恐怖のモーニング

20年ほど前の話。

この日、自分は近所のホールへ『スーパーバニーガール』のモーニング(朝イチ台にBIGが仕込まれているサービス)を取りに行き、移動３台目で首尾よくゲット。意気揚々とBIGを消化している時だった。


店員「おいコラッ！ お前、コイン持って移動しただろッ！」


パンチパーマに鋭い眼鏡。それはビー◯ップハイスクールの菊リンそっくりな、いかにもな風貌をした店員だった。漫画の菊リンはお茶目なキャラだったが、このお方の迫力は素人離れしたものがある。一言で言うと、ハンパなく怖い。


自分「いや、移動して、ません、よ？」


反射的に嘘をついてしまった。そう、自分は千円分のコインを手に握りこみ、シマをカニ歩いてBIGをゲットしていた。ていうか、さっきまで他の客もやっていたし、この店は朝イチのカニ歩きを黙認していたはず。最近、ルールが変わったのだろうか。

まあいい。店員からカニ歩きした瞬間は見られていないと思う。このまますっとぼけて、何とかやりすごそう。こういう時は、堂々としていれば良いのだ。堂々と。


店員「お前、本当にコイン持って移動してないんだな？」

自分「はい、してません(ｷｯﾊﾟﾘ)」

店員「じゃあ、横のサンドを開けたら、中から千円札が出てくるんだよな？」

自分「ごめんなさい、移動しました」



この時の恐怖は、いまだに忘れない。

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