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俺とDTB
俺とDTB
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たれめさん
ストップボタン押すために仕事してる - 投稿日:2017/01/22 17:52
世の中にはアルファベットの略語が数多く存在する。アジア太平洋経済協力はAPEC、東南アジア諸国連合はASEAN、政府開発援助はODAと、世の学生を苦しめて止まない略語もあれば、アジアンカンフージェネレーションのAKG、マキシマム ザ ホルモンのMTH、ミッシェルガンエレファントのTMGEのように、それだけでロゴにしてTシャツに貼り付けても様になるものまで多岐に渡る。
ことパチスロにおいても、ビッグボーナスがBB、アシストリプレイタイムがART。版権で言うならハイスクールオブザデッドがHOTD、ロードオブヴァーミリオンがLoVと、長ったらしい横文字は頭文字とって短くしちまえばいいという風潮は確かに存在する。
ベーコンレタストマトをBLTと訳すぐらいならまだ記憶の片隅に置いておいてもそう邪魔になる物ではないが、矢鱈滅多と略していると本来の名を忘れてしまいそうになる。
前置きが長くなったが、今回の台もそんな流れに乗ってグッと短くしたくなる名前だ。
黒より暗い彼奴は、数少ない武器と効きすぎたメリハリを引っさげてホールに舞い降りた…
「DARKER THAN BLACK -黒の契約者-」(以下 DTB)
SNKプレイモアが2013年に世に放ったパチスロ台。純増1.7枚のART「DARKER RUSH」を搭載したA+ART機だ。
この台を端的に、あくまで端的に述べるならば「退屈」の一言に尽きる。通常時は基本的に主人公の黒(ヘイ)、ヒロイン的な少女の銀(イン)、人語を話す黒猫の猫(マオ)、リーダーでおっさんの黄(ホァン)の3人と1匹が狭いアパートの一室でダラダラしているか、公園でリストラされたサラリーマンよろしく時間を潰しているか、夕暮れの街を散歩しているのを眺めているしかない。演出が起こったかと思えば定食屋で飯を食うか酒盛りをするかぐらいだ。
天文台ステージに移行すればチャンスではあるが、出てくるのは大概CZの「大黒班ゾーン」。秘宝太陽もしかり、CZのチャンスステージというのは無理に間延びさせて実態以上にCZを特別視させる印象を受けてしまい、逆にストレスがたまる。
だけどART中は楽しいんでしょ?なんて声が聞こえてきそうだが、ART中はART中で基本走っているだけ。偶に何かに気づき立ち止まるが、大半が黄色い人魂とともに共通ベルが揃う。レア役を引こうとも高確じゃないと上乗せはなかなか厳しい。
じゃあ一体何が楽しくてこの台打つんだよって?答えは簡単。「流星チャンス」だ。
上乗せ特化ゾーンの「流星チャンス」はオレンジの流星図柄を揃えた後、レバーを叩いてリールが逆回転するリバースコンボが発生すれば、最低10Gの上乗せが0G連する。8回続けばもう1セット、逆回転しなくてもまだ望みはある。薄い振り分けではあるが、初回リバースコンボ失敗時の第三停止で画面が消えれば平均200G上乗せの上位特化ゾーン「天国RUSH」に突入する。
……ん?ヘヴンズラッシュ?なんだか悪党の街から二挺拳銃がドンパチやっている音が聴こえてきそうな名前だが、まあそれはいいとして。とにかく続いたら美味しい、続かなくても期待ができる、そんな魅力を秘めた特化ゾーンとなっていた。
「流星チャンス」は何が良いって音が良いんだ。告知の時のあの畳み掛けるような炸裂音も、準備中の神秘的なBGMも、リバースコンボした時の脳汁の泡が破裂するような音も、全てが心地いい。
天国RUSHも突入時にSNKのフリーズ音が流れるし、フリーズを引けば演出中と突入時に二回なるという謎仕様。周囲の目を引くこと間違い無しだ。
パチスロで音と言えば山佐というのが個人的なイメージだが、SNKも負けてはいない。スパイキーもかなり脳汁を湧かせる音をしている。
山佐・SNK・スパイキー。音を聴きたいが為に打ちたくなる機種があると言うのはある意味偉大な事だ。
流星チャンスの楽しみがあるからこそ、通常時とART中の退屈にも耐えられるというもの。寧ろ流星チャンスをより引き立たせるために敢えて淡白な仕上がりにしたとすら思えてくる。そう、DTBは退屈と興奮の極端なメリハリが妙に癖になる台なのだ。
BIGとREGがあって、CZがあって、ARTの純増もそこそこで、特化ゾーンが付いていて、天井がやや深くて、当時としては特に変わったスペックではないにも関わらず鮮明に記憶に残っているのは、流星チャンスの魅力とメリハリの力に他ならない。
ただ…それを差し引いてもなんだかなぁという部分が多々あるのもまた事実。例えばBIG中のカットイン。青黄赤の3段階となっているのはまあ普通だとして、問題はその中身だ。青が主人公の黒なのはまあいい。黄色がヒロイン的な銀なのも順当だ。ただ、赤。赤がなぜか仮面を着けた黒なのだ。何故だ。何故黒2回出した。パチスロのカットインって女キャラ強いみたいな不文律があるだろ。百歩譲って仮面を着けた臨戦態勢時だから強めなのだとしても、たった3つしかない枠を2つも取るのはどうなのよ?しかもヒロイン差し置いて赤って。
他にも、CZ抽選に関わる裏高確のせいでズルズルと止めづらい感が出たり、ART中の演出が少ないにもかかわらず割とスルーしたりと、モヤモヤするポイントが多い。
それでも、もしまた見かけることがあったのなら、少し迷った後着席することになると思う。
何度でもあの音に魅了される為に。
俺の大事な3枚のメダルと引き換えにのんべんだらりとした日々を過ごす3人と1匹を眺めながら、全身が沸き立つような瞬間を求めて。
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たれめさんの
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このコラムへのコメント(6 件)
有難いお言葉、励みになります。
世間で評価の低い台でも一つ頑張ってるところを自分で見つけると途端に愛おしくなります。
超個人的に。
2人が真顔で走っているのがまたなんとも…笑
惜しいメーカーでした…
音楽というか、SEの作りが抜群に上手かったメーカーだと思っています。ただARTを作るのが下手でした、延々揃い続けるリプと走る主人公は何かの試験のようでした。
シスクエ3もいい音持ってますよね
彼女盲目ですしね…
ART中の銀が全力疾走してるのは原作から離れていてチョット残念でしたね。