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タイアップパチスロが生み出した驚異のお笑い空間
タイアップパチスロが生み出した驚異のお笑い空間
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岡井モノさん
「ダメです」「反応ありません」「完全に沈黙しました」 サーバーが不安定な時は使徒に襲われたネ○フみたいな雰囲気になる愉快な編集部です。 - 投稿日:2023/08/28 23:13
アニメタイアップ機がもはや当たり前となった昨今のパチンコ・パチスロ。ホールには著名アニメの版権機が並ぶだけでなく、遊技機としてのヒットをきっかけに注目が集まる版権もあり、昨今のパチンコ・パチスロとアニメは親和性の高い関係と言えます。
一方でアニメタイアップ機には問題点も指摘されています。パチンコ・パチスロとのタイアップそのものに拒否感が強い層の存在もさることながら、原作アニメを視聴していないと演出の意味が理解しにくい部分や、逆に遊技機のオリジナル演出が原作設定からかけ離れてしまうといった指摘もみられます。
それゆえにタイアップ機のメーカーは通常時のセリフ演出等に設定やキャラクターの説明を盛り込んだり、バトル演出では初見でも敵味方がわかるような見せ方で“どうなれば当たるのか”をわかりやすくしているのです。初代のパチンコエヴァでは複雑な原作設定を知らない層でも使徒を倒せば当たりだとわかるような見せ方ですよね。バジリスクの風待将監vs夜叉丸はかなり怪しいですけど……。
さて、そこへ来てこの『パチスロBLOOD+ 二人の女王』。
パチスロとしてはA+ART機で、ややARTに重きを置いたゲームフローとなっています。イケそうな気にさせる通常CZなどしっかり作りこまれており、サブ機種的な位置付けでホールにもそれなりに設置がありました。通常時からでも1/2でART1000G上乗せとなるDEAD or ALIVE演出があった機種といえば思い出す人もいるでしょうか。
そしてこの機種の演出ですが、通常時は私のような原作アニメ未見勢にも理解できるフレンドリー仕様です。主人公の小夜(サヤ)が世界中を転々としながら剣でバケモノをぶった切るという、少年ジャンプで育った男子にとっては三平方の定理よりもすんなり理解できる基本展開。やはり暴力、暴力はすべてを解決するのです。
次第に最大の宿敵が妹というストーリーが明らかになり、それがサブタイトルの二人の女王の由来となっています。おお、なんという悲劇、演出中でもたびたび「妹と闘いたくない……」「決着をつけなければ、でも……」といったように葛藤する小夜の姿が描かれます。
そしてARTの上乗せ特化ゾーン、女王血戦は妹でもある宿敵ディーヴァとの直接対決が舞台です。パチスロとしての叩きどころとストーリーの盛り上がりを合わせて持ってくる、これらが一体となった楽しみがタイアップ機の魅力のひとつでしょう。さぁこの闘い、いったいどうなってしまうんだ……?
……?
…………?
えっ、いままでそんな天の声みたいなナレーション無かったですよね? なんかFMラジオのゴキゲンDJみたいな感じでゴートゥサヤペーイ♪言うてますけど、急にどうしました?
いや、意味はわかりますよ、ええ、小夜の攻撃チャンスであることを示して盛り上げてくれてるんですよね。もし原作でも小夜が剣を振るたびにゴートゥサヤペーイ♪と鳴り響いていたなら再現にこだわった演出ということになりますが、たぶん違いますよね? ガキ使(お笑いバラエティ番組)でネタとしてこすられまくったショウヘイヘーイを思い出すんですよ、このシリアスな場面で。笑わせようとしてます?
やめろ、キリッとするな。
まぁいいでしょう、ちょっと面白い感じになっちゃったけど、わかりやすいことには違いありません。注目すべきはここから、ほんの数分前まで妹と刃を交えるなんてとんでもねぇみたいな発言を繰り返していた小夜、果たして闘うことはできるのか──!?
できたー!! 顔面にいったー!! そんで10G乗ったー!! ええーっ!?
あぁーっ!! またいったー!! 正確に同じところに斬撃を加える!! お姉ちゃん残忍!!
さっきまでの葛藤はなんだったのー!! 執拗な顔面責めー!!
あぁ、ほら妹のフェーズになったよー!! きっと怒ってるよー!!
あまい! じゃないんですよー!! カウンターでまた顔面に剣を叩きこんで上乗せー!!
サヤペーイ♪ もうやめてー!! 妹の顔面がスライスされてハンバーガーみたいになっちゃうー!!
という具合に、テンポよく妹の顔面に攻撃を加え続ける情緒不安定な姉とゴキゲンDJというバイオレンスなリズム天国のような特化ゾーンが女王血戦です。
おそらく原作では本当に盛り上がるシーンなんだと思います。それをパチスロ演出という枠に当てはめた際にシリアスな笑いが生み出されてしまったのでしょう、私は女王血戦に入ると上乗せの嬉しさとは別の意味でいつも笑っていました。サヤペイしゅき(はぁと)
5号機パチスロの転換点となった『ハナビ(5号機)』や誇張され過ぎた妙な演出の『賞金首2』、七色に輝くゲーミング中年親父が出現する『かまいたちの夜』など好きな機種はさまざま存在しますが。この9年間ので出た好きな機種のなかでも、制作者の意図とは別になんかおもしろくなっちゃった機種部門があるとすれば間違いなく上位に入ると思います。
ともすればアニメタイアップ機は演出といいながら原作ムービーを垂れ流しているだけという批判もありますが、しっかりと作られている機種ならばハンドルやボタン操作と連動する展開や出玉を伴うストーリー展開など、打ち手の気持ちと一体化して楽しめるのも魅力のひとつ。
この『BLOOD+ 二人の女王』も間違いなくしっかり作られている機種であり、決してアニメムービーを乗っけただけのパチスロではありません。ただちょっと部分的に合体事故が起きているだけなのです。単なる原作人気への便乗ではなく、遊技機になることで新たな側面をみせてくれた本機は9年間に出た中でもっとも演出が面白い機種だと思いました。
なお、これは私がたまたま笑いのツボにハマったというだけであって、何も感じない人も多いと思います。個人的にはターミネイトおじさんとか、笑いそうになる演出は他にもあります。
家族の愛を求めていたらしいですが、この数分後に妹の顔面に剣を叩き込みます。聖帝サウザーなら愛などいらぬと叫ぶことでしょう。
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岡井モノさんの
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このコラムへのコメント(14 件)
初期の3D演出機種ってあまりカメラワーク考慮されてないから、一時的に変な画面になることありましたよね。たぶん初代戦国無双ってここ9年じゃないけど(笑)
初代戦国無双の慶次ARTで、ナビ子役を獲得した後に画面を見守ると慶次が超間抜けヅラでアップになるので毎回見守るため消化にクソ時間がかかった思い出。。。
ここ9年間の機種かって?さぁ??
サヤペイって言ってる間は上乗せされてるので、打ち手のテンション的には間違ってないんですけど、なんか世界観とマッチして無いんです(笑)
テンポがいいのでパチスロ演出として不快感はありませんが、世界観としてはちょっとギャグっぽくなっちゃってます。
アニメは普通に面白いそうですね。
特化ゾーンを目立たせることに注力し過ぎた感はありますが、+10Gで爆音が鳴るプロジェクトアームズとどっちが良いのか……
おそらく本人たちは大真面目なんですけど、冷静に考えるとナレーションの唐突感はけっこうあります。
コラム読了後サヤペイが記憶に添えられました