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BAR BIG BONUS #10 ラストキャスト
BAR BIG BONUS #10 ラストキャスト
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岡井モノさん
「ダメです」「反応ありません」「完全に沈黙しました」 サーバーが不安定な時は使徒に襲われたネ○フみたいな雰囲気になる愉快な編集部です。 - 投稿日:2017/02/27 02:43
私は業界タレントが集まるバーの雇われマスター。
7の付く日だけに開く店の名前は「BIG BONUS」。
パチスロ好きなオーナーが開業時に……
いや、今夜はやめておきましょう。
特別な夜に堅苦しい挨拶はふさわしくありません。
そうですよねお客様、いつもありがとうございます。
……ああ、他にはだれもいませんよ、お客様に言ったんです、今この話を聞いている、貴方に。
こうしてオーダー以外のお話するのは初めてでしょうか、お客様はいつも私とタレントさんとの会話を聞きながら、静かに飲んでいらっしゃいましたね。一人を好まれる方はさほど珍しくありませんから、私も必要以上に話しかけることは無かったのですが。
あらためてするお話がこんな内容で申し訳ないのですが、実は、今夜でこの店を閉めることにしたんです。
いえ、確かに儲かっている店ではありませんが、それが理由ではありません。少し旅に出ることにしたんです。それは遠いようで、意外に近い場所のようで、実は私もその場所についてはあまり詳しくはないのですが。
……今夜は少しだけ、この猛禽の話を聞いていただけませんか?
ありがとうございます、では一杯サービスさせていただきます。
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さて、何から話しましょうか。
私から持ちかけておいて、何からと言うのも変な話ですね。
そうだ、私が何故この店をやっているのか、少しお話してみましょう。答えは本文のなかにあると考えていたため、これまで言葉にすることはありませんでしたが、せっかくの機会です、ご贔屓いただいた貴方には特別にお伝えしましょう。
『BAR BIG BONUS』での私は紳士的にふるまうよう努めてきました。
人によっては、鼻もちならないきざなマスターにうつっているかもしれませんね。
ここでのお話は、各社のキャラクターを軸として、過去から現在までの流れにスポットをあてた話のため、ともすれば「昔は良かった」という懐古話に傾倒してしまいます。また、熱が入ると過剰に否定的な表現を使ってしまう危険もあります。
あるものを愛することと、それ以外のものを攻撃することはイコールではありません。きざなバーテンダーは中立を保つための、まさに作られた「キャラクター」でした。パチンコ・パチスロファンにはホール内でも紳士的にふるまって欲しいという願望もありますが。
いえいえ、店員による雰囲気づくりも馬鹿にはできませんよ?
雰囲気というものはとても大切なものです。「楽しそう」「興味がもてない」といった第一印象は集客にも影響します、ここでお話ししてきたタレントさん達も、パチスロ台におけるデザイン面から、「打ってみたい」と思わせるように精一杯の演出をしているはずです。
不動の地位で最前線を走り続けるジャグラーさん。
変幻自在の顔を見せながらも、原点回帰したドンちゃん。
妖しい魅力をそなえる沖スロの始祖、ナミエさん。
神の名にふさわしい破壊と創造を続けるゼウスさん。
液晶演出の魅力でパチンコ界の枠を飛び越えたさやかさん。
圧倒的な力強さで暴れまわり、業界を熱狂させたライオンさん。
日本パチスロを支えた生き字引、ケロットさん。
そのキャラクターがメーカーの方向性さえも決めたリオさん。
たった一機種で状況を一変させた将軍、吉宗さん。
その姿形を見せずとも、思い入れのあるキャラクターというのはそれぞれ勝手に動き出すものです。彼らも異なった個性を持ちながら、打ち手を楽しませたいという想いは一つ。私はそうした彼らの活躍や歴史を、今一度皆さんに知っていただきたかったのです。
そもそもキャラクターとはなんでしょう。
『フィクションに登場する人物や動物など、あるいはそれら登場人物の性格や性質のこと』
言葉の意味としてはその通りですが、それだけではない意味を持つのもキャラクターです。
パチスロにおける初めてのキャラクターとしては東京パプコの『バイキング』でしょうか。もっともこの頃はキャラクターというよりも、筐体に描かれたデザインというような認識でしたね。キャラクターとして認識されはじめたのは、オリンピアのヒット機『バニーガール』あたりでしょうか、セクシーなバニー達に心惹かれたベテランスロッタ―も多いと思います。
その後のキャラクター達はパネルのみならず、図柄に採用されたり、いわゆるその台の顔として認知されるようになりました。液晶が搭載されるようになると、それぞれが競うように個性を発揮し、よりいきいきとした活躍をみせるようになりましたね。
「○○の新台だ!」
印象的なキャラクター達は、その姿を一部を見せるだけで、まだ見ぬ新台にもあれこれ想像させてファンの期待を高めたものです。最近ではプレミア演出として他機種へのゲスト出演も多くみられますね。
ちなみに初の版権キャラクタータイアップは山佐の『ピンクパンサー』です。
版権キャラクターの来店は無かった?
