップを示唆
・入賞音が変化したリプレイでの心音アップ示唆の方が多い
★心音の色と内部状態
1.基本的には心音の色と内部状態はリンク
2.前兆中で心音青でリプレイ入賞→内部的に緑に昇格/見た目は青のまま→内部では緑状態で各種抽選を受けている
3.心音状態は見た目の色以上の状態にいる
では、続いての質問なんですが、心音昇格前兆中のリプレイによる心音抽選の詳細を教えて頂きたいです。
【バイオRE2開発者Cさん】
「心音昇格前兆中にリプレイ・レア役を引いた場合は、まず最初にATの直撃抽選が行われます。タイラント高確中であればタイラントバトルの抽選も行われ、さらにCZ抽選も行われます。それらをスルーした場合は心音をもう1段階上げる抽選も行われ、最後にミッションに発展するかどうかの抽選が行われます」
武器の抽選は行われないということですか?
【バイオRE2開発者Cさん】
「武器獲得抽選は行われません。全部で5つの抽選が行われるんですが、順番に抽選されるので、最初にATが当たった場合はそれ以下の抽選は行われません」
【バイオRE2開発者Bさん】
「ちなみに、前兆中はレア役を重要視した作りになっていまして、前兆中にレア役を引いた場合って、その後の挙動に注目する人が多いと思うんです。なので、前兆中のレア役成立時は高確率で何かが起こるような設計になっています」
【バイオRE2開発者Cさん】
「バイオRE2は演出を優先した作りになっていまして、とにかく演出の見せ方にこだわったんです。で、前兆中にレア役を引いたのに実はフェイクで『誰もいない』『何もない』という演出が頻出したらマズいよね、という話になったんです。なので、前兆中のレア役は強くしてあります」
なるほど。ちなみに、前兆中にリプレイの入賞音が変化することがありますが、入賞音変化は前兆移行時のリプレイによる心音アップを示唆しているのか、それとも入賞音が変化したリプレイでの心音アップを示唆しているのでしょうか?
【バイオRE2開発者Cさん】
「どちらの可能性もあります。でも、入賞音が変化したリプレイによる心音アップの可能性の方が高いです。とはいえ、どちらで上がったかは見抜けないようになってます」
ありがとうございます。心音の色は基本的にリンクしていると思うんですけど、ここはリンクしていないという状況や法則があれば教えて頂きたいです。
【バイオRE2開発者Cさん】
「基本的に心音の色と内部状態はリンクしています。ただ、例えばですけど心音青でリプレイを引いて心音が緑に上がったとするじゃないですか。その場合、外見上は青のまま前兆が始まりますが、内部的には緑の状態で諸々の抽選が行われます」
心音アップ本前兆中の仕様ですね。
【バイオRE2開発者Cさん】
「そうです。あともうひとつありまして、武器を獲得する前兆と連続演出発展時の前兆中に引いたリプレイ・レア役で心音が上がった場合は、心音アップの告知が発生しません」
そうなんですね。じゃあ、たまに心音が2段階上がることがありますけど、告知されなかった心音アップの帳尻合わせだったりするということですか?
【バイオRE2開発者Cさん】
「その可能性もありますし、心音アップの前兆中に引いたリプレイで2段階上がった可能性もありますね」
つまり、演出で見せている心音以上の状態には必ずいるということですね。
【バイオRE2開発者Cさん】
「そうです。心音の色以下の状態にはいません」
▲「200G/400G/600G/800G」消化時に移行抽選が行われるタイラント高確。足音で滞在示唆を行うが……
★タイラント高確の法則
1.CZ失敗後にも足音演出が発生すればタイラント高確滞在濃厚
2.2回目以降の足音演出がリプレイ成立時に発生すれば、タイラント高確滞在濃厚
続いてはタイラント高確についてなんですが、タイラント高確移行が濃厚になる演出パターンは存在するのでしょうか?
