勝ち勝ちくん

勝ち勝ちくんを購入したことのある方はいらっしゃいますでしょうか。

小役が揃ったらボタンを押してカウント。総ゲーム数を入力することで、現在の小役の出現率を瞬時に計算できる優れもの…優れものか？これ。

ダイソーが本気を出せば100円で店に並ぶであろう代物が、当時2000円くらいで売られていたような…いまAmazonで見たら、3500円とかするんですよ。

大体カウントなんて、メダルを重ねたりメモを駆使すれば容易にできるし、その2000円は朝一リセットを狙ったり、天井へのチケット代にしたほうがよほど有意義に使えるはずです。

そんな2000円の無駄遣いの筆頭ともいえる勝ち勝ちくん、自分は今まで10台は購入しております。当時の彼女にプレゼントした分を含めると、11台は買っているでしょう。

たわわに負けた夜、もう二度とパチスロなどやらんと燃えないゴミに出したこともあります。

負けた腹いせに鉄拳制裁をお見舞いし、液晶を台無しにしたこともあります。

それでも、パチスロに関する傷の回復力が人一倍優れている自分は、一晩寝るとすっかり元気になっており、再度勝ち勝ちくんを購入し、元気よくホールに向かっておりました。


エヴァやサクラ大戦、デビルマンとともに5号機が始まったあの頃、自分は「パチスロ、死んだな」と思っていました。高純増が当たり前だった4号機に溶かされていた我が脳は、だらだら小役が揃いボーナス確率の重い5号機を拒否していたのです。

その後、ジャックと豆の木やプレイボーイ、アクアビーナスのゲーム性に心が動かされますが、それでも以前のような興奮を味わうことはできませんでした。

そんな時発売された勝ち勝ちくん。発売とともに売り切れが続出しておりました。自分はミーハー体質なので、パチスロに興味がなくなってきたとはいえ「品薄」というワードに弱いため、コンビニを巡回し続けること数ヶ月、ようやく家から遠く離れたセブンイレブンで勝ち勝ちくんをゲットしました。すぐに使ってみたくてその場で箱を引きちぎり、勝ち勝ちくんを使用するのにもっとも適していそうな、エヴァ魂の軌跡が設置してあるホールにその足で出撃しました。

入店とともにまっしぐらにエヴァに向かい、迷わず10000円札を投入、いよいよプレイ開始です。

ベルが揃ったらボタンを押す。1000円で大体5回くらい、スイカやチェリーが出現したら7回くらいボタンを押す機会があるので、割と忙しい。
そして、100回転ごとに出現率をチェック。
このくらいの回転数だと確率にブレがあるので、例え設定1を打っていたとしても、出現率が6の数値を超えていれば「もしかして」の気持ちが生まれ、次の100回転をドキドキしながら迎える事ができる。下回ったとしても確率の偏りで次の100回転はベルを多くひけるかもしれない。

その日は1000回転付近まで優秀だった小役確率が、2000回転を超える頃にはこりゃ1か、という数値に落ち着き、ボーナス確率はというと更に目も当てられない数値だったのでボロ負けで退散することになりました。しかし、負けたにも関わらず、自分の胸には不思議な充実感がありました。

小役確率の良い台は、高設定への期待が高まります。ベルが揃うと「はい、ノーマルリーチ」、分母の大きいスイカやチェリーは「おう、スーパーリーチか」と、頭の中でパチンコに置き換えた演出が発生し、退屈なはずの通常時にほどよい興奮を感じることができたのです。

先に述べたように、メダルを積み重ねたり、メモを取っても小役の計算は可能です。しかしながら回数を重ねると、高く積み上げすぎたメダルの塔はいつしか崩れますし、メモもベルが揃う度にペンを手に取るのが煩わしい。勝ち勝ちくんのボタンを押す、という行為は「ちょうどいい具合の暇つぶし」だと思うのです。

5号機は、出玉だけならば4号機には敵わないでしょう。しかしながら、通常時のゲーム性は小役に設定差を設けた5号機の方が、勝ち勝ちくんとの合わせ技で4号機を超えた、と実感できるようになりました。



いったん心が離れたユーザーを取り戻す、というのは非常に難しいことだと思います。それを、5号機の開発陣と勝ち勝ちくんは見事にやってのけました。
状況は今のほうが遥かに厳しいですが、まだ黎明期である6号機に見切りをつけるのは早計であり、未知のゲーム性が生まれることを期待してやみません。　


最後に、自分の5号機ベスト5ですが、「甲乙つけがたい好きな機種」のうち、まずは勝ち勝ちくんが実力を発揮する以下の2台。大好きでした。


エヴァンゲリオン魂の軌跡

機動戦艦ナデシコ

次に、5号機で唯一万枚を出せた

攻殻機動隊

最後に、いついかなる時でも楽しく打てる

ハナビ



そして、「5号機で最も好きな機種」

ミリオンゴッド凱旋

すいません、長々と勝ち勝ちくんについて語りましたが、全てを蹴散らすくらいの破壊力に満ちた凱旋が、100馬身差の圧勝でした。

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