らびめぐのへべれけ！▲▽スピリッツ『軍団』のトップ～トシにぃとの出会い～・スピリッツ

らび＆めぐ【らび＆めぐ】へべれけ！ ▲▽(プラマイ)スピリッツ in 北海道

はじめましての方が、はじめましてではなくなることを願って…

北の大地に生息する、ちょうどいいデブス、らびっとパンツァーです！

そして、花を添えてくれる絵師さんは、同じく北の大地の住人、めぐむ氏です！
（時々文章も書くよ！）

勝って▲酒にありつきたい～！今日も今日とて、美味しいお酒の為に実戦！

皆様からも「このお酒美味しいよ～！」「自分の好きなお酒を擬人化してほしい～！」などなど、気軽にコメントよろしくお願いします♪

★『軍団』のトップ～トシにぃとの出会い～・スピリッツ

もう今月でスロット引退しよう……。

まって！言い訳を聞いて！

途中で収支が万枚を余裕でこえて調子こきました。

まってまって！まだいい訳はあるから！

「今引き下がらなければ絶対あがる！」っていう謎の自信とメ〇カリの金運占いの結果で「見たことも無い額の金運があるでしょう」的なことを書かれていたことを信じてぶっこみました。

もしこのまま今月負け続けたら…スロット引退しよう…。

私は去年からアルバイトをしていた。そして、そのアルバイト先で「死ね」「デブるから食うな」「イラつくからもう来るな」等々パワハラを受け、こころの病気になってしまった。

貯金もちょっとあるし、元々は手に職を持って自営業をやっていたので、またそれを始めようと思いつつ、パチ屋に行くことが多くなった。

そして3月……初めての月間収支プラスを叩き出し、パチスロで勝つという楽しさを知った。

パチスロが私の癒しだった。

彼氏のダー様は大のパチンコ好き。曲やスコアを作ったりなど、音楽のエンジニアとして自営業をしていて時間に融通がきくので一緒にホールに通っていた。

ただ、最近はパチンコは負けすぎるので禁止に(笑) 最近はもっぱらスロットの狙い台が1つに定まらない時の保険として打たされ、まだまだスロット初心者。

大阪から北海道に移住してきたばかりなので、もちろん私のマイホデータを把握している訳はない。最近データ取りの情報に少し慣れてきたかな～程度。データを毎日私はノートに書き、これまでの過去データから次の日の狙い台を決める。

悩んでも誰にも相談することはできない。自分のバイオリズムやヒキだけじゃなく、ダー様と自分の2人分を考慮し、ようやく勝つ可能性を見つけ出す日々。

思えばスロットを私にちゃんと教えてくれた人はいない。

例えて言うなら、独学のトレーニングだけでマイホという地区大会で勝つために1人で試行錯誤して戦った感じっていうのかな…。

孤独な戦いだった。

勝ってるうちはそれでもよかった。

マイホのバジリスク絆（以下バジ絆）が熱い日に設定が入らなくなり、私達が触れないGOD凱旋に設定を入れ始めた。

そこから私の収支がマイナスに直滑降。

今まで取ってきたデータが何の役にも立たない。

「でも」信じるものは自分のデータしかない。

「でも」もうそのデータは信じられない。

「でも」きっとチャンスはあるはず。

「でも」負ける日々に涙を流してばかりいる。

でも…でも…の繰り返し。うまくいかない。

遠征をしても抽選負けで終わる。

マイホでは設定246確演出が出るも…推定設定2であろう『Re:ゼロから始める異世界生活』（以下リゼロ）で殺される日々。オマケにこの田舎町に1台しかなかったリゼロが4台になる。狙い台が4台になったケースのデータは持ち合わせていない。最高台数の挙動データは『まどかマギカ2』が3台で入った時のデータのみ。

