カタギリ、負け犬になるの巻

平成27年11月29日。

世間では「いい肉の日」とか呼ばれてちょっと天狗になりつつある、

とても縁起の良いこの日、

埼玉県草加市にある某ホールにパチ７の関係者が集まる、

という怪情報を耳にした私は、

その前日に腹ペコ仔猫ちゃんがミルクを飲み干すかのように、

それはそれはスムーズに消えていった4万円を取り戻すべく、

いざ埼玉へと向かったのでございます。

そして私のお隣にはポンチ絵描きの「まろっこ」さん。

この和菓子なのか揚げ物なのかよくわからない名前の娘さんが、

ホール内での実戦と来店客への似顔絵サービスを行うという、

まさに命とお金を削るようなお仕事をされるということで、

私は彼女の荷物持ち＆後頭部ひっぱたき係として、

ありがたく同行させていただいたという訳なのです。


今回はその他にパチ7編集部からカモ原さん、

そして「マサシゲちゃん」という方もいらっしゃるとのこと。

私の知っているマサシゲちゃんというと、

南北朝時代の武将である楠木正成（くすのきまさしげ）ちゃん、

彼ぐらいしか知らないのですが、

まさかのご本人登場があるのでしょうか？

ご存命なら御齢720歳オーバーぐらいだと思いますので、

「マサシゲちゃんってメッチャ長生きッスよね！！」

というラフな感じで話しかけていいのか、

あるいは「その甲冑マジでシブいッスね…」

みたいにちょいリスペクト感を出すべきなのか、

そもそも「ちゃん」付けで呼んでいいのだろうか、

などと真剣に悩んでいたところにやって来たのは、

お姫様系女性ライターの政重友紀さんでした。

これにて私のお悩みは解消。

ちなみに彼女は甲冑は着ていませんでした（しょんぼり）。




そして今回の実戦ホール名はズバリ、

「ＤＯＧ草加店さん」です。

どこからともなく頭が３つある犬の遠吠えが聞こえてきそうな、

あるいは「フォルテシモ」や「アンビシャス」が流れてきそうな、

そんな屋号のホールさん。

その名のとおり店長が徳川綱吉をリスペクトしていて、

3万以上ヤラれている客にはマルチーズを抱っこさせてくれるとか、

逆に5箱以上も出している客には土佐犬をけしかけるみたいな、

ほっこり＆バイオレンスなホールさんだとばかり思っていたのですが、

現実は違いました。

その代わりに目についたのが、

「他店とは明らかに違う頑張り具合のパチンコ台」です。

カタギリさんこんなパッカーン台、

現役時代には自分の店でもめったに用意しませんでしたよ。

私はそんな店内の状況を確認するや否や、

下着ドロボー顔負けの素早さで入店してスグのカド台をゲット。

玉箱を積み上げたらメッチャ目立つ場所の台に座るという、

大人のいやらしい考えを丸出しにして遊技開始です。

あとは6万発ほど出して焼き肉を食べて帰るだけ。

なにせ今日は「いい肉の日」なのですから。

ちなみに勘の良い読者の方は既にお気付きでしょうが、

この時が私のピークです。





私が最初に（←最初に、の時点でお察し）遊技した台は、

「CRゴールデンゲート」という、

199分の1の大当り後に付いてくる70回転の時短、

そのタイミングでさらにもう一度うまいこと大当りを引くと、

継続率が約95％という夢のようなSTが付いてくる、

何だかよくわからないけどスゴそうな台でした。

開始早々にカモ原さんから、

「政重さんがビッグドリームを1500円で当てました」

という私にとって1ミリのメリットも無い報告をしてきたので、

既に腹の中はマグマでいっぱいです。

しかしこのマグマが噴火することはなく、

結局はSTにつながらない当りを2回ほど当ててこの台は捨て。





そしてこれ以後の5時間、

私は記憶の大半を失います。




かすかに覚えているのは、

私の投資額が4万だか5万だかを超えた頃に、

まろっこ（敬称略）が「CRビッグドリーム」に座っていたこと。

ここで私のするべき仕事は彼女の頭をブッ叩いて、

ビッグなドリームのことはいったん諦めさせること、

つまり正気に戻してあげることでしたが残念、

私の方が既に正気ではなかったのです…。




気が付けばお外は真っ暗。

私のハートも真っ暗。

私の乳輪はダークイエロー。

本日のお会計、

しめて66,800円なり。

前日の４万円負けを合わせると、

２日間トータルでアルプス11万弱の負けです。

アルペン踊りすら踊れません。

なんだか私、

まばたきの回数も極端に少なくなっているような気がしました。

なんだか涙すら出にくくなっていたもの…。



ひとりぼっちで駐輪場でしゃがみこんでいると、

掃除のオバちゃんに迷惑そうな顔をされましたが、

もう立ち上がる気力すら残っていませんでした。

さらにしばらく待っていると、

見事に勝利を飾ってステキな笑顔で店を出てくる政重さん。

なぜかお彼岸のような足取りのまろっこさん。

そして、

故人を偲ぶような雰囲気で私のことを見つめるカモ原さん。

DOG草加店でヤラれて文字通りの負け犬となった私は、

いい肉どころか犬のエサすら買うお金さえも無くなった、

そんな辛く悲しい1日でした…。





追伸：この日は他にも大勢のパチ７コラムニストの方々が、

政重さん目当て（←決めつけ）でご来店されていたようですが、

ほとんどご挨拶できなくてスミマセン。

できれば３～４箱ほど出したところで皆様にお声をおかけして、

「イヤ～どうもどうも私がカタギリです、

まだまだ連チャンが終わらなそうな、

パチンコ界のトップブリーダー・カタギリですわ！」

という感じの悪い、

そしてセンスの無いご挨拶をしようなどと思ったのがいけなかったのでしょう。

皆さんごめんなさい。

そして、

私がヤメた「CRゴールデンゲート」は夕方ごろ、

人間体感器みたいにプルプルと震えながら打っていたおばあちゃん、

彼女の手によって軽く10箱ほどの玉を吐き出しておりました。

パチンコの世界は正に食うか食われるか。

ドッグ・イート・ドッグですな。

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