ああ、いわゆる原作ありの版権キャラクターはこれまで登場しませんでしたね。彼らはどうしても原作という別世界でのキャラクター描写が存在するので、パチスロ世界のキャラクターを純粋に見ていきたいという理由から、オリジナルで統一させていただきました。
いえ、せっかくです、タイアップ台と呼ばれるキャラクターの活躍について少しお話しましょう。
近年は映像表現力の向上から、アニメ映像素材を流すにとどまらず、新規アニメや3DCG化されたキャラクターによる演出で、打ち手を楽しませてくれるようになりました。そしてキャラクターの魅力から、新たなパチンコ・パチスロファンを生み出すことも少なくありません。
逆にホールで遊んだことをきっかけに原作ファンになる方々もいるでしょう。まして大ヒット機ともなれば、それが続編や関連作が作られるきっかけともなります。
一方で原作を汚されると、パチンコ・パチスロ化をよしとしないファンも存在します。キャラクターの扱いや展開が原作に沿わないかたちだとそれは顕著でしょう。
例えば原作では無敗のキャラクターであっても、ゲームとしての都合上敗北演出が作られたりします。さらに権利関係でアニメの主題歌が使用できなかったり、声優さんが鬼籍に入られたり。
「原作・アニメと違う!」
と思うのはファンとしては、ある意味当然の感情かとも思いますが、
「違うからクソ台!愛が無い!」
というのはいささか早計、複雑な事情を理解してあげて欲しい部分もあります。メーカー側からしても出来る限り面白い台を作りたいのは、商売上の観点からも当然の話ですし、安易に版権キャラの皮を被せただけという手抜き台は、すぐに見抜かれて淘汰されていく環境です。
まぁ、ゲーム性に関しても首をかしげたくなる台は少なくありませんが……失敬、口が滑りました。
「液晶もキャラクターも不要、シンプルなリーチ目マシンで費用削減!勝率向上!」
「色々な楽しみがあった方が良い、プレミア演出やロングフリーズで盛り上がりたい!」
どちらも正しい言い分だと思いますし、最終的には個人の好みだと言えます。いずれにせよ2017年現在、両方楽しめる環境になっていること自体は喜ぶべきではないでしょうか。ちなみに液晶非搭載のアクロス機も、その多くはキャラクターを採用していることはご存じですよね? もっともいわゆるキャラ台としての認識はほとんど無いと思いますが、さりげない脇役としても味わい深いものです。
たかがパチスロキャラ、されどパチスロキャラ。
キャラクターはまさに台の顔と言えますが、同時に単なる添え物でもあります。歴史を彩った名機のキャラクター達の多くは、機械性能・ゲーム性と共に秀逸だったからこそ人気キャラへとなりえました。
「あの人気シリーズの新台が出る」
まずは打ってもらいたいというメーカーの新台に人気キャラクターを出演させ、注目を集めることは有効な手段です。盲目的に歓迎しろとは言いません、しかし後継機というだけで叩く材料とする昨今の風潮にも危機感をおぼえます。
規定や規制の移り変わりと共に、機械性能も変わっていきます、それはメーカー側が意図しないところで進むことも多いでしょう。それでも出演者である彼等は、その魅力を最大限に伝えようとしています。
「こんな風に進化したんだな」
「あのキャラクターにこんな過去が」
「この演出はこういう背景があったのか」
勝率には何ら影響しませんが、時折彼等について考えてみてはいかがでしょうか。その背後にある歴史や苦労についても、思いをめぐらせてほしいと思います。そしてそれは打ち手のみならず、製作側にも今一度考えて欲しいところです。
時代の移り変わりと共に、メーカーも打ち手も、機械も変わっていきます。しかし、いつまでも変わらぬ顔をみせてくれる彼等に安心感をおぼえませんか? どうせ打つならば、愛着をもって楽しめた方が良いと思いませんか? 当店がその一助となれたのなら、私もバーテンダー冥利につきます。
……丁度グラスが空いたようですね。
さて、お話ししたように本日で当店は店じまい。
振り返るお客様のために、過去への入口は整理し開けておきます。読み返すと稚拙な部分もあり少々恥ずかしいのですが、それも私というキャラクターの顔の一つ、ご興味のある方はエンドロールからどうぞ。
これで今生の別れというわけではありませんよ、むしろまたお会いできるような気がします。私のカンはけっこう当たるんですよ、ART機の押し順当ては苦手でしたけどね。
名残惜しい気持ちもありますが、新たな出会いを期待してお別れしましょう。
それでは一時の暇を、長らくの御愛顧ありがとうございました。
■■■ BAR BIG BONUS ■■■
#1 ジ・エンターテイナー
http://pachiseven.jp/columns/column_detail/5196#contents
#2 パイロテクニシャンズ
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#7 鉄のハインリヒ
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#8 ロールルーラー
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#9 カム オン アタック!
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#10 ラストキャスト
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【作】
岡井モノ
【スペシャルサンクス】
くりくり。 さん
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このコラムへのコメント(26 件)
検索、そんな楽しみ方もあるんですね。
コメント感謝します。
ご来店ありがとうございました。
またの開店、楽しみにしています。
こちらこそ、お客様あっての店です。
ご来店ありがとうございました。
労いの言葉をいただけるとは感謝感激。
ご来店ありがとうございました。
当店はBARでございますのでゲーム機は……っと、明るく見送る貴女らしい一言ですね。
ご来店ありがとうございました。
2号店は開店できるのでしょうか。いえ、いつの日かきっと。
ご来店ありがとうございました。
ニコラシカとはまたお強いですね。私のBARに酔わせるような刺激があったのなら嬉しい限りです。
ご来店ありがとうございました。
いろいろとお世話になりましたね。くりくり。様のようなお客様に支えられてここまで続けることができました。
また喜んでいただけるものをお出ししたいものです。
ご来店ありがとうございました。
ええ、是非次のステージで再会しましょう。
そこがREGULAR BONUSかは……考えておきますね。
ご来店ありがとうございました。