【伊藤ひずみのお題帳】2019年4月分『あなたがマスクマンなら何マスク？』結果発表！

はい、どうも！伊藤ひずみです！

今回のお題は『あなたがマスクマンなら何マスク？』でした。さぁ、一体どんなマスクマンが爆誕したのでしょうか？さっそく見ていきましょう！


 

私は挑戦する人が大好きです。失敗したっていいじゃないですか。挑戦することに意味がある。何か新しいことに挑戦している方々がいたら積極的にご紹介していきます。


マグさん/自分のライフスタイルに合わせたマスクマンデビュー 


自由帳は常連のマグさんですが、今回初めて私のお題帳に応募してくださいました。ありがとうございます。美術の成績が万年2とのことですが漫画になっています！ちゃんと漫画です！内容も完璧にわかります！ぜひどんどん漫画を描いていただきたいですね！

少し話が脱線しますが、私は「絵が描けません」と言っている方が一生懸命描いた漫画を見ると興奮します(笑)　

「描けるじゃん！みんな漫画描けるじゃん！」と。みなさん描いてみると思っている以上に漫画って描けるんですよ！　漫画講座もやっている立場としては、そのように漫画がみなさんに浸透しているのを見ると感動するんですね。カラオケが一般的な娯楽であるように、上手い下手は関係なしに、みなさん漫画を描いて遊びましょうよ！

このお題帳も「絵が上手くないと応募できない…」と思っている方も多いかもしれませんが、普段絵を描かない方にこそ応募していただきたいです！　ぜひ「絵が描けない方の漫画」をもっとアップして私を興奮させてください(笑)


 

動物かわいい！　もっとクズ寄りで来るかと思いきやご当地ネタで来ましたね。しかし髪色や服装でしっかり中身が武尊さんと主張しているのがいいと思います。デジタル作画もかなりこなれてきた印象です。タブレットを手に入れてから描いた量を考えれば納得です！


 

ざきゃさん、なんだかんだで絵がうまいですよね！　珍古台の札の位置に恣意的なものを感じます(笑)　珍古台好きをマスクのツギハギと札で、変態キャラを裸で表現し、ご自分をしっかり絵で表現できているのがすごいと思います！　あとはこの格好でホル調ができるのかどうか…。


 

さすがハンドルくんさん、まずシールのクオリティが高い！　足元にあるVの位置もいい感じです。マスクの作りやすさまで考えるあたりさすがです。一時期は大盛況だった羽根モノも最近はだいぶ落ち着いてしまった感じもしますので、ぜひこんなマスクマンが活躍して欲しいですね。


 

なんでも大喜利にしてくれるポリンキーさんが大好きです！　一番オーソドックスにポリンキーさんならこれかなと思ったネタがおまけなのがおもしろかったです。個人的にはものすごくリアルな猫のマスクを被ってホールで打っている姿が見たいです(笑)


 

もうホールのいいところを伝える気が全くないのがすがすがしくて大好きです。ホル調に来ているはずなのに見当たらない→銭湯にいた！！！　という釣りバカ日誌的なノリは漫画ならありですが、本当にやったら怒られるんでしょうね(笑)


 

帰るときのことしか考えてないマスクマンは初めてだ(笑)　朝来た時に「涙の帰宅マスクです！」と挨拶され「涙の帰宅マスク来店」と告知を打つホールさんの気持ちを考えてください(笑)　原色バリバリの文字といい絵面のインパクトはさすがの七星ワールドでございます！


 

おめでとうございます！ 大賞の武尊さんさんには5,000円分のパチ7オリジナルクオカードを差し上げます！

【評価ポイント】
最終候補の欄でも触れましたが、ご当地ネタを上手く生かしている上にご本人の特徴がよく出ているデザインがステキです。絵のクオリティも高いですし総合的に判断して、今回は武尊さんの「おかやマスク」を選ばせていただきました！　動物たちもかわいいです！　実際にこんなマスクマンが活躍して欲しいですね！


 

ということで今回の余計なお世話ですが、マグさんから「添削希望」というお話をいただいたので、マグさんの絵を中心に「ちょっと気をつけるだけでイラストのクオリティがぐっと上がって見えるポイント」をいくつかご紹介したいと思います。

