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それでも雨上がりに蛙は謳う

【投稿受付完了】第2回パチ7『自由帳コンテスト:予選』 | コラム

それでも雨上がりに蛙は謳う

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藤原ジェットさん
昭和の落とし物みたいな人です。
投稿日:2019/10/10 17:09

気象庁が「平成30年7月豪雨」と命名したあの災害から一年とちょっとが過ぎた。西日本を中心に全国各地で被害が出た事から、その名には地方や地域の名前が入っていない。皆様の記憶にも新しいと思う。

地元である岡山県内でもその被害状況は凄まじく、妻の父親からLINEを通して送られてくる写真には俄かには信じがたい光景が在り、TVのニューで流れる映像からは、ある種の非現実感を感じることがあった。

それは "僕自身が被害を受けていないからだ" と言う認識の他にも、生まれ育った岡山県としては同じ場所だけど、被害状況が強かった地域には僕自身がほとんど足を運んだ事の無い、云わば記憶や思い出の無い土地だった事も大きな要因だったように思う。

そんな中TV中継に飛び込んで来たのは、見覚えのあるあのロゴマーク。

{Photo01}

※画像は当時の僕のツイッターから

知らない人の為に説明すると、エンドレスと言うのはあのパチスロメーカー山佐が運営する直営店舗型のパチンコホールで、岡山県内にはその名を持ったホールが4つ存在していた。

していた。そう、結論から言えばこの災害を機に『エンドレス真備(まび)店』は閉店となり、新見、高梁、水島の3店舗となってしまった訳だ。僕はこの店舗さんにちょっとした想いがある。パチ7がスタートした頃、僕はまだ岡山に住んでいて、サービス開始から少し経ってここ自由帳が開設された。当時は一生懸命にキーボードを叩き投稿を重ね、自信のパチンコライフや過去の思い出を皆と共有する楽しみを初めて知ることが出来て、とても楽しかった。

その時にネタの一つとして、パチスロメーカー直営店舗のエンドレスを、僕の町の変わったホールを紹介します!と言う試みの元、自由帳に書かせて貰った。自分でホール側と連絡を取り、撮影を行い、数々のご当地景品と共に全てのホールを紹介した。遊技する事以外の目的でパチンコホールに出向いたのはこれが初めてだったように思う。

今と同様、ただのパチンコファンに過ぎない僕に、エンドレスのスタッフさん達が様々な神対応をしてくれた事も沢山記載した。

結果として編集長からはそのコラムが大いに褒められ、月間賞なんかも頂き、調子に乗った僕はパチ7に履歴書を送って、採用され、岡山を出て今もここにいる。(※あ、パチ7はその後2ヶ月でクビになってます。)

そういった意味でエンドレス真備店は僕の人生に多大な影響を与えてくれたホールの一つで、そして今はもう存在しない。

災害後のすぐを遊技日本様の記事で知ることが出来る。是非皆にも見てほしい。当時パチンコ120台、スロット174台が設置され、その全ての台の内部には泥が入り込み、二度と使えなくなってしまった事が写真と共に伝えられている。またホール内の一部を捉えた写真には、壁にかけてあるモニターまでもが水に浸かった形跡を残している事を伝えていて、この記事からは当時の水害の恐ろしさを十二分に知ることが出来る。

たった一度遊びに行っただけなのに、僕が生涯忘れることの出来ない場所となったホールの結末としては、あまりにも悲しい結果だ。

形あるものはいつか壊れる。それは物だけ無く場所もそうで、永遠が存在しない事を僕たちは誰よりも知っている。それでも確かにそこに人の想いとやらが存在して、僕たちはそれを伝えたり思い出したりする事が出来るんだ。

ただし多くの場合、それに気づくのがすでに無くしてしまった後だと言う話だけで。

だけど僕はこのホールで手に入れた景品をずっと大切に持っているし、壁にかけられた歴代パルサーの写真達を今でも鮮明に覚えている。何より、「藤原さんですよね?この後も気を付けて!」と声をかけてくれた素敵なスタッフさん達が働いていた場所だと言うことを、絶対に忘れない。

パチ7が生まれた頃から今に至っても、この業界はずっと不安で、もうすぐ終わる、いやもう終わってると、悲観的で悲壮的でネガティブでバッシブなまんまだ。それでも毎日ホールに向かう誰かや、ホールで出迎えてくれる誰か、そこにある機種を作ってくれる誰かのおかげで回り続けるし続いて行くんだろう。

当時のコラムの始まりにはこう書いた。『皆様の住む町には何がありますか?僕の住む町には日本一有名なカエルさんがいます。』と。

皮肉にも蛙と言えばすぐ様に連想する事の出来る雨。その被害で終わりは無いと名づけられたホールの灯が1つ消えた。それでも止まない雨が決して存在しないように、残された人達は日々を過ごす、どうせならと、ケロケロっとご機嫌に笑いながら。

僕もこっちに来て本当に色々な事があった。岡山から離れ、知らない人だらけの場所で、ひょっとしたら止まない雨もあるんじゃないかと疑わずにはいられないくらい、キツイ事も起こり続ける。パチンコ業界もまだきっとそうなんだろう。でもきっと雨は止むし、その時は、雨上がりに謳う蛙の様にゴキゲンな日々を送りたい。

あの日車を走らせて、沢山の思いを書いた記事。エンドレスさん、あの時は本当にありがとうございました。まだ東京で僕は頑張っています。

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藤原ジェットさんの

※本記事はユーザー投稿コンテンツです。

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このコラムへのコメント(6 件)

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藤原ジェット
投稿日:2019/10/19
あざらしさん

あざらしさんにそう言われただけで書いて良かったっす。ほんとに。
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あざらし
投稿日:2019/10/16
相変わらずジェットさんは いい文章を書く、、、、
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藤原ジェット
投稿日:2019/10/15
あしのさん

現3店舗も最高に素敵なので是非!
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あしの
投稿日:2019/10/13
保険に入ってるとは言え、この規模の水害に見舞われると流石に業務再開は厳しいんですねぇ……。行ってみたいホールさんでした。
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藤原ジェット
投稿日:2019/10/13
FLEAさん

兄さんご無沙汰。

そうなんだよね。もう無いんだよ。今度帰ったら、ちゃんと見てこようと思ってる。その時はまた何か伝えるね。
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FLEA
投稿日:2019/10/10
そうか…再開は出来んかったんやな…
先のキングスターもあかんかったんかな?総社方面を攻める時はフラッとこの2店舗に立ち寄ったりしたもんよ。あの水害はこちらも結構なもんで、うちも河の直ぐ近くだから夜通し寝れなかったよ。
 
真備のあの光景は忘れられないよ。
よく知った場所だったから。
自分もエンドレスのことがパッと浮かんだんだよ。浸水後の店内の壮絶な状況に愕然としたよ。

そうか閉店か…
さみしいね。

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