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プレミアムな人生

年末年始記念お題帳『あなたの人生を変えた機種』 | コラム

プレミアムな人生

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ダストさん
投稿日:2023/01/11 17:42

プレミア演出が好きだ。

昔の偉人もおっしゃっていた。「プレミアで当たる台は、好調なのです」と。

お気に入りの台でプレミアを見るために、湯水の如く金を使った。北斗のミスミじいさんの「今日より明日なんじゃ」くらいのテンションで、「金よりプレミアなんだ」と胸を張って叫んでいた。

4号機のドンちゃんでは、田吾作との仲直りを先に出した方が一万、という過酷な勝負を友人のKと行った。周囲が緑や青の演出を楽しむ中、我々はひたすら赤ドンで田吾作と戦っていた。

アルゼさんが「どうぞこの台をまったりと楽しんで下さい」と言わんばかりに用意してくれたBIG中の複合14枚役、それさえ取れれば機械割が1でも100%を超えると言われていたが、まだスロットは駆け出しの身である我々にとって、ビタ押しは高すぎる壁だった。俗に言う「14枚殺し」という名の中段チェリーをビシバシ決めた結果、アルゼさんがしかめっ面をするくらいドンちゃんの機械割は下がった。

赤ドンは他のドンに比べて、とにかく演出が長い。かつ、最後まで見なければ結果がわからないため、気の短い俺やKにとっては最悪のドンだった。しかもそのほとんどがはずれのため、一日実戦には相当の忍耐力を要する。そんな戦いを一週間ほど送っただろうか、ついに待ち侘びた瞬間が訪れた。

「ドシューン」という効果音とともに、赤ドンと田吾作が睨み合う。

「ハイハイどうせいつものでしょ」

何度も何度も裏切られたため、一切の期待を持たず左右中とリールを止め、負けた瞬間次のベットを、と構えた時だった。ドンと田吾作の動きがとまった。見つめ合う二人。

「仲直りきたあああああ!!」

あの一週間でいくら使ったかは、記憶にない。しかし、今でも見つめ合う二人と、そのボーナスがバケだったことは、俺の脳にしっかりと刻まれている。
ついでにいうと、Kから一万貰いそびれている気もするが、そんなことはどうでもいい。仲直りのプレミアを見れたことが、全てだった。



俺も家庭を持つ身になり、金の大切さが身に染みてわかるようになった。数々のプレミアを見るために使った金は、計り知れない。こんな無駄遣い、他に思い当たるのは、ドリランドにはまった頃、毎月五万ずつ課金したことくらいだ。

俺をこんな身体にしたあの台を、今でも恨むことがある。

「パチンコルパン三世」に出会わなければ、俺はこんな人生を歩んでなかっただろう。

リミッター全盛の時代に颯爽と登場したパチンコルパン三世に、俺はどハマりした。

ここで、ルパンを製作した平和に言いたいことがある。

ルパン好きって言ってる人間の8割、いや9割が好きなルパンって第二シリーズとカリオストロだから。

通ぶってとっつぁんのことを銭さん(原作ではこう呼ばれている)と呼んでいる俺も、もちろんそうだ。
俺たちが好きなルパン、それは学校から帰ってきて、オレンジ色の光が差し込む居間で、母親の作る夕食の匂いを嗅ぎながら見ていた、あのルパンなのだ。

初代のルパンを作った方は、きっとそんなファンをよく理解していたのだろう。

次元は銃を打ち、五ェ門は切り、ルパンは掃除機で吸う。これだけでルパンファンは満足できるのだ。

予告も良くできていて、変動と共にバリバリバリという音と共にヘリコプターが出現すれば不二子のパンツに期待し、なくても中出目が滑ればそこそこ熱い。リーチがかからなくても青数字のハサミ目は全回転のチャンス、と最後まで楽しめる仕様となっていた。

とにかく演出全てが俺の心を鷲掴みにし、毎日毎日ルパンと戯れていたあの日、あのリーチに出会わなければ、今の俺はなかっただろう。

液晶が始動し、「ヘリは無しか…、ならば滑り待ちだな」と心を切り変えたが、変動が止まらない。バグを疑うレベルで回り続けていた。これは店員を呼ぶか、と呼び出しボタンを押そうとすると、