まずはマグさんのオリジナルの絵はこちら！
 

美術2とおっしゃっていますが普通に上手いですよね。一番評価できるのは「何が描いてあるのか理解できる」ということです。

スラックスにワイシャツ、ネクタイ、バンダナ、煙突から煙を出しているというキャラ。ポーズも完璧にわかります。絵の評価で「上手い」より「伝わる」が大事なことも多々あります。特に漫画においてはその場合が多いですね。この絵はその「伝わる」という課題をちゃんとクリアしているわけです。これは上手い下手じゃなくて、その人が伝える意思があるかどうかが問題だったりするので、それが自然に出来る方は絵を描くのに向いているのではないかと思います。

では、この絵をもっと上手く見せるにはどうしたらいいか一つずつ見ていきましょう！　まず鉛筆でもデジタルツールでも線を往復させて色を塗ると雑に見えることが多いです。
 

直したのが、こちら。
 

これだけでもだいぶ変わってみるのではないでしょうか。

さらに「はみ出している」「つながってない」は雑に見えます。
 

これも直してみましょう。
 

正直、ここまででもいいくらいですね！かなりキレイに見えます。

ただ今回はもう少し踏み込んでみましょうか。絵を描く上で大事なポイントの一つに「見て描く」というものがあります。

例えばネクタイ。日常的に見ているものなので、見ないで描けるような気がしますが本当にそうでしょうか？　マグさんもこの絵を描いたときに何も見ないで描いたのでは？　そのせいでネクタイだってわかるけど、何か違うな…って形になってしまっています。実際のネクタイはこんな形なんですね。
 

こちらはいわゆるプレーンノットという巻き方。僕もネクタイのストライプがどちらに傾くかよく忘れるので、いつも作業台の横にこれがひっかかっています(笑)

実物を見ても絵にするのが難しい場合は「ネクタイ　イラスト」で画像検索して他の人がどのように描いているか参考にしてみましょう。最初のうちは何を描くにしても、いちいち本物を見て描く習慣をつけると驚くように上手くなります。1回1回立ち止まるようで、もどかしいと思いますが、慣れてくると見ないでも描ける様になってきますので最初は我慢のしどころ……。

この絵でしたら「煙突」「バンダナ」「ネクタイ」「ワイシャツ」「スラックス」を一度確認するとよいでしょう。
 

今回は襟とネクタイだけ直しました。バンダナの結び目がこの位置にあることは現実にはありません。ただぴょこっと出ているのがかわいいので「いい嘘」としてこのままがいいでしょう。このようなデフォルメはどんどんするべきです。

私の中では銭湯の煙突はまっすぐなイメージですが、マグさんは末広がりのデザインにこだわりがあるかもしれませんのでそのままに。ちなみに煙突は先ほどやめるべきとした「線を往復させる塗り方」をしているのですが、それが上手いこと煙突らしい質感に仕上がっているので、あえてそのままにしています。

そして最後のポイントです。実は同じ太さの線だけで描いていると上手く見せるのがとても難しくなります。良い例としてハンドルくんさんの絵を見ると線にメリハリがあるのがわかるでしょうか？
 

このように上手い人は線にメリハリをつけるのですが、どこを太くしてどこを細くするかは作家によっても違いますし、解説し出すとかなり長くなるので、今回は一つだけ誰でも使いやすい技をお伝えしたいと思います。

それは「周りだけ太く縁取る」ということ。

普通に描いたあとに周りを太く縁取るだけなのですが不思議と絵のクオリティが上がって見えます。
 

ほら、かなりクオリティが上がってみえませんか？プロのイラストでもよく使われている技なので、ぜひ使ってみてください。

最後に再度、オリジナルの絵を載せておきますので比較してみてください。
 

まとめます。

◯線を往復させて色を塗らない
◯はみ出したらちゃんと消す
◯つながらなかったらちゃんとつなげる
◯見て描く
◯周りを縁取る

絵は本当にちょっとしたことを気を付けるだけで格段に上手く見えますので、ぜひ試してみてください。 ということで今回も長くなりましたが以上です。次回のお題も募集中です。なんと『デザイナーズ・ハイ』連載中のみつやさんとのコラボ！ぜひご応募ください！ではでは！

みつや&ひずみコラボお題『魔法陣みたいな下絵、何に見える？』