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観劇と感激の間隙
観劇と感激の間隙
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元・店長カタギリさん
シルバ〇アファミリーみたいに小さなパチンコ店の責任者から一転、 雑巾がけがメインの業務となってしまった事務員へとグレードダウン。 そんな設定①のスランプグラフのような半生を、隔週水曜日に連載させて頂いております。 タイトルは「しくじり店長」。 パチ屋の店長が平社員へと降格していく逆サクセスストーリーを、 海物語シリーズの泡リーチを見つめるような気分でお読みください。 - 投稿日:2016/08/30 21:48
何から書けば良いのだろうか…
パチンコ演劇「運と命」を鑑賞してからの数日。
私は、この物語への感想をどのように文章で表現すべきなのか、
このモヤモヤした感情を言葉に変えて、どう述懐すれば良いのか。
その術が見つからぬまま、イタズラなkiss…
じゃなかった、いたずらに時間を垂れ流してしまったのである。
「面白かったのか?」と尋ねられても素直に首を縦には振れないし、
「つまんなかったの?」と聞かれたら曖昧に首を傾けてしまう。
わかりにくく例えるならば、創作料理の店に入ると同時に、
「こちら、シェフの気まぐれ和風イタリアンハンバーグカレーあんかけです」
というトチ狂った名前の料理を目の前に突き出されて、
面食らったままそれを口にしてみたら、確かに不味くはないけれど、
出された料理のコンセプトが良くわからないので消化不良になっちゃった、
みたいな気分なのである。
…べ、
別に素直に「よくわかんなかった」って言えないんじゃないんだからね!
か、
勘違いしないでよねっ!?
…でね。
今回の演劇の中で私が感じた「モヤモヤポイント」、
それを甘栗をむいちゃうみたいな軽い感覚で、
いくつか書きだしちゃいました。
「ここはこうしてくれたらモヤモヤしなかったのにな、
もしくは、これが無かったら素直にスキって言えるのに…」
そんな乙女心、
アナタに届けー!!
(カタギリさん、この文章を完全にノンアルコールで書いてます)
【出てくる神様が多過ぎた】
必要なのはボケ・ツッコミ・死神・貧乏神・喜怒哀楽(1人4役でOK)、
これぐらいで良かったんじゃないッスか?
他の神様が「いつ自分の持ち味を発揮して活躍するのかな?」と、
期待しながら観ていたのに、前半のドタバタだけで終了とは勿体ない。
だったらその場にいる必要あったのかな、とモヤモヤしました。
ただ、
・パチ屋にいる神様がお客さんじゃなくて実はホールの味方だった
・死神をはじめ、他の神様も上司(?)の命令で派遣されている
この2つの設定は非常に良かったと思います。
パチ屋で神頼みしてもダメなのかー、とか、
神様も神様で大変なんスねー、とかいろいろ想像して楽しめました。
ちなみに私はホールでも、
「あと2千円以内にフリーズ引かせて神様!!」
とか平気で呟いちゃうタイプの夢見る乙女です。
乙女なのです。
自己洗脳。
【ホール側の人間に魅力が乏しい】
まず店長のマイクパフォーマンス。
今どき平成初期のパチ屋の煽りマイクをやり始めたので、
いつ誰がツッコむのか期待していたのに、まさかのやり切りとは…
ギャグだと思っていたところが素の演出だったのはビックリです。
ま、マイクの文言は当時を思い出して懐かしかったですけどね。
そんな店長もダメ人間キャラだけれども、どこかでビシッと決めてくれるかな、
と思っていたのに特に活躍ナシ。
見事な「しくじり店長」っぷりにちょっとモヤモヤしました。