【バイオRE2開発者Cさん】
「あります。実はタイラント高確を示唆する足音演出が発生している状況下で、CZを失敗して、それ以降も足音演出が発生すればタイラント高確滞在濃厚です」
フェイクだった場合はCZ失敗後に足音が鳴らないんですね。
【バイオRE2開発者Cさん】
「鳴りません。ちなみに、タイラント高確は30G固定なんですけど、CZ中はゲーム数の減算が止まるので、失敗時もその後にタイラント高確を消化できます。あと、もうひとつありまして、1回目の足音演出って201Gとか401Gとか、タイラント高確の入口の次ゲームで鳴るんですが、2回目以降の足音がリプレイ成立時に鳴ればタイラント高確滞在が濃厚になります」
えー、そんな法則があったとは。百の位が偶数ゲームを超えた際は2回目以降の足音が鳴った際の成立役を要チェックですね。
★CZスルー回数天井到達時の『サービスよ』ボイス法則
1.前半パートでCZクリアした場合、ボイスは発生しない
2.スパークショットを所持し、レア役でクリアした場合、ボイスは発生しない
続いてはCZ関連の質問です。CZスルー回数天井到達時はCZ成功時にサブ液晶タッチでエイダの「サービスよ」というボイスが発生しますが、スルー回数天井であれば必ずエイダのボイスが発生するのでしょうか?
【バイオRE2開発者Cさん】
「スルー回数天井到達時もボイスが発生しないケースはあります。後半パートであるバトル突入前にCZをクリアした場合は、サブ液晶を触ってもボイスが発生しません」
そんな法則があったとは。前半パートでレインボーに到達した場合とかですよね?
【バイオRE2開発者Cさん】
「そうです。前半での勝利確定は、スパークショットを持っていた場合は起きやすいかもしれませんね」
※前半で当たった場合の例えですので、スパークショットの有無は関係ありません。
序盤でATが当たると嬉しい反面、天井か否かを見抜けなくなるケースがあるんですね。
★設定変更時の挙動
・設定変更時にCZスルー回数天井や4thチャレンジ成功率は優遇されない
続いては設定変更時の挙動についてなんですが、設定変更後はCZのスルー回数天井の振り分けが優遇されていたり、初当り時の4thチャレンジ成功率が優遇されているなどの措置があったりしないのでしょうか?
【バイオRE2開発者Aさん】
「CZスルー回数天井は優遇されてないです。4thチャレンジ成功率も2回目以降の初当り時と同じです」
そこは状況問わず変わらないんですね。
▲初回ATにボーナスを付けるか否かは相当悩んだとか……
★AT初当りにボーナス
・駆け抜けてしまった場合の獲得枚数を100枚以下にしたくなかった
・ボーナスなし、4thチャレンジなしの案もあった
★警察署の存在
・全てを優遇することはできないので、警察署ステージには悪者になってもらった
ここからはATについてお聞きしたいのですが、まず、AT初当り時にボーナスを付けた理由を教えて下さい。
【バイオRE2開発者Eさん】
「ここはかなり悩んだところなんですけど、AT終了時の獲得枚数を100枚以下にしたくなかったからです」
【バイオRE2開発者Cさん】
「初回のボーナスなし、4thチャレンジもなしにしようという話もあったんですよ」
えー、4thチャレンジは欲しいです。今のバイオRE2を知っている身としては。
【バイオRE2開発者Eさん】
「ボーナスや4thチャレンジを担保しなければ、AT中の抽選をもう少し優遇できたので、ここはかなり悩みました。それこそ警察署ステージはやれないという声が多いですけど、そこの抽選値を上げたり、ボーナス2回目以降の警察署選択率を下げることもできたので」
とはいえ、やれなかった時の獲得枚数も大事だよなという感じだったってことですね。
【バイオRE2開発者Eさん】
「そうです。警察署ステージに関してはもう少しフォローしようと思えばできたんですけど、全部の要素を均すより1つ悪者になる要素がある方がいいかなとは思ったんです。とはいえ、一応希望は持ってもらえるように、外見は警察署ステージでも内部的には上のステージに滞在している可能性はあります」
人気が出る台には付いて回る要素ではありますよね。全ては優遇できないので、必要悪的な。
【バイオRE2開発者Bさん】
「逆に警察署ステージ以外から始まった場合はやれる感があるようには設計しました」
分かります、下水道めちゃくちゃ好きですもん(笑)。
★演出テーマはパニック
・押し順ナビ矛盾やBGM変化はパニックを表現する存在
・ある程度完成してから演出面は試行錯誤していった
★プレミアム演出
・開発最終段階でプレミアム演出を搭載、調整した
・比較的プレミアム演出出現率を高くしてある
【パチ7ライター:ツバサ】
