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初めてのパチンコ ~完結編~
初めてのパチンコ ~完結編~
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藤原ジェットさん
昭和の落とし物みたいな人です。 - 投稿日:2015/06/25 09:24
さて、4回に渡って書いてきた初めてのパチンコ実践編シリーズ。
今回が完結編と相成ります。
是非、第1回目より目を通して頂ければ幸いです。
またこの第4回目が本シリーズ最長となっております。
宜しくお願いします。
第1回→http://qq4q.biz/lZLS
第2回→http://qq4q.biz/lZLU
第3回→http://qq4q.biz/m1o9
突如全回転にて揃った7図柄を前に興奮冷めやらぬクソガキ二人。
そして人生初めての大当たりを迎えた僕の心境は、
「はよう、いちまんえん!」
こればっかりだった。まぁ、落ち着け。
「ココが開くけぇ!ほれ! 入れるんじゃ!」
Sが興奮状態で指導をしてくれる。アタッカーに玉を入れろとの事だ。
「おぉ! じゃっこじゃっこ増えていくのぅ!」
下皿に玉が払い出される。どんどん増えて来る。
なんとなく下皿に溜まった玉を手ですくっては箱に移した。
「藤君。 こうやるんじゃ。」
Sが下皿あたりに手を伸ばすと・・・
ジャラジャラジャラジャラー!
おぉ!一気に玉が落ちてきた!うるせぇけど、これは便利だ!
なんつーか当時はコレ、本当にうるさかった。
当時のパチに対するマナー(※1)や作法も知らないからね。しょうがないね。
全ての大当たりラウンドを消化し、箱がモリモリになる。
いつになったら一万円くれるんだ??(←しつこい)
挙動不審な俺にSからのご指導が入る。
「7はのぉー、後5回当り引くまで時短が続くけぇ、まだまだ出るでー!」
・・・・????・・・・
良い子の皆はこのコラムを続けて読んでくれているので、
ご存知の通りだとは思うが、この日僕が遊戯していた現金機は、大当たり後の確変が存在しない。
基本的に現金機のメインは時短なのだが、
この大工の源さんで言えば少し特殊で、時短が付いてくる図柄は7のみ。
しかも、継続がその後の当り5回まで保証。
ザクっと説明すると、7で当たれば、初回を含む計6回目の大当たりまで、出玉を減らさず遊戯が可能となる。
と言う事である。今、自分でも書きながらとんでもねぇな。と思ってしまった。
無論、確率に変動は無いので、時短状態で1/245.5をひたすら狙う形となる。
・・・・・・・・・・・・
じたん?なにそれ?5回? 相変わらずサッパリコッパリわからん。
まぁ、この後も続ければいいんだなSよ。
ほどなくして訪れる二回目の大当たり。
払い出される玉。
箱にもう入らないよ・・・?
どうしたらいいんだ!溢れるぞ!Sよ!
「お、店員呼ばんとな。ポチ。」
台の上のボタンを押すと赤く点灯した。なんだコレは。
む!?後ろに気配を感じるぞ!誰じゃ!
あ、怖そうな人だ・・。
「ありがとうございます!」(※2)(声が低い。大きい。)
出玉の入った箱を取り、空箱を置いてくれた。
どうやら、これに落とせと言う事だろう。
なんだ。怖そうだけど親切じゃないか。ありがとう。
この辺でSが「金が尽きた」とか言うので、帰る事となる。
Sの自宅兼、俺等の溜まり場はここからチャリで5分くらい。
「なんかあったらベル鳴らせーや。じゃぁの!」
出玉の共有や途中交換は当時は御法度だったので、
今手元にある玉を分ける事も出来なく。渋で帰す事となる。
とりあえず、背景のレンガが青色に戻るまで打て。
とだけ教わった。
3回目、4回目と意外と早く大当たりは消化出来た。
5回目も消化・・Sが後1回って言ってたな。
そして事件は6回目の大当たりに起こる。
ズゴゴゴゴゴ(予告音)
テンパイ図柄は・・7!
あ、揃った。
時短中に帰ったSの席でやってたオッチャンが話しかけてくる。
「兄ちゃんやるのー!10連じゃが!」
そうなんです・・この台、時短終了の5回目で7を引くと、
もう5回、時短が保証されるんです。
とりあえずオッチャンに舐められてはいけない!