あとは、無表情な女性店員。
怒りの神の力によってキレたシーンはすごく良かったけれど、
ひたすらビンタするシーンが目立ち過ぎて、暴力キャラにしか思えなくなった。
これも要所でビシッと1発キメるだけとかなら、ずいぶん締まった役になったのに…。
そして一番残念に思ったのが「神の姿が見えるバイト君」です。
物語の主軸となり得る不思議な能力を備えている彼が、
その役割を十分に発揮して神と人との橋渡しをするストーリー、
そんなベタだけども心震えるヒーローの役割だと信じていたのに、
最後まで持ち味を活かし切れずに終了…
勿体ないな、と終わった後も終始モヤモヤでした。
ただ、パチ屋の主人公は店員じゃなくてお客さんなんだよな、
と思うことでなんとか納得。
きっと、誰もが主人公…
(↑この元ネタがわかった人、相当なオッサンです)
【小ボケの連続がやや食傷気味】
ところどころは「ブフッ!!」と思わず噴き出してしまうギャグもあったし、
明らかにアドリブと思われるシーンでは、演者の人も笑いを堪えるような感じで、
賑やかな雰囲気で楽しかったッス。
ただ、これプロの演劇なんスよね…。
コントとか、学園祭のお芝居だったら全然オッケーですけど…。
しっかり笑いを取るシーンであれば、もっと完成した形で笑わせて欲しかったし、
ましてや涙を誘うシーンで、余計な笑いを取る意味は無いでしょうよ…。
物語の途中からは、中途半端なボケが単なる雑音に思えてきて、
終盤にかけてはもはや、怒りすら感じるようになってしまいました。
ちょっとメリハリが足りないかな、とモヤモヤしました。
モヤモヤ作戦、
開始ーーッ!!
(↑無理矢理に登場させられてキレ気味な西住殿)
あと、
隣で観ていたピノコさんがクスリとも笑っていなかったので、
実はめっちゃビクビクしていました…。
【音楽の意味は?】
オープニング曲がサカナクションの「新宝島」だったので、
将来を誓い合う誰かと共に生きる恋愛要素とかが入っているのかな、
と思っていたのに全然そんなストーリーじゃなくてモヤモヤ。
セツコさんが「日曜日よりの使者」を歌う理由は何なのか、
いつになったらそれが判明するのか、
それが最後まで明らかにならずにモヤモヤ。
挙句の果てにエンディングに「終わらない歌」が流れて、
とうとうモヤモヤMAXですわ。
この物語は「クソッタレの世界のため」の、
「すべてのクズどものため」のお話だったの?
それとも、全く違った解釈をすべきなのでしょうか?
理由がわからなかったのは、私の感性が鈍いからなのでしょうか?
私がブルーハーツ、ハイロウズが大好きなせいもあるのですが、
あまりにもこの演劇と曲がリンクしなさ過ぎて、ちょっぴりザ・ン・ネ・ン。
その時、私の心の中には、
中島みゆきの「世情」が流れておりました。
…と、
ここまでモヤモヤを吐きだしたところで冷静になりましたが、
どちらかと言えば温厚な性格の私が何故こうした憤りを感じるかと言うと、
私自身が間違いなく自分の人生の半分以上をパチンコ店の中で過ごしている、
生粋のパチンコ人間だからなのかな、と思ったんスよね。
パチンコホールを演劇の舞台にするのであれば、
もっとリアルな姿で表現して欲しかったな、と。
たとえば実際の現場(ホール)で起こることを軽く例に挙げてみますね。
「薬物中毒の遊技客が突然、奇声を発して暴れ出す」
「大負けした客が真顔で10万円返せ、と言いながら迫って来る」
「認知症を患った年配の方がホールでブッ倒れて失禁する」
「反社会的勢力の方と思われる男性が、閉店後の店内に乱入してくる」
「まともな衣服さえも着られない外国人ゴト師が、命がけで基板を盗みに来る」
…うん、
全く演劇で再現したくないエピソードばっかりだったネ!!