「あの、僕からもいいでしょうか?」
そうだ、今回は『設定6挙動考察』でお馴染みのガチ勢であり、バイオRE2の高設定を打ちまくっているツバサくんにも同席してもらっていました。少し前に公開されたフィギュアのデータ記事はすごかった。
【パチ7ライター:ツバサ】
「AT中のナビ矛盾の使い方がすごく秀逸だと思うんですが、こういう演出は開発初期から考えられているのでしょうか? それとも、ある程度完成して打ち込んでから組み込むのかどちらなんでしょうか?」
【バイオRE2開発者Eさん】
「バイオRE2は後者ですね。打っていくなかで押し順ナビによる矛盾を搭載していきました。そういう細かい演出ってメインのゲーム性との相性が大事だと思っているので、打ちながら探ることも多いです」
【バイオRE2開発者Cさん】
「特にバイオRE2は打ちながら演出を調整していきました」
【バイオRE2開発者Eさん】
「今作でいうとパニックをテーマにしているので、BGMの変化であったり、押し順ナビによる矛盾がそこに合っているからこそ搭載しました」
【バイオRE2開発者Aさん】
「基本的には打ちながら調整する機種が多いですね。特にバイオRE2は最後の方にプレミア演出を追加しました(笑)。ちなみに、そういう当たり濃厚パターンが多いのってどうですか?」
【パチ7ライター:ツバサ】
「個人的には未だに見たことがない演出に遭遇して驚くことが多いので、飽きがこなくて楽しめてます」
プレミア演出が多くてもその占有率がそれほど高くないと感じているので、全然アリだと思います。
【バイオRE2開発者Aさん】
「でも、今作は結構高くしてあるんですよ」
【バイオRE2開発者Eさん】
「AT中の演出バランスは最後の最後の最後まで調整したんですよ」
【バイオRE2開発者Cさん】
「たしかに結構上げた記憶はありますけど、どこをどうしたか覚えてないぐらいめちゃくちゃ試行錯誤したんですよ」
【ユニバーサル山本氏】
「昔はプレミア演出って本当に出現率が低くて、見せる気ないだろうって機種が多かったと思うんですけど、今は販促の時点でこういうプレミア演出がありますって出してあげて、じゃあ実際ホールで見てみたいって思ってもらうのがトレンドな気がします」
たしかに、プレミア演出って多いにこしたことはないかもですね。
【バイオRE2開発者Aさん】
「今作のプレミア演出はレインボーとかエンタライオンとか露骨なのは少なくて、実はボーナス濃厚パターンっていうのが多いんで、それに気付いてもらえたら嬉しいです」
【バイオRE2開発者Eさん】
「露骨なのは……AT中のプレミアムハザードラッシュ当選パターンとかですかね」
ボーナスの前兆中、主に強レア役で昇格抽選をしているやつですよね?
【バイオRE2開発者Eさん】
「そうです。ストップタイムゾーン中にレオンのカットインがあるんですけど、それがレインボーならプレミアムハザードラッシュ濃厚ってやつですね」
【バイオRE2開発者Cさん】
「ライターさんの動画で見ましたよ。俺、感動しましたもん。出るんだこの演出…って(笑)」
【バイオRE2開発者Eさん】
「えっ、マジっすか!? 出るんだアレ」
一同笑い
プレミア演出の発生率を上げても、シチュエーションを考慮したらなかなか見られない演出でしょうね。
★フィギュアカスタム
・カスタム機能は搭載していない
・フィギュアの出現率を変動させたくなかった
★フィギュア履歴
・ユーザー目線で考えたとき、あったほうが嬉しいはず
・消せる仕様など議論を重ねた
次はフィギュアについてです。フィギュアの選択率や出現率を変えられるカスタム機能は存在するのでしょうか?
【バイオRE2開発者Aさん】
「カスタム機能は搭載していません」
搭載しなかった理由を伺ってもいいですか?
【バイオRE2開発者Cさん】
「フィギュアの出現率を変動させたくなかったというのがあります」
なるほど。ちなみに、これまでの演出と違って打ってる人や周囲の人だけが認識できるものではなく、誰もが出現した内容を全て確認できる仕様にした意図を教えて頂きたいです。
【バイオRE2開発者Aさん】
「履歴を残すかどうかの議論はめちゃくちゃしました」
【バイオRE2開発者Dさん】
「途中で消せる仕様にしようか、という案もありましたね」
【バイオRE2開発者Bさん】
「消したり、カスタムできる機能を入れてしまうと、なにがなんだか分からなくなりそうだと感じていたのでカスタム機能はナシにしました」
【バイオRE2開発者Aさん】
「ユーザー目線で考えたときに、あったら喜ばれそうだと感じたというが最大の理由です。あとは自分たちが欲しかった機能でもあります」
誰もが確認できる機能だから、ホールさんに上手く運用してね……という意図はなかったんでしょうか?
