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元店長カタギリのしくじり機種~歴代パチンコパチスロ事件簿~

元店長カタギリのしくじり機種~歴代パチンコパチスロ事件簿~

2022.11.11

メーカー側で『まわる』と言い放ってしまった『CRまわるん大海物語3』のしくじり物語。

元・店長カタギリ 元・店長カタギリ   元店長カタギリのしくじり機種~歴代パチンコパチスロ事件簿~


私は以前、海物語シリーズのパチンコが嫌いでした。誠意の無い謝罪を繰り返す金髪ビキニの女と、コミカルなフィッシュ達が出て来る年寄り向けの単調な台。どこのホールを覗いても大量に設置されていて概ね客付きは良好。そういった固定観念のせいで、長らく海物語のシマ自体に近付くことすらありませんでした。非日常的な空間の中の日常的な光景が、なんとなく私にとって遠い存在に感じていたのです。

ところが近年、全力壮年となった私にとって海物語のシマは非常に居心地の良い場所となりました。単純と思いきや多くの法則性を持ったゲーム性に加えて、多彩なモードで楽しめる演出。過度に煽り過ぎず、かつ信頼度のバランスも良いリーチの数々。

一方、保留変化に始まって疑似連や役モノ落下、タイトルの色変化やカットインと、延々と間違い探しのような演出が続いた挙句に外れるリーチを見せつけられてきた私は今、海物語シリーズを打つことが、そしてかつての活気を失い客付きもまばらになってきた海物語のシマの居心地が非常に良いのです。あ、今でも海物語シリーズの客付きが絶好調というホールさんはその調子で頑張ってください……。

そんな訳で今回は私も大好きな海シリーズの歴史の中でも、特に注目すべき『しくじり機種』をご紹介いたします。本機に関しては稼働貢献の面から見ればむしろ成功じゃないか、とおっしゃる方もいらっしゃるかとは思いますが、コンセプトから考えると結果はいまひとつだった、それが私の評価です。例えるなら大ブレイクを期待された演歌界の新人が、結果的にお笑い芸人としてプチブレイクした、みたいな感じですかね。 では、前置きが長くなりましたのでそろそろ参りましょうか。

 

★今回のしくじり機種は『CRまわるん大海物語3(SANYO)』

▲CRまわるん大海物語3(SANYO)

導入年は2014年。主に大当り出玉を抑えてスペックを辛くして、その分だけホールが回しやすいようにしただけでなく、実際に回るような設計を施した機種でございます。期待の新人演歌歌手の歌唱力を重視せず、万人受けするトークスキルを身につけさせり、奇抜な衣装を着せてみた、そんな感じの台です。では、しくじりポイント挙げちゃいますね。

 

しくじりポイント1:メーカーによって上げられ過ぎたハードル

本機の導入前後、パチンコ雑誌上では「まわるん大海のボーダーは千円で25回」といった記述が掲載されていました。多くの皆様がご承知の通り、メディアが報じるのはメーカーから提示された情報が基本。メーカーさんが「こういう話題には必ず触れてね」と言われれば大々的に報じ、「この情報は絶対に開示しちゃダメ」と言われれば伏せてしまうものです。つまり、メーカーさんはメディアを通じて『まわるん大海』は昨今の機種よりもガッツリ回る台であると、言い換えればホールがそれだけ回せるスペックですよと、具体的な数字を提示しながらセールスポイントを公表したのです。

ところが、ホール導入後のユーザーの反応はイマイチ。ウチの店でも新台目当てにやってきたファンの期待を裏切らないよう、導入初日から数日間はメディアの報じたボーダーラインの回転数を下回らないよう万全を期しての営業を行いました。が、結果は想定を大幅に上回る大赤字かつ予想外の低稼働。

これではさすがにマズいなという訳でやや厳しめの調整にせざるを得なくなってしまったのですが、ここでネックとなったのが前述のメディアによって報じられたボーダーライン。中には「千円で25回以上しっかり回らない店はボッタクリ!」と激しい論調を振りかざすライターさんもいらっしゃいまして、その流れに追従するかのように顔の見えぬ方々がネット上でホールをブッ叩く訳ですよ。こちらの事情や心情などお構い無しに。

メーカーとしては多少スペックが辛いけど、その分だけストレス無く回る台ですよとアピールしたかった。ところが、いざ導入して指示通りに運用したらホールが大赤字。結果的に『他の機種よりは回るが、メーカーの思惑通りには回せない台』となってしまっただけでなく、ユーザーからは『回せる台のはずなのに、ホールはちっとも回さない』という悪印象を与える結果となってしまったのです。

カラオケで毎回95点以上を叩き出す新人演歌歌手ですよと事務所から紹介されていたのに、いざ歌わせてみたらどう頑張っても93点しか出せない男だったら世間はどう思いますか? つまり、そういうことです。

 

しくじりポイント2:回すための斬新なシステムによる回りムラ

まわるん大海のセールスポイントである『回る台』を実現させるために搭載された新機能は2つ。通常時に約30秒間に1回のペースで開放する『まわるん電チュー』と、その電チューに玉が到達するまでの通り道となる『まわるんスライダー』です。

