久兵衛さんの『まだ打てる』オモシロい台・その１

第１回となる『まだ打て』（仮）は……。
















『CR浜崎あゆみ物語』

■■機種考察■■
紅白出場経験も多数ある歌姫『浜崎あゆみ』とのタイアップマシンでSANKYOより２０１１年に登場。
パチンコには、元々『歌ぱち』というジャンルがあり、中森明菜やピンクレディなどのヒット作も多かったのですが、アーティストが主に活動していた時代が古く、若いパチンコユーザーを増やせずにいました。


そこでSANKYOは、倖田來未の台をエイベックス協力で製作。大ヒットとなり、若者をパチンコのシマに呼び寄せることにも成功。年配者も含め、多くの方から支持されました。このヒットで次のプロジェクトもエイベックス協力で行われることとなり、それがこの『浜崎あゆみ物語』でした。


倖田來未が売れたなら、浜崎あゆみも売れる！期待からか導入台数は大幅に増えて業界内外でも大きなニュースとなりました。店も客も誰もが期待していた。


しかし……！



■ぶっ壊れた信頼度

パチンコには擬似連という予告があり、SANKYOでも擬似連３回でスーパーリーチに発展が確定し、保留の変化などで当確もあったものです。更に擬似４まで行ったら激アツで、確変確定の全回転リーチもありえたのですが、この台は擬似連３回でノーマルリーチのまま終了し、擬似４でようやくスタートラインという当時の時代背景を考えてたら、驚愕の展開でした。


しかも擬似４だからといってアツいわけでもなく、激アツ予告の金色が絡んでも小当たりに当選することも多々あり、遊戯者の多くがTraumaを抱え、客離れも加速し、徐々に撤去されていきました。




■見よ、これが非現実だ

CR浜崎あゆみ『― 序章 ―』とサブタイトルもある事から彼女の軌跡の物語だと思われがちですが、主役は浜崎あゆみ本人ではなく『AYU』という架空の女性。『架空の世界』の『架空の仲間たち』との絆や奇跡や努力や夢を描いた希望の物語となっています。ワケが分からないでしょうが、筆者の私でさえワケが分かりません。


「まだまだ努力が足りないってことか」





■非現実の非常識なリーチの数々

当機を語ると必ず話題となる常識外れのブッ飛んだ内容のリーチの数々。一言でいうと『シュール』。バクマンという漫画で真面目でシュールな展開が笑いに繋がることをシュールな笑いと呼んでいましたが、まさにその表現こそが全てであり、台の要でもあります。


おそらく開発陣は、あゆ本人の物語（もちろん架空です）を描くのにあたって、こんな話なら”打ち手も感動するんじゃあないか”という考えで、あまりにクソ真面目に話を作ってしまった為、常識から逸脱した非常識な展開の数々に我々もTraumaを抱えることになったのだと思うのです。


・奇跡リーチ
メンバーの一人（声がアムロ・レイっぽい）が、AYUがデビューするには「奇跡でも起きない限り無理だ！」と叫ぶと、彼を先ほどブン殴った仲間が「よく見てろ？」と言い放ち、交通量の多い道路に飛び込みながら大声で叫びます。


「起こしてやるよ！奇跡ってやつを！今ここで！！」


飛び交う仲間たちの悲鳴。彼の運命はッッ！！



・夢リーチ
AYUと仲間たちが河原でダンスの練習中にヤンキーたちに絡まれ、AYUが大切に詩を書き留めていたノートを奪われてしまいます。


「Traumaだってよ！詩人気取りかよ！」


AYU達はノート返せとヤンキーたちに挑むのですが、大切なノートは川に放り投げられてしまいます。すると、AYUの愛犬マロンがノートを取り戻すべく川に飛び込んでしまい……。果たして、マロンは溺死することなくノートを取り戻すことが出来るのか！？



・絆リーチ
デビューのためのオーディションで緊張と気負いから声が出なくなるAYU。不法侵入までして応援に駆けつけてくれた仲間の思いに応えるべく、AYUは必死に声を出そうと努力するが、果たして声は出るのか？デビューに合格はするのか？



・希望リーチ
バイト中の仲間の元にレッスンを終えたAYUがやってくる（何故か工事現場の備品を持って）その時、仲間の女の子が疲労で倒れてしまい、更にはクレーンから鉄骨が落下。彼女を救うためAYUは犠牲となって救急車で運ばれ集中治療室へ。


外科医「今夜を乗り切れば大丈夫でしょう…」


明日はデビューの日。果たしてAYUはデビュー会場に間に合うのか？

■総評■

まだ打て（仮）第1回はいかがだったでしょうか？他にも綾小路……DJ OZMAが悪魔と戦うリーチなどもあるのですが、今回は台のキモとなるリーチだけを紹介させて頂きました。上手く歌え……伝えられたら嬉しいのですが、もし続きなど気になるようでしたら是非打ってみてください。ミドルタイプは大分減ってしまいましたが、甘デジタイプのSWEETなら全国に353店残っています。


本人が監修していたら、もっと違っていたかも知れないCR浜崎あゆみ。序章といいつつ続編は全くの別物になってしまったことから、このAYUの軌跡の物語は不評だったのだろうなと。パチスロでもいい。この絵柄で、この雰囲気で新作が見たいものです。歌いたい……私、歌えるの？



私、久兵衛は、CR浜崎あゆみとSANKYOをこれからも応援します！

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