【バイオRE2開発者Cさん】
「それはなかったですね」
【バイオRE2開発者Aさん】
「もしそういう思惑があったら、それを即答してました(笑)」
一同笑い
【バイオRE2開発者Bさん】
「自分たちがあったら良いなって機能をいろいろ考えて搭載した感じです。一覧で見られるので写真も撮りやすいですし」
【バイオRE2開発者Aさん】
「ユーザー目線であるが故に、結構なチャレンジでしたよね」
ユーザー的には嬉しいけど、ホールからは嫌がられてしまう可能性もあったわけですもんね。稼働すればするほどそのホールの傾向が見えてくるんですから。
では、次が最後の質問です。導入からこれまでのバイオRE2の稼働状況をみて思うことはありますでしょうか?
【バイオRE2開発者Bさん】
「導入当初はバイオ7の存在もあって怖かったという気持ちがありましたけど、導入から1か月以上が経過した時に動画のアップ数が多かったんです。そこで手応えを感じましたし、今でも稼働があるのは純粋に嬉しいです」
【バイオRE2開発者Cさん】
「ほとんどBさんが言ってくれたんですけど、スマスロで盛り上がっていた時期でもあったので、スマスロと比較されることは怖かったです。でも、稼働もそれほど変わらず動いてくれたのは本当に良かったです」
【バイオRE2開発者Eさん】
「自分も同じ気持ちではあるんですけど、パンデミックチャンスは絶対に面白いという自信はありました」
かっこいい。実際、パンデミックチャンスが受けた要素でもありますもんね。
【バイオRE2開発者Eさん】
「1個自信を持って誇れる武器があったので、稼働がどうなるか分からないな、不安だなという状況まではいってなかったです」
【バイオRE2開発者Dさん】
「通常時の演出の仕組みとか、増殖の表現などを新しい表現でやっているので、今までにないものを搭載しているから自信はあったんですけど、その反面少し不安もありました。だからこそ、世に出てからの評判を聞いたら自信にもなったし、反省にもなりました。あと、動画がアップされる度にライターさん、演者さんのリアクションを見て、これが刺さるんだっていうのが分かったのが勉強になりました」
【バイオRE2開発者Aさん】
「6号機になってから開発者が満足のいくスペックの台が作れない状況が続きましたが、6.5号機からそれも払拭されだしましたし、アデリオンとしてはバイオ7が作った良い波に乗れて良かったと思っております」
稼働だけでなく、動画のアップ数が増えるというのも、人気機種のトレンドなんでしょうね。皆様、本日はお忙しいなか、長時間対応して頂きありがとうございました。
本文では触れていないけれど、バイオRE2の開発者は誰もバイオ7には携わっていないとのこと。バイオ7の存在を怖がっていたのはそういう背景もあったんだと思う。
とはいえ、バイオ7とは全く異なるゲーム性でこれだけの稼働を生み出したバイオRE2は名機だと思うし、開発者の皆さんが言っていたように演出の見せ方、この部分の完成度が本当に高いんだと思う。STのゲーム数を表示しないのもそうだし、中身を知らなくても演出を見ていればゲーム性を理解できるという仕様なのもそう。この話を聞いて、敢えて何も考えずにバイオRE2を打ってみるのもアリかもしれないと思ったほど。
あと、個人的に嬉しかったのが、開発者の皆さんが自分たちが見たいという理由でフィギュアを搭載したこと。やっぱり、名機っていうのはユーザー、打ち手目線であるからこそ生まれるんだなと改めて感じたインタビューでもあった。
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岐阜県出身。3本のリールが織り成す出目演出に魅せられて、当時読者だったパチスロ必勝本に携わる仕事ができたらなという気持ちで履歴書を送付。無事、ライターとして採用してもらい、ほぼパチスロライターという仕事しか経験したことのない男が生まれてしまう。現在はパチスロ必勝本などを中心に執筆しているほか、DVD・CS番組・ネット動画などにも出演中。とにかく出目でアツくなれる機種が好き。
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