前者は通常時にも頻繁に電チューが開いて回転数をサポート、後者は本来、釘の箇所をプラスチック製の構造に代えることで電チューまでスムーズに入賞させる機能をそれぞれ担っております。つまり、ホールが電チュー入賞率を意図的に下げにくい設計にしてあったのです。

この電チュー、確かに通常時に頻繁に開放するとはいえ、開放時間は短いため玉を1発も拾ってくれないことも頻発。そのため長い目で見れば回転数は落ち着きますが、千円あたりの回転数は大幅に変動します。つまり、通常の機種よりも回りムラが大きくなってしまうのです。メチャメチャ機嫌のよい時間帯もあれば、急にキレ散らかす時間帯もある新人演歌歌手のような感じですね。 ヘソに直接入賞するのではないため視覚的な感覚からも回る印象が無く、電チュー入賞による回転数の「サポート機能」のため短時間での安定性も欠ける。以上の理由によってに良く回る台という印象は受けにくいのです。

ま、それ以前にそもそも千円で25回の台を打っているのに「回らないよ!」と文句を言ってくる年配の方も多かったですけどね。

 

しくじりポイント3:ズバリ、名前負け

機種名が『まわるん大海』なのですから当然、誰もが今度の海物語はさぞかし良く回る台なのだろうと期待します。メーカーは回る台を提供する、ユーザーも回る台を打ちたい。ところがホールはスペック的に回せる台とはいえ、可能な限り回したくないのが本音です。なぜなら、稼働と利益のどちらも必要だからです。

では、この矛盾をどうすれば解決できるのか。結論だけ言うと、メーカーがホールに自社のパチンコ台を回して欲しいと思うなら『単純に辛い台を出せば良いだけ』です。その台をしっかり回して適正に運用するか、はたまたゴリゴリの回収台にするかはホールが決めることなのですから。後者を選んだホールはファンから見放されて衰退するだけです。

いちいち「回る台」であるとユーザーにアピールしたために評価されにくかったのです。例えば新人演歌歌手の名前が『唄 上手男(うた うまお)』だったら番組のプロデューサーが歌番組に起用しにくくないですか? 視聴者から「そんなに歌が上手くないのに番組に出すなよ」とか思われますよ、絶対。

とはいえ、台を売るためにはネーミングは大事ですからね。例えば『これまでの常識を超えた激しく美味いラーメン』みたいな名前のカップ麺が出て情報番組で芸能人がベタ褒めしていたら、とりあえず一度は食べてみたくなるし、メチャクチャ興味が湧きますよ。ところが実際に食べてみたら確かに美味いけど、期待した程でなければ何度も食べませんよね。まさにこれと同じ理由で『まわるん大海3』も機種名によってハードルが大きく上がってしまった結果、悪くはないけど言うほどじゃないな、と言った中途半端な印象となってしまったのでしょう。

 

★元店長カタギリと『CRまわるん大海物語3』

私が既にホール勤務を離れ、本社のデスクで仕事をする演技をしていた頃の話です。パチンコの新台入替時には、新台導入前と導入後のシマ図面を所轄(警察署)に提出しなければならないのですが、その図面を見た瞬間、私の頭蓋骨が爆発しました。なんと『まわるんパチンコ大海物語3』の導入予定台数が40台近く。小規模ホールである自店のパチンコの総台数の約4分の1という超・大量導入が予定されていたのです。

「この台、絶対にヒットします! 今回は海物語の革命ですから!」 力説する営業部長を前にして首を縦に振らざるを得なかった、意外と押しに弱いウチの社長。軽く1,000万円を超える支払いは大丈夫ですか、もう少し導入台数を減らしましょうよ、と進言してはみたものの、残念ながら社長の私に対する信頼感は避妊具よりも薄いので聞く耳ナッシング。

そりゃそうですよね、任されたパチンコ店を潰してしまった直後の話なのですから……。 そんな経緯で地域一番どころか市区町村レベルでも最大規模の導入した結果は皆様の予想通り。機種選定や導入台数の難しさを痛感させられるエピソードではなく、皆が中穴程度と考えていた馬を勝手に本命視して大金を投じ、見事にハズしただけの話です。

 

★まとめ ~『CRまわるん大海物語3』から学ぶ教訓~

『まわるんパチンコ』自体は現在も『まわるん大海4アグネス』は現役稼働中ですので、仕組みそのものはユーザーに受け入れられた、あるいは慣れたといったところなのでしょうね。今回の場合、システム導入の初期段階による軽いアレルギー反応みたいなエピソード、と言えるでしょうね。

本機のような新機軸を搭載したパチンコ台についてはメーカーも慎重になる必要があります。メディアを利用した情報発信がホールにどのような影響を与えるのか。そういったことを考えるきっかけとなっているのであれば、このような『しくじり』は些末な話となるでしょう。

 

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元・店長カタギリ
代表作:しくじり店長

シルバ〇アファミリーみたいに小さなパチンコ店の責任者から一転、 雑巾がけがメインの業務となってしまった事務員へとグレードダウン。 そんな設定①のスランプグラフのような半生を、隔週水曜日に連載させて頂いております。 タイトルは「しくじり店長」。 パチ屋の店長が平社員へと降格していく逆サクセスストーリーを、 海物語シリーズの泡リーチを見つめるような気分でお読みください。

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▲3店舗を潰した『しくじり店長』の人生録をお楽しみください。(完結)

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