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バジリスク天膳は設定6でも勝てない？スマスロの吸い込みについて考察してみた

角屋角成(かどやすみなり) 【回胴の探り手シリーズ】角屋角成のフラグ回収記

「天膳の設定6でタコ負けだった」「乙女で6確定したんだけど、そのままめり込んで終わった」

スマスロは高設定でのタコ負け報告、多いですよね。もちろん、4号機クラスの荒さでありながら出玉率は114%程度なので勝率が低く、負けてしまうのは当然です。万枚出た翌日に10万円負けても出玉率通りといえばそうなワケで。

ただ、タコ負けしている台は総じて展開が悪く、高設定の片鱗を見せずに右肩下がりのグラフも少なくありません。

『マイナス域にめり込むほど不利になる』

これは現行スマスロ機において避けられない事実の一つです。

この理由は、現行スマスロ機の大半が有利区間切れにトリガーを作っていることにあります。ですが、スマスロの中でも吸い込みによって展開が左右されやすい機種とさほど不利にならない機種が存在します。

本稿では吸い込みによって不利になる理由や機種のよっての違いを説明していきます。

1 宿怨チャレンジと宿怨ループ
2 マイナスが大きくなるほど宿怨ループが遠くなる
3 吸い込みは悪いことばかりではない
4 吸い込みが関係ない機種
5 有利区間切れがトリガーにならない機種
6 差枚数の影響をグラフでまとめてみた

宿怨チャレンジと宿怨ループ

例を挙げて説明していきましょう。

昨年導入されて高稼働を誇っているスマスロバジリスク絆2天膳 (以下、天膳)で考えてみましょう。

天膳のトリガーは宿怨チャレンジです。宿怨チャレンジは成功率50%で通せばシナリオ9or10が確定。さらに10人状態スタートとなるので大量出玉が期待できます。

では、この宿怨チャレンジの契機はというと
①エンディング到達
②宿怨ポイントMAX
③BC当選の一部
④AT終了後の一部

宿怨チャレンジの契機
①	エンディング到達	BTが13連以上継続 (BT後に駿府城を経由)
②	宿怨ポイント MAX	ポイントMAX到達後の BC当選
③	BC当選の一部	いわゆる謎宿怨チャレンジ
④	AT終了後の一部	有利区間リセットから差枚数約+1000枚到達 (実戦上)

①〜③は差枚数に関係なく抽選されています。②に関してはある程度の吸い込みが必要ではありますが、MAXにさえなっていれば差枚数そのものは関係ありません。

で、本題となるのは④です。

本機は実戦上、有利区間リセットから差枚数+1000枚くらいに到達していればAT終了後に駿府城を経由して宿怨チャレンジに当選するという挙動が確認されています。必ず1000枚ではなく1000枚に到達しなくても発動の可能性はあり、差枚数+1000枚以上であれば実戦上宿怨チャレンジが濃厚となっています。

すなわち1回あたりのAT獲得枚数は少なくても刻んで+1000枚までもっていくことができれば宿怨チャレンジに当選ということです。

そして、これが本機の有利区間切れの挙動となります。

★有利区間切れの挙動
有利区間リセットから差枚数+1000枚以上に到達してATが終了した場合は有利区間を切り、駿府城を経由して宿怨チャレンジに当選する。

これの強いところは有利区間切れの後のATで再度差枚数+1000枚に到達すればまた宿怨チャレンジをもらえるという点です。

宿怨チャレンジは成功すれば最低でもシナリオ9or10ですからね。完全勝利できなくとも1000枚到達できる可能性は十分あります。なんだったら宿怨チャレンジに失敗しても1000枚出せる可能性もあります。

ここで差枚数+1000枚以上獲得し、再度宿怨チャレンジに当選、さらにまた次のATでも差枚数で+1000枚以上獲得……これが宿怨ループと呼ばれる本機最大のトリガーです。

▲絆2のシステムのまま有利区間のツラヌキを実現

マイナスが大きくなるほど宿怨ループが遠くなる

ただ、ここで忘れてはならないのが有利区間リセットからの差枚数+1000枚という点です。

有利区間リセットから差枚数+1000枚に近いほど宿怨チャレンジが近くなる。逆にいえば、差枚数+1000枚から遠ざかるほど宿怨チャレンジは遠くなる。こと宿怨ループに関してはさらに遠くなってしまう。

例えば-3000枚の位置からATに突入しエンディングまで到達し2000枚獲得した。エンディングの恩恵として宿怨チャレンジには当選します。ここで宿怨チャレンジを成功させるも、惜しくもエンディングには届かず1200枚で終わったとします。AT終了時の差枚数は約+200枚。この場合は宿怨チャレンジがでてきません。

これが-3000枚ではなく-2000枚から同じことが起これば宿怨チャレンジが出てきて宿怨ループがはじまります。差枚数によって宿怨ループの恩恵の有無が変わってくるのです。

マイナス域にめりこむほどリカバリーが効かなくなるのは、差枚数+〇〇〇枚にトリガー(有利区間切れのポイント)があるから。吸い込むほどにトリガーが遠ざかってしまうのが大きな原因です。

★天膳の立ち回りポイント
・有利区間リセットからプラス域にいるほど有利
・マイナス域にめり込んだら高設定でも残り時間が重要

現状の差枚数が+600枚ほどであれば早めにATに突入さえすれば有利区間を切って宿怨チャレンジに当選し、宿怨ループが期待できます。逆にキツくなるのはエンディングに到達したあと再度1000枚出して有利区間が切れないポイントでしょうか。だいたい-1500枚からさらにヘコむほど戦いはキツくなっていきます。