「バリーン」

画面が割れ、7が揃っていた。

本機のプレミア中のプレミア、百発百中リーチだ。

その瞬間頭の中でビッグバンが発生し宇宙が誕生したような、それくらいの衝撃があった。全身の穴という穴から興奮が溢れてくる。

たまんねえ。まじ、おかしくなるわこれ。

ルパンが撤去されるまで、あの感覚をもう一度、と数えきれないくらいルパンを打った。
ピーワールドで検索した結果、日本にあと数店舗にしか残っていないと分かった時は、群馬の山奥にまで足を伸ばした。

結果的に、百発百中リーチは20回ほど経験できた。確変中を除く、通常時のいわゆる野生の百発百中リーチはその半数くらいだろうか。こんなに打ち倒した台は、ルパンの他にはないと断言できる。

クラリスではないが、間違いなくルパンは俺の心を盗んだのだった。



過去は変えられない。

パチンコを覚え、プレミアに金を注ぎ込んだ自分に後悔するばかりの毎日だ。

しかし、安酒を煽り、寝ている子供達の寝顔を見てふと思った。

パチンコに出会わなければ、プレミアに狂わなければ、嫁に出会うこともなく、この子たちにも出会わない人生だったかもしれない。

腐った過去も捨てたもんじゃないのかもしれないと思い、涙が込み上げてきた。
この想いを一刻も早く伝えねば、と寝ていた嫁を叩き起こし、

「将来…この子たちがどんな人生を送るかわからないけど、俺みたいなやつ連れてきても許してあげような」

と伝えた。

すると、

「え、何言ってんの?そんなん連れてきたら、速攻目潰しキメるわ」

との答えが返ってきて、冷静に考えるとその通りだな、と思った。




11

ダストさんの

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このコラムへのコメント(9 件)

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mare
投稿日:2023/01/27
ダストさん
1/100000よりは全然軽いと思います!トータル50000ゲームも回してないと思いますが複数回捕捉できたので…
ドンちゃん2、まずは赤を十分嗜んでから…と思い打っていたら、青赤触る前に目の前から3人とも居なくなりました
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ダスト
投稿日:2023/01/26
mareさん
6号機もこれなかなか出ないですか?
4号機のはまじで拷問でした。確定画面になると演出がなくなるし…
マイデータでは多分10万分の1くらいだったと思います。
ゴッド10回以上の価値は間違いなくなかったかと。

その後、緑と青やりましたがめっちゃ楽しかったです。
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mare
投稿日:2023/01/26
6号機のドン2ですが、毎回マットに寝そべるドンさんを見ては諦めて中々撮れなかったのですが、一度だけ撮影できました!

プレミア演出、それに至る状況も込みで心に残りますよね
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ダスト
投稿日:2023/01/12
Alisaさん
サム出て2連で終わった時、デトロイトメタルシティのSATSUGAIが頭の中に流れましたよ…あの嘘つきが!

そうです!
全ては繋がっていたのです!
でも、子供にはギャンブルを覚えさせないようにしようと思います!!
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ダスト
投稿日:2023/01/12
おじパチさん
読んで頂いてありがとうございます。
第二シリーズとカリオストロはまさに神作でしたね!
第三シリーズをはじめて見た時衝撃で数分フリーズしました。

娘がギャンブラー連れてきたら友達でも許しません!!
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ダスト
投稿日:2023/01/12
あきうめさん
お金を賭けないパチンコはあんまり…だったのですが、ルパンならば別です。もしもゲーセンにあったら飛びついてしまうでしょう。

もはや実機ほしいとすら思ってます。
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Alisa
投稿日:2023/01/12
プレミア出た台は、終日打つ価値がありますよね。絶好調の証拠ですし☆わかる。そして、すべてはつながっているのですね。ボクたちの狂った過去も、すべて意味のあるものだったんですね。そう思うと、少し気が楽ですw
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投稿日:2023/01/11
わかります。
至高のルパン三世はカリオストロというのも分かるし、
人によっては
「カリオストロのルパンはルパンの変装をしたコナン(未来少年)だ」
という意見もわかります。

>「え、何言ってんの?そんなん連れてきたら、速攻目潰しキメるわ」

娘が自分によく似た男を連れてきたら、
「え?大丈夫?」
という自信があります。
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あきうめ
投稿日:2023/01/11
わかる(わかる
ルパン三世はカリオストロわかる。
何回も見てるのに初見みたいな感動を覚えるのは私の記憶が素晴らしいから(悪い意味で)

私も初代ルパン三世がファーストパチンコでしてね。
百発百中リーチの瞬間に全く同じ事を思って「やべぇどうしよう壊した俺○校生なのに」ってなったのはいい思い出です←

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