しかもその4台を朝から閉店までぶん回す養分が後を絶たない。一向に高設定は入らない。ハイエナなんてできる訳もない。

詰んだ。

でも、朝一の設定変更ランプチェックと「いつかリゼロに設定が入って収支がプラスにいく」と信じてバカみたいに打ち続けた。

朝一並びは2人ほど。心は絶望を抱えたまま。前を向く事なんてできなくなっていた。そんないつもと変わらない開店5分前。

「おねーちゃん達今日もリゼロ？」

え…？顔を上げると、サングラスをして小柄で細い質のいい服を着てる小奇麗な男の人が声をかけてきた。

らびパン「今日も…リゼロです…。」

小さな声でたった一言返事をした。

その時は、後にこの男性が私を引退から救う…たった一つの希望「トシにぃ」となる事なんて知る由もなかった。

それからその男性をよく見かける様になった。話をすることは無い。気がつくとその男性が勝ってる姿を、私は横目で（いいなぁ～…）って見ることが多くなった。

そして運命の日。

『黄門ちゃまV 女神盛』（以下ちゃまV）が新台初日で、男性は台を確保して深く息を吸い込み、足を組んでゆったりとしたフォームで打ち始めた。

それを見てなんとなく「今日は私から話かけてみよう」って思った。

らびパン「お兄さん何で『ちゃまV』なんですか？」

お兄さん「今日もリゼロに彼氏と2人で来るって思ってたからさ。2人の間に俺入ったら悪いしょ？」

ホールで聞こえやすい様に耳元で、口の前に拳を一個つくって話してくれた。とても聞きやすい優しい話し方だった。

らびパン「そんなこと気にしないでください！」

お兄さん「ははっ」

その優しそうな人柄に、その日はたくさん声をかけて、わいわいと仲良く話をし続けた。

らびパン「お兄さんライン交換してもいいですか？」

お兄さん「いいよ～」

らびパン「トシさんっていうんですね！私はらびパンっていいます！仲良くしてください！」

マイホのスロット仲間ができて嬉しかった。その日は結局リゼロでまた死亡の私達。でも、そのトシさんが打っていたちゃまVの高設定を夕方譲ってもらった。

めちゃくちゃいい人だなぁ～と、ラインをやり取りする日が続いた。

マイホのバジ絆が熱いはずの前日。またGOD凱旋に設定入れられて殺されるのかなぁ～って不安でいっぱいだった。

ピロン♪　ラインが来た。

トシさん＜明日バジ絆狙いに行くかい？

この人マイホでバジ絆が期待できる日も知ってるんだ……自分以外にバジ絆を狙ってる人に初めて出会った。まぁ…設定が入って無くてもトシさんと連れ打ち楽しそうだし、明日はバジ絆狙ってみようかな！って思った。

次の日3台あるバジ絆の真ん中にトシさんは座った。私は右の狙い台、ダー様は左の台。

トシさんが真ん中に座ったのは、私達の知識量がどのくらいかを知るのと、私達のために設定看破をしようとしてくれるためだった。

朧でモードを読まず、“熱い日だからぶんまわせ”という私達の知識量のなさはすぐにバレた。

トシさんは真ん中でカチカチくんを使って私達のBCの色までカウントし、シナリオ、モード、テーブル、チャンス目の数、何Gで発展しているか、何でBTにあがったのか、ストックがあるかどうか…などバジリスクにおける設定推測と挙動の先読みを私達の台までやってくれていた。

トシさん「それ3G後に発展してBC（バジリスクチャンス）入ってるよ。」

なんでもない通常時。本当に3Gで演出してBCに入った。まさか…3G先を読めるの…？偶然だよね…？

トシさん「それBT（バジリスクタイム）も入ってるよ。朧でスタートするから。」

BTに本当に入り朧画面スタート。なんで…？なんでBTに入るのがわかるの…？しかもスタートのキャラまで…？

らびパン「あの…ダー様の設定悪そうだからやめていいですよね？」

トシさん「なんで？今やめる理由なんてまだ何一つないよ。まぁ、最速で見切ったら教えるから大怪我はしないから安心して。全部見ておくから、まだやったほうがいいと思うよ。」

