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連続短編小説『遅れ』④
連続短編小説『遅れ』④
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ゆうジンさん
ちょいちょい打ってます(笑) - 投稿日:2015/11/19 23:23
『遅れ』①
http://pachiseven.jp/columns/column_detail/2684#contents
『遅れ』②
http://pachiseven.jp/columns/column_detail/2698#contents
『遅れ』③
http://pachiseven.jp/columns/column_detail/2753#contents
翌日、昼過ぎに起床し
例のごとくふらっと
HANABIを打ちに行く。
好きだから大丈夫!
シノブにプロポーズした時は
そう強く信じていた。
しかし、よくよく考えると
今自分は仕事をしてない
ただのスロプーである。
こんな状態で結婚して
家族を幸せにできるのか。
自問自答を繰り返す。
「・・・テロン」
(遅れた…)
最近はことごとく外れる。
そして今回もPAYの数字が4を示す。
4枚の払い出し。
(また、チェリーか…)
「遅れ」が発生することによって
自分にしかわからない
究極の1リール確定目が出現し
自分の中だけで優越感に浸れる。
そんな至福の瞬間を
とんと味わっていない。
その時、ふと思う。
ことごとく外れる「遅れ」
今回のことも言い方は悪いが
「流れる」可能性もある。
そうなれば、今まで通り
シノブと付き合える。
そんな無責任な感情を
心の片隅に抱くようになる。
その晩、シノブと電話をする。
今現在の僕の気持ちを
見透かすように彼女は…
『友達にもこんな状態になった子がいてたくさん出血したけど流れなかったんだって。』
(え?)
僕の中で覚悟を決めたはずなのに
確実に弱気になってきている。
怖くもなっている。
『できてたらどうする?』
彼女は不安になったのか
そんな言葉を口にする。
『しょうがないやん…』
言ってはいけない
一言を口にしてしまった。
『しょうがないって…』
彼女は驚きそして
電話の向こうで
少し泣いていた。
『ごめん…』
僕は電話越しで
謝るしかなかった。
そして…
あの日から一週間がたち
二人で再び病院に行った。
つづく…
※この物語はフィクションです。
4
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