自分の中での転機

台撤去の時のエピソードで自分が最も記憶に残っているのは、エヴァンゲリオン生命の鼓動。ノーマルタイプのエヴァでチャンスリプレイを搭載し、それまでのスロエヴァファンの間でも賛否が分かれた機種だと思います。

原作好きでシステムについてあまり違和感を持っていなかった私、歴代のスロエヴァの中でも一番ゲーム数をこなした台でした。設定判別の精度を上げたくて実機を買い、各設定ごとに数値を取りました。ちょっと難しくなったBARの目押しなども楽しく、当時のアパートの床に置いて、座布団に座ってひたすら打っていました。

その頃は、歴代続くノーマルエヴァの設定狙い全盛期。スロエヴァだけを打つ常連がたくさんいて、その中でも目立つ同士、会話はしないけどお互いの事はチラチラ見ている、そんな間柄。マイホだけではなく、近隣店に行ってもいつも全員いる（笑）。

しのぎを削る毎日が過ぎ、やがてやってくる新台入替の時期。入替最後はいつも日曜日。その頃には、エヴァはワンボックス12台くらいに減らされていました。さて今日が最後、きっと最高設定は今日も④なんだろうな、この店だもんな、ニブイチだったらいいかな…等と思いながら打ち始めると、自分の選んだ台がどうもよろしくない。②か③かなという感じ。

周りを観察すると、⑤⑥を意識させる台が何台もあり、ニブイチで④などという私の低い予想を遙かに上回る雰囲気。その中の一台が途中で空き、私はそれを閉店まで打ちました。（2000枚くらいから自分）

夜9時過ぎだったか、当たりが鈍くなりグラフも下がってきて、「上だとは思うけど、正直止めたいかな」と馴染みの店員さんに言うと、彼は「今日は最後ですので、是非打って下さい」とにっこり笑って言うのです。設定がどうとかじゃなく、エヴァが好きな事がバレているからこその一言というのか……胸にくるものがありました。

22時半を過ぎ、店内のお客さんもほぼいなくなり、エヴァシマにも２，３人くらいしか座っていませんでした。店員さんは入替のために、ワイヤー（筐体を開けた時、開きすぎないようにつけている）を外しはじめます。この店ではよくある光景でした。あぁ、あの機種撤去か…と他人事に思っていた事が、今自分の一番好きな機種で行われている。ただただ、切なくなるばかりでした。

閉店のアナウンスが流れ、いつものようにグラフの写メを撮って外に出ると、とある常連さんがいました。電気が消えていく店の扉のすぐ横で、今までのお互いの立ち回りの話、イベントの時の話、それから、これからどうしようか？という話をしました。ちなみにその方は専業さんだったのですが、これ以降、色々な店にご一緒させて頂くようになり、専業ならではの考え方を教わる事となりました。今でも頭が上がりません。

初めて話してみてわかる色々なこと。この日は他の常連さんや仲間たちとの距離が一気に縮まった日だったような気がします。この日がきっかけで何人かと仲良くなり、飲みに行った時に「○○さんと○○さんがあそこに座ってるという事は、自分がこれからツモれるとしたら…」なんて、お互いが全く同じ事を思っていて笑った事もありました。

今となっては、ジャグラーもART機も普通に打つようになりましたが、本格的なきっかけになったのがこの機種の撤去だったかなと思います。スロエヴァはこの後リンゴの台になってしまったので、あの頃は、ノーマルエヴァはこれで終わってしまうのかなと、かなり落ち込んだものです。

しかしながら、リンゴの後、ノーマルとARTを繰り返し現在のAT777に至るまで、エヴァはどこまでもエヴァですね。そのせいか、色々言われる事も多いです。でも、私はエヴァが好きだし、私のスロ歴は、これまでも、これからも、エヴァと共にあるのかな。

いつも一緒に打っていた、これまた原作好きの友人が仕事で朝から来れなくて、夜に「最後だし打ちたい」と私の隣へ。同じようなタイミングでノーマルビッグを引いたので、レバーオンを合わせて曲が重なるように同じスピードで打ちました。今やったら普通にウザいだろうな（笑）。

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