思い出ボロボロ19

馬鹿は馬鹿らしく

白い天井

白いカーテン

白いシーツ

浅黒い腕から伸びる点滴のチューブ

もうどんよりの気分が止まらない！




注＊現在の表現の仕方で書きました。（沖ドキ風）







入院翌日、相部屋の人達の朝は早かった

AM　5：30　シャーーーーーっとカーテンを開ける音で目覚める

「ええっ？まだうす暗いのにもう？起きるの？」

四人部屋、窓側の二人がくせ者の老人

他の患者の迷惑を考えない

1老『〇君よ、早ぐおぎろや。早おぎは三文のとぐだど』
　　（〇君、早く起きなさい。早起きは三文の徳だぞ）
2老『んだんだ、ねくさってっと、けづめどがら根っこはえっと』
　　（そうそう、寝てばかりだと、アナルから根っこ生えるぞ）

「あ”～はいおはようございます。皆さん早いですね」

1老『早ぐ起ぎねどタバゴ吸いさ行げねんだぁ看護婦だぢうるせがらよ』
　　（早く起きないとタバコ吸いに行けないんだよ看護師がうるさくてさ）
2老『あの女ごうるせごだなぁ、めいわぐ誰にもかげでねぇのになぁ』
　　（あの女性口うるさいんだよね、迷惑は誰にも掛けて無いのにさ）

「でも俺点滴してますし、それ見つかったらマズいんでねすか？」

1老『かまねかまね、あんだも吸うんだべ？液ビンの棒は貸してやっから、ホレ』
　　（だいじょぶだいじょぶ、貴方も吸うんでしょ？点滴のスタンドは貸します、ハイ）
ほぼ強制的に連行され喫煙所へ

入院二日目でこのなれ合い、今後が怖い

満員御礼、副流煙だけで吸った気になる程の煙たさだった

2老『今日あのせんせいねえって言ってだよなぁ。ちょこっと抜け出すか』

1老『おっ！アーケードのあのパチ屋にが？行くべ行くべ。〇君はおあずけだな』

「しばらくコレしなきゃならないので仕方ないです。楽しんで来てください
　看護師さんにはナイショでしょ？上手く言っときます」

本当なら飛びつきそうな話だが、点滴と言う足かせがあっちゃ行けない

あの初日に打てなかったあの台気になるスロットも有る

笑顔の下で奥歯をギシギシとかみ殺していた

「あ～あ、暇だな、同室の他の人達は一時退院で室内は俺一人か・・・
　まぁテレビも好きな番組見放題は今だけだからそれを楽しもう」
そうしている内に寝てしまった

丁度目が覚めて直ぐに見舞客が来た

それは十数年ぶりの顔見知りだった

客『あれ？いない。また？全くあの人達は入院って事しらないの？全く
　・・・？』
ん？どっかで見た顔だなぁ、何処で会ったっけかな？ん”～～～～

客『間違ってたらごめんなさい。〇✖町の〇君？ですか？』

「はい？そうですが・・あの～・・・あ”っ！中学ん時の」

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