とはいえ、
パチ屋を舞台にした演劇ならば、これ以上にブッ飛んだストーリーで、
とにかく笑わせ倒して、泣かせ尽くして欲しいという過度な要求を、
脚本家や演出家に求めていたのかも知れません…。
ちょっと期待し過ぎちゃったんですよね、きっと。
もっとバラエティコーナーに1台しか導入されなかった無名メーカーの台に、
なんとなく座った時みたいな気持ちで鑑賞していれば、
「え、思ったより面白いじゃん!!」
という感想に変わっていたのかも知れません。
ちょっと心のバーベルを上げ過ぎましたね。
…ハードルだよっ!! ←こういうのも要らない
しかしながら「運を溜めて奇跡を起こす」というセツコさんの言葉。
あのシーンではさすがに胸を打たれてしまいました。
ひたすらハマり続けているパチンコ狂のオバちゃん。
周りから見れば、ただそれだけの光景かも知れません。
しかし彼女は自分の息子のために、ひたすらパチンコで負けることで、
運を溜めて奇跡が起こることを信じている。
そう考えると、ただ惰性でハンドルを握り続けているだけに見える人にも、
実はそれぞれに大切な理由を抱えているのかも知れませんね。
…うん、
イイ話にもっていこうとしたけど、そんなに盛り上がらないね…。
最後に今回の演劇のタイトル「運と命」、
その言葉の意味について考えてみました。
パチンコでの勝ち負けには、運の要素が少なくありません。
そしてまた人間の命の炎が燃え尽きてしまうタイミングも、
少なからず運の要素に左右されます。
その運を、そして命の終わりを司る神様たちがもしもホールに存在するとしても、
きっとその声は人々の願いと共に弾き出される鈍色の玉の飛び交う喧騒にかき消されて、
誰かの声に届くことは無いのでしょう。
そして、もしもやっぱり神様なんて存在しないのだとしても。
ほんの数時間後の結果であれ、数十年後の未来の結末であれ、
命のある限り、人は運を変えられることができるんですよ?
真犯人を知っているミステリー小説を読む気が起きないように、
試合結果を知っているサッカーの試合が魅力に乏しいように、
大事なことは知らないほうが、きっと楽しいじゃないですか。
それは、パチンコも人生も、間違いなく同じことでしょう。
「運」で「命」を救おうと神頼みするのも、
「命」のある限り「運」を自ら動かそうと努力するのも、
きっと人間が、未来を知ることの出来ない存在だからだ。
そんな意味が込められていたのではないでしょうか。
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元・店長カタギリさんの
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このコラムへのコメント(6 件)
モヤモヤする部分が多過ぎて、物語に集中できなかったのがとても残念でした。
出演者の皆さんは、魅力ある個性の集まりだったので、
またこのメンバーで違った内容のお話も観てみたいな、とは思います!
インプロレスGMさんの感想を読んで共感する部分も多かったし、
確かにおっしゃる通りだわ、と感心してしまった点もありましたね。
パチ屋のリアリティの無さについても全く同感です。
もちろん演劇を観に来るのはパチンコユーザーだけではないにせよ、
少なくともパチンコファンやホール関係者が見てソレは無いだろ、
と感じるようなものにはして欲しくなかったですよ。
ああ、この脚本家はパチンコわかっているなというシーンや、
この演者さんはパチンコ大好きなんだな、という演技やセリフがあれば、
印象は全然違うものになったのにな、と思うと残念でなりません。
私も、より進化した舞台になっていればまた是非とも観てみたいですね。
演者さん自身はそれぞれの個性を活かした演技をされていたので、
もうちょっと何とかしてあげられなかったのか… と残念に思いましたね。
「惜しいなあ」と思うことが多過ぎて、物語に集中できませんでしたよ…。
もし次回も演劇があるのならこういう貴重な感想が活かされるといいですね。
自分は演劇の世界に10年ほどいて、またパチ歴も20年ほどです。
パチ屋さんでのバイトもしました。
なので色んな側面から観て今作。
本当に何もかもが中途半端だなぁと。
脚本や演出に関してもそうなんですけど、とにかく残念なのはパチンコ屋さんのリアリティの無さなんですよね。
次は、いや次も絶対にやって欲しいんですけどパチンコを分かってる人に作って欲しいです!
観劇・感想お疲れっした!
題材が問題ではないですね。
私が今居るまさしくこの業界では
それはそれは厳しいやりとりを見てるので
あえて観に行きませんでした。
くりくりさん、たいるまん、カララギ店長、ユイリィ他、
とっても伝わってきましたw