このテの機種は現在の差枚数と残り時間を考慮して打つのが単日としては正解だと思います。天膳に関しては純増も低いので残り時間の影響がより大きくなりますね。このように機種によっても変化するのが難しいところです。

このような有利区間切れの恩恵が強く、その恩恵を受けるためには差枚数+〇〇〇枚が必要な機種の代表として、バジリスク絆2天膳、主役は銭形4、にゃんこ大戦争、戦国乙女4などが挙げられます。

▲差枚数・残り時間・純増が立ち回りに影響を与える

吸い込みは悪いことばかりではない

吸い込まれるから一撃性が生まれる

吸い込みは悪いことばかりではありません。

差枚数がマイナスであるほど、いわゆるヒキ損が少なくなります。にゃんこや戦国乙女4はツボにハマったときの上乗せ性能が非常に高く、オーバーキルしやすい機種でもあります。

ともに差枚数が+2000枚ほどで有利区間切れの恩恵を受けられるのですが、例えば+1000枚の状態から大量上乗せをして都合3000枚出せるくらいのゲーム数を得たとします。しかし、この場合はひとまず有利区間の限界である差枚数2400枚までだしてから、有利区間をリセットして別の抽選に移行します。

大量に乗ったゲーム数がリセットされて少し損した気分になる打ち手も少なくないはずです。これらの機種がオーバーキルしやすいのはある程度の吸い込みがあってもリカバリーできるように設計されているからです。

※参考記事
万枚出したきゃ、にゃんこを打て! ぱちスロにゃんこ大戦争 BIGBANGがヤバい

それと、たまーにスマスロであり得ないような上乗せが見られますよね。ヴァルヴレイヴの4桁乗せやSAOで一撃コンプリートなんて報告もありました。据え置き店で数日に渡りかなりのメダルを吸い込んだので、これらの上乗せや一撃が可能になったというワケです。

不利になるばかりではなく吸い込みがあるからこそ起こりえる一撃も存在することも事実なのです。

穢れ的な要素もある

天膳であれば宿怨ポイント、銭形や乙女4も穢れのような要素が搭載されています。にゃんこは天井の性能が高いですね。

吸い込んでもリカバリーできるような仕様は、どの機種にも搭載されているので、押し引きをする際はこれらをしっかりと確認することも重要になります。

吸い込みが関係ない機種

スマスロの特性上、差枚数プラス〇〇〇枚にほとんどの機種が有利区間切れのポイントがあります。しかし、そのポイント以外にも有利区間切れと全く同じ恩恵を受けられる機種も多く存在しています。

吸い込んでも大きな不利を受けない機種ですね。例えば、スマスロ最初の機種Lバキとリノヘブンがそれに該当します。

Lバキの出玉契機

AT中は定期的に上位へのCZ【強喰】が抽選されていて20連に到達すれば【強喰】が確定。さらに上位AT中も同じように【強喰】が抽選されているのでループに期待できます。

★Lバキと似たタイプ
・ゴブリンスレイヤー
・からくりサーカス
など

▲バキのような仕様は開発陣の間で強喰タイプと呼ばれていたとか

リノヘブンの出玉契機

現在の差枚数に関係なく、いわゆるMY(最大ハマりからの獲得枚数)1750～2000枚で有利区間がリセットされます。いくら飲まれていても一番ハマっているところからの出玉が参照されます。

出ていればそれだけ有利区間リセットが近くなることは間違いありませんが、吸い込みは関係ないというコトですね。

★リノヘブンと似たタイプ
・ベルセルク無双
・009 RE:CYBORG
・仮面ライダー 7RIDERS
など

有利区間切れがトリガーにならない機種

有利区間切れがトリガーになっていない機種もあります。いわゆる強いツラヌキがない機種ですね。スマスロまどかfはツラヌキこそするものの強い恩恵があるワケではありません。戦国BASARAやエヴァンゲリオンに関しては目立ったツラヌキがありません。

これらの機種はマイナス域でも大きな不利がなく、むしろ据え置き店で大きく吸い込んでいると思わぬ一撃に出くわすという恩恵すらあります。

差枚数の影響をグラフでまとめてみた

特殊なタイプとしては転スラでしょうか。プラス域を更新すれば転生ループの恩恵を受けられるのでプラス域が近いほど有利にはなります。ただ、それ以外でも条件を達成すれば転生ループに突入できる。

考えると少し複雑かもしれませんがグラフでまとめてみるとこんな感じ。自分の印象を多分に含んでいるので、その点はご了承ください。

少なからず差枚数の影響は受けるので、縦軸はその大小。転スラとヴェンデッタよりも上の機種は立ち回るうえで差枚数の影響が大きくなってきます。ちなみに差枚数の影響が大きい機種＝設定不問でリセットが甘いとも言い換えることができます。これが大きなメリットでもありますね。

横軸は上位ATの依存度。低の機種は上位ATがそもそも存在していなかったり、そこまで気にする必要がない機種です。現行スマスロ機は上位ありきのスペックが多いので大半が右側に位置しています。

ですが、この流れも今年は変わってきそうです。上位ATの性能を抑えつつハードルも低くする。2023年は6号機初期の反動もあってかピーキーな台が量産されました。2024年は高設定域の性能も担保されつつ、低設定でも一撃も狙えるようなバランス型の機種が増えると予想しています。