本当に台のピークを読んで「やめてもいい」と教えてくれた。

私は狙い台が当たり4000枚を吐き出す。よし、設定ツモった。今日は▲酒でへべれけになれる。後はぶんまわ…

トシさん「それ設定はないよ。今がやめどき。」

もちろんそれも正解だった。

なに…この人…？コレが世に言うバジキッズ(笑)？

鳥肌が立った。

私の本能はもう気がついてた。

ーこの人は一流だー

地区大会で勝ったり負けたりしている三流プレイヤーが私なら、この人はオリンピック級のプレイヤー。

らびパン「トシさんプロですよね…？」

トシさん「…前はね。最高で40人束ねてた軍団の親やってたよ」

まじかよ……聞けばその軍団は私でさえ目にした事があった軍団だった。

らびパン「なんでこんな田舎町のホールに1人でいるんですか…。」

トシさん「全部捨ててきたから。」

らびパン「え…？」

そこまでトップに上り詰めた人の軍団を捨てた理由…なかなか聞ける機会なんてない。めちゃくちゃ聞きたい。

トシさん「軍団も店も全部捨てて農家の後継ぎになるために、この町にやってきたのさ。」

聞くと跡継ぎといっても奥さんの実家の跡継ぎだという。

愛する人と子供のために、40人ものスロプロ軍団を捨てて農家に転職するという、驚きの人生ストーリーがそこにあった。

トシさん「俺、小遣いはもらってないからさ。小遣い稼ぎにね。」

思い出すと見てる範囲でトシさんが負けてる事は一度もない。ここ3年通ってようやく掴んだ私のデータ以上の情報解析をし、2月に来たというトシさんはたった1ヶ月で全て掴んで勝ち続けているって…。

すごい人と出会ってしまったかもしれない。

私は人と「恥ずかしい」の感覚が昔からズレている。

ち◯こと言えても女性の方は絶対に口にできないとか、バスで自分だけ降りるって主張が恥ずかしいからピンポンを押せないとか……(笑)

知らない人に話しかけたりする積極性はあっても、パチ7の周年オフとかは人見知りなので行けない。

まぁ、もっと仲良くなってタイミングを見て少し教えてって言えたらなぁ……。

しばらくトシさんとマイホのデータを送ったりしてラインでやりとりしていた時だった。

トシさん＜スロットで勝ちたいなら教えようか？

突然の事にドキドキした。でも断わる理由なんてない。

らびパン＜いいんですか!?

トシさん＜いいよ。ハイエナの仕方とか、基本的な事なら教えれるよ。

教えてほしいなんて言えなかったのにトシさんから言ってくれるなんて……。降って湧いた様な話にとびついた。引退なんかしたくない。もっともっと本当はいっぱいスロットがしたいよ。もっと勝率をあげたい。

藁にも縋る気持ちだった。

トシさんは勝つために想像以上の情報を惜しげも無く教えてくれた。

らびパン＜今日はハイエナできそうなの落ちてないです…。

トシさん＜カンフーレディ見てみな。

カンフー？近寄った事も無いんですけど…

私もダー様も打てるハイエナも含んだ機種は、

「まどかマギカのプチボ連」
「バジリスク絆のスルー狙い」
「ジャグラーの高設定狙い」
「エヴァAT777のシナリオ」
「番長3のベル回数」
「化物語の高設定狙い」

たったの6機種。

これだけしか戦えない。知らない情報が新しい風を吹かせてくれた。

でも何を見ていいかわからない。それさえもトシさんはわかってくれている。

トシさん＜見るのはここと、ここ。どうなってる？

教えてくれた所の画像を送る。

トシさん＜当たるまで打っていいよ。

らびパン＜これって左リールに何を狙えばいいんですか…？

そんな事も知らなくて恥ずかしいけれど、もうなりふりかまってはいられない。

トシさんは「スロッターなのにそんな事もしらないの？」なんて一度も言わず、丁寧に教えてくれた。

結果から言うと、カンフーレディのハイエナは大成功。その次の日も「ちゃまV」のハイエナの仕方を教えてくれて大成功だった。収支が上がりはじめてる…。引退…しなくてもいいかもしれない…ゴクリ…。

ハイエナの幅を広げてくれるだけではなく、ハイエナの時間が間違ってる所から…基本の「き」を教えてくれる。

そんな日々のラインにずっと付き合ってくれるトシさん。

トシさん＜ちゃんと教えようか？なんか本気みたいだし（笑）

らびパン＜本気ですよぉ！師匠になってくれるんですか!?

