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パチスロ攻略ライターの思考ルーチン
2022.07.12
パチスロライターに“なってしまう”まで。episode.18(グランシエル〜前編〜)
集大成。春には、パチスロライターになっている予定です。
しかし、ここまでも自分流の打ち方を模索したりもしていましたが、いまいちスッキリしないのです。いろいろなメーカーの機種も打つようになった。まだ残っている古い機種も遡って“今の感覚で”調べ直してもみた。ただ、それは興味が向いた方向を選べたのであって、指定された機種ではありません。
「よし、次のアルゼ(ユニバーサル)系の新機種は、他の人に説明できるくらいにはなろう。好むと好まざるに関わらず」そう決心して迎えた2000年。アルゼ系では、『グランシエル』と『デュエルドラゴンR(&2)』の全国発売が2月に決定します。
▲『グランシエル』(アルゼ:2000年2月)
「好むと好まざるに関わらず」です。どう考えても『クランキーコンドル』から続く鳥一族の末裔、しかもBIGで平均450枚(設定によって異なる)と準大量獲得のノーマル機だった(確率が悪くなりすぎない)『グランシエル』は好みです。
▲『左:デュエルドラゴンR』『右:デュエルドラゴン2』(アルゼ:2000年2月)
それに対して『デュエルドラゴン』のうち多く導入されそうだった『〜R』。こちらはアルゼ系初の液晶を搭載しているノーマルで、BIG獲得枚数は500枚超の大量獲得機。『〜2』のほうもゲーム性などは同じですが、BIGは400枚クラスとなっていました。なお、見分け方ですが、筐体の枠が金色ならば『〜R』。銀色ならば『〜2』です。スペック的には好みでしたが、設置が少なかったんだよなあ。
▲『ゲゲゲの鬼太郎』(サミー:2000年1月)
初の液晶搭載機『ゲゲゲの鬼太郎』も登場しており、パチスロの形が変わろうとしていた瞬間。今の感覚であれば『デュエルドラゴンR』を打ちまくるのが正解だったようにも思えます。液晶に何か変化があったらチェック。かなりシンドいんです。予行演習しておくべきでした(笑)。
そう書いているように“パチスロ生活者“として最後の主戦機種に選んだのは『グランシエル』でした。「全国発売が2月に決まった」と書きましたよね。実は、その前年から触れるテスト導入店が身近にあったのです。ということで、フライング気味に『グランシエル』の確認スタートです。
★ループフラッシュを攻略せよ!
基本はBIGが450枚タイプのノーマル機。鳥一族の末裔ということで、多彩なリーチ目も持っていましたが『グランシエル』には、他の機種にない大きな特徴がありました。メダルを1枚入れた瞬間から五月蝿いのもありましたが……
予告音発生時のループフラッシュとウイニングフラッシュの絡み、です。うん、確か誌面ではそう紹介されていたかと。ウイニングフラッシュとは『サンダーV』よろしく全リール停止後の小役示唆バックライトフラッシュのことです。まだこれは今時の方も想像しやすいでしょう。
もう一方のループフラッシュは、第一停止時、第二停止時に発生する小役示唆バックライトフラッシュとなっていました。ゲームの流れとしては、最終停止までループフラッシュが発生していて、最終停止ボタンを離した瞬間にウイニングフラッシュに切り替わる。そんな形になっていました。
これだけでもややこしい香りがするのに、このループフラッシュ、BGMによっては第一停止と第二停止で変化したんですよ。アルゼ系らしく「予告音+リプレイ」はボーナス成立後だったので、第一停止時にループフラッシュがリプレイ対応のもので、かつループフラッシュが変化しないBGMが流れていたらその時点でボーナス確定となったり。
かなり調べましたよ(当社比)。いや、当時の演出って“あくまでも補助”だったんです。演出を極めてボーナスをいち早く察知できるようになれば、それだけ(無演出でも当たる)リーチ目を発見しやすくなります。そして、その演出をヒントとして、リール制御の理解も進むのです。
★スイカとチェリーは同一フラグ
『グランシエル』には、さらにややこしい部分があります。スイカとチェリーが同一フラグの制御振り分けなんですね。左リール枠上に16番の鳥を押すと、1/16でスイカが揃います。16分のいくつかは角チェリーとなってくれますが、この振り分けに敗れるとチェリーもスイカも揃いません(笑)。
後に17番のチェリーを上段か下段に押せば、スイカが揃うことはなく必ず角チェリーで獲得できると判明しましたが。いや、これも解析を待つのではなく、ループフラッシュでガセ(チェリー対応なのにハズれる)がないという実戦から見つけ出したものだと思いますが。
実はこの話には続きがありまして。左リール上段に16番の鳥を“超絶ビタ”で押しても、必ずチェリーで獲得できるのです。超絶ビタですから、0.5コマでも上に押してしまってはダメ。この打ち方をしているとですねえ、上段鳥からのチェリー対応ループフラッシュは全部2リール確定目になるんです。目押しが正確ならば。下段スイカハサミテンパイとか多かったかな。
もうこれ、ウイニングフラッシュとか不要なんです。おかげでほとんど覚えておりません。スペシャルテンパイ音? 通常のテンパイ音がうるさめの台なので、テンパイしても静かなら当たりです(笑)。第一停止時とバックライトフラッシュの面積が小さい段階では判別も難しいですし、第二停止で変化することもあるので参考としません。見るのは第二停止時のループフラッシュのみ。
私の記憶が確かならば、全誌見ていたわけではないですけど、このループフラッシュの特徴に言及した雑誌はなかったかと。「いや、それだとこういうガセの可能性がある」と見送られたのかもしれませんが。
解析が出る前から「この考えで正しいんじゃないか」とは思っていましたね。アルゼ(ユニバーサル)系の左リール1stは、1つの成立役に対して1つの停止形しかない。例外は『クランキーコンテスト』のみという経験則というか、感覚というか、洞察力というか……がありましたから。
このような感じで「まあまあやれるんじゃないか」という自信を深めつつ。しかし、まだこの時は“パチスロ生活者”なわけです。勝たねばなりません。ちょっと早くボーナス察知ができるなんて小さい小さい。その勝つための観察と行動も同時進行させていきました。その話は後編にて。
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- 佐々木真
- 代表作:パチスロ攻略ライターの思考ルーチン
裏モノ全盛期に“ギャンブル”としてパチスロを始めたが、技術介入機時代に最適手順を模索するなど“遊技”としての魅力にはまり、履歴書に大きな穴をあけてしまう。2000年よりパチスロ雑誌などで編集兼ライターの活動を開始。現在は、ほぼすべての機種の発表会や取材に参加。法律・規則などの知識をもとに、根幹システムの推測をライフワークとしている。
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