どうしてこんな事に

時は1999年。世間はノストラダムスの大予言に震え、音楽業界は何十万人を集客する記録を作るこのアツい夏にひとりのスロッターが誕生した。もちろん養分だった、高校も落ちたし…。

某有名SF映画を観に行く為、兄に拉致された。しかし彼は心くすぐることを言ってきた。

「映画観たあとスロットを教えちゃら。」 ！！！。

少年はその一言に興奮した。正直、映画の内容は覚えていない。隣の席には彼はいない。
足早にホールに行きたいがまずパチンコ屋がわからない。当たり前だ。そうだ電話だ。
今の若い人にはわからないと思うがPHSだ。
電波がはいらんのじゃ！
事なきを経て無事ホールに着いた少年は兄の横に座り尋ねた。

少年「どうしたらいい？」
兄「サンドに千円いれたらコインでるき、ここにいれてレバーを叩け！」
少年「………。は？」

そらそうだろう。わかるはずない。

そしてこの時座った台、のちに生涯一番回した名機。
DDT打法にリプレイ外しに目押しに遅れに設定判別に全てを教わり成長さしてくれた一台。それは、

アルゼの「HANABI」です。

後継機は様々でたがアクロスから５号機のハナビがでた時は泣いた。
当時は風鈴すら取りこぼす為毎ゲーム目押し必須。

あのパネルは忘れられない。
2ゲーム回して兄にヤメさせられた。
そのまま夜の街へ。

その日に、色々な体験と経験をした。
次の日に、また色々な経験と絶望をした。
回るリールの興奮と逆回転する頭痛は今なお忘れない。

つづく。

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