初心者だと思われてはいけない!と思った俺は。
「お、おぅ。まぁのー!」
とか適当な相槌を打った。
その後も箱を積み続けて、すっかり時間が経った頃、
心細くなってきた。不安?と言ったほうがいいんだろうか。
結局箱は交換してくれるけど、未だに一万円貰えないし、
周りの目がなんか厳しいし、煙草切れたし・・。
そんな時に救世主が現れる。
「どした? 出とるのぉー!!」
Sの兄ちゃんだ! 当時、俺が一番憧れ恐れた男だ!
地獄に仏とはまさにこの事!ようこそ兄ちゃん!
軽く事情を説明したら。「よっしゃよっしゃ」とか言いながら
隣に居てくれた。あぁ、なんて心強いんだ・・。
全ての時短を消化し、青レンガに背景が戻る。
「じゃぁ交換するかー。」
例のボタンを押し、やってきた店員さんにS兄が手で✖のサインを作る。
S兄と共に島端の計数機前に移動した。
俺の玉を運んで来た店員さんが、じゃこじゃこーっと玉を機械に流す。
みるみる内に計数されて行く玉。すげぇ。これはスゲェ。
全部の箱を流した所で店員さんが何か言っていた。俺は頷いた。とりあえず。
今考えれば、「余り玉はどうしますか?」と言うような事だろう。
レシートを渡された。表示された玉数なんて覚えちゃいない。
S兄に促されカウンターへ。お姉ちゃんにレシートを渡す。
何か言ってたけど良くわからん。とりあえず頷く。
これも今思えば、「全部交換でよろしいですか?」と言った所だろう。
レシートと交換された謎の物体(特殊景品)とお菓子。
それもってコッチ来いとS兄に言われるがまま、
店を出て、交換所へと足を運んだ。
謎のプレハブ小屋に小さな窓がある。中は見えない。
S兄が、ここにそれ置いてと言うので。
謎の物体とお菓子を小さな窓の前に差し出した。
手がニョっと伸びてきて、お菓子意外をサッと取り、
代わりに差し出されたのは・・・
当たり前ではあるが、現金である。
俺はそれを受け取り、とりあえず、数えた。
数える手は、震えた気がする。
「7万! 7万ある!」
1万1千円じゃない!7万円だ! どうしてだ!
S兄が、よう出たのぅ。なんて言いながら笑顔で褒めてくれた。
このS兄の笑顔が、俺はたまらなく好きだった。
その後俺はチャリでS家へ行き、Sに兄ちゃんと二人で今日の事を説明した。
S兄には、パチンコに関する色んな事を教えて貰った。
すっかり辺も暗くなり、チャリンコで家に向かう間、ずっと今日の事を思い出してた。
興奮したなぁ・・。この世にオナニーより興奮するモンがあったんじゃなー。ってな具合よ。
勉強も、スポーツも出来ない思春期ど真ん中のクソガキが、初めて経験した、興奮。
軽くその後を説明すると、当たり前に藤原少年はパチンコに魅入られる事となり、
残りの一年半の中学生活をパチンコ色に染めて行った。
時には勝ち、時には負け、良い具合に壊れて行った。
それでも健全(?)に過ごしていった方だろう。
なし崩しに高校に入学して、ヤツと出会うまでは・・・。
----初めてのパチンコ編 完結------
※1パチに対するマナー 【ぱちにたいするまなー】
昔は本当にうるさかった玉の払い出し。それを避ける為、
箱の底一面までは、手で玉を救い敷き詰める事がマナーと知る。
箱と玉がぶつかる音より、玉と玉がぶつかる音の方がまだ静かだ。
と言うのが理由。
※2ありがとうございます【ありがとうございます】
未だに理由が分からないんだけど、当時の店員さんが出玉を引く時は
必ずこう言われた。地元のホールはどこでも。
おめでとうございます。とか、失礼します。とかじゃなくて。
強いて理由をあげれば、「出してくれてアリガトウ」ってトコでしょーか・・・?
知らない間に失礼しますとか、おめでとうございますに変わったイメージ。
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このコラムへのコメント(4 件)
一度投稿したコラムは修正できません。。。
なのでこちらでタイトル修正しました(・∀・)
昔は箱に球を流すのがうるさかったんですね。。。クッションが付いてなかったってことなのですか?今ではあまり知りえないマナーだなと思いました。
次回も楽しみにしてます(^^)
ありがとうございます。「こんな時代もあったのね」
なんて感じて頂ければ、本当に嬉しいですね。
あと編集部様、申し訳ございます。タイトルが思いっきり二日間連続で誤字ってまして、直したいのですが、、直せないっぽいですね・・・・。