トシさん＜じゃぁこれからどこかで会って作戦会議しようか？

汚部屋を急遽ダー様と片付けて家に来てもらった。トシさんはカバンから「白霧島」という芋焼酎を手土産に持ってきてくれた。

霧島の白…ごくり…このへんじゃ目にできることがない一品。

トシさん「冷たくしてのんだほうがおいしいよ。」

らびパン「はい！師匠！」

トシさん「その師匠ってのさぁ、やめない？（笑）」

らびパン「じゃぁトシにぃ！」

トシさん「うん、それでいいよ。」

お言葉に甘えて初めての白霧島の風を空ける。芋臭さがない！なんていい香り！氷にグラスを入れて一口頂いた時だった。

トシさん「本気でスロットで勝ちたいの？」

勝ちたい。でもいくら勝ちたくても私のお粗末なマイナス収支で「本気」だなんて…ものすごい恥ずかしかった。

らびパン「勝ちたかった…です…。」

トシさん「プロになりたいか？」

プロ…？私が…？

スロット始めたばかりの頃…パチ7の自由帳投稿時代のプロフィールには「プロ目指す駆け出しビギナー」なんて書いてたのは、私の黒歴史である。スロットのプロなんて簡単なものじゃなかった。すぐに私はあきらめてマイナス収支ばかりの養分勢に成り下がった。

「プロになりたいか」という質問は、まるで地元の地区大会ですら勝てないやつに「オリンピックで勝ちたいか？」と聞かれているのと同じだと思った。

夢物語を語るにはまだ酔いは回っていない。もう一口飲んだあの時のスピリッツの味は覚悟の味がしたのを一生忘れる事はないと思う。

そんな思い出のスピリッツちゃん。

★『白霧島』

しろのやさしきりきり～～～～～！

白霧島はすごくやわらかい味で口の中をつつんでくれる。芋焼酎はお湯割りで芋の香りに酔うのが好きだったけど、なるほど…これは芋臭さを楽しむんじゃなく、芳醇な香りに包まれるのを楽しむのか…。

めぐむ氏がイラストにしてくれた綺麗な女性が優しく話しかけてくれてるような感じみたいに、トシにぃの目がサングラスの中で優しくこっちを見ていた。

なりたいって…言ってもいいの…？

夢をもう一度見てもいいんですか…？

希望を託してもいいのですか…？

引退する前に、もう一度諦めないで挑戦してみたい！

プロなんてママ業をやりながらなんてムリだと誰もが思うとおもう。

でもトシさんはそんな私にムリだとは言わず「挑戦してみるか」って言ってくれたのが嬉しかった。プロなんて想像できないぐらい大変な事だと思うし、もしかしたら途中でくじけてしまうかもしれない。でも、少しでも私なんかに可能性を見てくれるなら、その大変さも知ってみたい！

最後にもういちどスロットを諦めたくない！　　それが本音。

たった一言口に出すだけで涙があふれそうだった。

らびパン「プロ…に…なりだい…です…！」

トシにぃは優しく笑った。

こうしてトシにぃと私の新しいスロット人生がスタートする。

「崖っぷちホームラン決めてみたいしょや！乾杯！」

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★『これまでの収支』

連載回	収支	お酒
第1回	▲3300枚(5スロ)	サッポロクラシック
第2回	▲200枚	シードルスイート
第3回	▽4500枚	ストロングゼロドライ
第4回	▲7750発	雪摘み
第5回	▽625発	澪
第6回	▽2000枚	ほろよい冬みかん
第7回	▽1500枚	ウメッシュ
第8回	▽32500発	トリスハイボール
第9回	▽950発	スカイブルー
第10回	▽1300発	のどごし生
第11回	▽15000発	ふんわり鏡月アセロラ
第12回	▲1750発	茘枝酒
第13回	▽1075枚	オランダモルト
第14回	▽18750発	キレートレモンサワー
第15回	▲2281枚	茜霧島
第16回	▽2400枚	レモンビール
第17回	▲6491枚	WILD TURKEY
第18回	▽470枚	ガラナサワー
第19回	▽1786枚	ウメカクピンクグレープフルーツ
第20回	▲7200発	御苑
第21回	▲9521枚(10スロ)	Maker's Mark
第22回	▽12000発	上善如水
第23回	▲6897枚	ゴディバ　チョコレートリキュール
第24回	▽650枚	流氷ドラフト
第25回	▲1850枚	珈琲焼酎
第26回	▲1900枚	酔鯨
第27回	▽4925枚	こだわり酒場レモンサワー
第28回	▲9050枚	一番搾り(岡山づくり)
第29回	▲5450枚	白霧島